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学びは行動!とっとりビジネス学習diary 第3回 工藤隼斗さん

今回は、消防ポンプ・消防車メーカーの吉谷機械製作所に勤務されている工藤隼斗さんにインタビュー。ご自身で「オタク」というほど好きな消防車のデザインに熱中する工藤さんのお話から、”好き”を仕事にし学び続けることの楽しさや葛藤をお聞きすることができました。


オタクの熱量が強みに

昔から列車が異常に好きで、いわゆる”オタク”でした。当初は列車のデザインをしたくて、大学でプロダクトデザインを学びました。
ベースがオタクなので、喋りすぎちゃう時があるんです。でも大学の友達と話しているときに喋りすぎたことに気づいて謝ると「普通その熱量で喋るやついないんだよ。それは大事にした方がいい。」って言ってくれて。
友達曰くこの熱量は武器らしいんです。 熱量を持っている好きなことと、大学で学んだデザインを掛け合わせて、何かうまいことできそうだなと思うことができました。
でも列車のデザインだけする仕事ってないんです。自分が活躍できる所を探して「列車以外に何かないかな」と思ったときに、同じくらい好きな消防車のデザインの道に進みました。

就職活動でも”オタク”全開

総務部 部長山下さんに同席いただき、工藤さんについて聞いてみました。


吉谷機械製作所では、工藤さんのような消防車好きの方が多いんですか?

いえ、彼のような方は珍しいですね。元々設計部門はありましたが、デザインをする部署は工藤さんが入社するまでありませんでした。

デザインを担当する方の応募はされていなかったんですね!
工藤さんはどういう経緯でデザインの仕事をされることになったんですか?

工藤さんの面接を行った当時、コロナだったのでオンラインで面接を受けてもらったんですが、突然プレゼンが始まったんです!(笑)
面接に来ていきなりプレゼンを始める人、僕は初めて見ました(笑)

普通に話していたら「もっと喋っていいよ」って言われたんです。「じゃあ喋らせていただきます!」と、自分が一から考えた消防車のデザインを画面共有でお見せして、気づいたら熱弁しすぎて50分も経っていました(笑)

熱量キープのコツ 視野は広く、知識は深く

面接でも熱弁するほど、ずっと変わらず消防車を好きなことに驚きです!
その熱量はどうやってキープされているんでしょうか?

知れば知るほど視野の広がりと知識の深まりがどんどん続いていくんです。 子どもの頃に「消防車は赤くてかっこいい」というところから、たくさん調べて視野が広がったときに「水を出さない車輌もあるんだ」と知って、さらに知識が深まって、どんどん世界が広がっていきます。そのたびに好奇心が満タンの状態になるので、熱量をほぼキープしながら進んでいる感じです。

ワーク アズ ライフという言葉がありますが、工藤さんはまさに働いたり勉強したりする意識がなく消防車についての学びを楽しく得てきたんですね。

一人で取り組む苦労

でも、デザインの担当者が現在自分一人しかいないので、苦労もあります。4年目になり「工藤くんの自由に考えて良いよ」と言ってもらえるんですが、一人なので具体的な相談ができる人が身近にいなくて…。
例えば上司から高いクオリティのハードルを設定されて、それを超えるという構図だとやりやすいんでしょうが、一人なのでハードルもなく、進む方向も進み方も分からないので、暗闇の中で一人ぽつんと立っているような恐怖感もあります。

会社の皆さんは若手の自由な発想に期待したいけど、若手の方は指針がないと不安ですよね。どちらの気持ちも分かるもどかしい状態ですね。

ただ、最近「自分が動かないと上司も判断できないよね」と気づいて急にやる気スイッチが入りました。今は社長賞を取りたくて、動画編集ソフトも使ってみて自分のスキルアップに取り組んでいます!

防災に取り組む思い

4年間工藤さんがお一人で感じられた苦労や葛藤が分かりました。
その中でもモチベーションを維持できた理由は何なんでしょうか?

自分の大きなベースになっているのは気仙沼市で経験した震災です。今でも「何をできたら震災で生き残ったものとして意味が生まれるんだろう」と考えます。
地元に貢献したい思いはあるんですけど、地元に残ったままだとできることは少なくて、自分のやりたいことをするために県外に出て経験を積もうと考えました。やりたいことを考えたとき、消防は防災との関係が強く、あの時生き残った者としてひとつの意味を見出しています。

震災の経験が、仕事での向上心につながっているのですね。

今でも当時を頻繁に思い出しますが、「ああいう経験をした上で今仕事をやっているんだから頑張んなきゃ」っていうスイッチに切り替えています。

多角的に見ればできることはたくさんある

自分の捉え方次第で、自分にできることはまだまだ出てくるはずだと思っています。これは大学の時にデザインを学んで、いろんな視点を持つように教わったことが影響しています。
一つのことでも、いろんな角度から見たらできることはもっとあるだろうし、一つ新しいことを学んだら、できることが10倍に増えるかもしれない。その視点は日頃から持っています。

学びは”行動”

最後に、工藤さんにとって学びとは何か教えてください。

学びとは、行動することだと思います。いろんなやったことないことの一歩目って怖いじゃないですか。学びはその一歩を軽くすることに繋がるんです。自分が何の気なしに「これなんだろう?」と調べて新しいことをたくさんやる結果、一歩のハードルはかなり低くなると思います。

一歩のハードルが低いって羨ましいです。
私は失敗したくないという思いが強くて、いつもチャレンジできません。

失敗が自分にとってマイナスだったとしても、震災を経験した自分にとってはマイナス一歩くらい何てことないんです。だったらマイナスでも良いから行動しろよって自分に対して思います。
自分は、根はネガティブなんですけど、挑戦して全然できなくても「初めてなんだし当たり前」と思って、できたら「俺やったじゃん!」とポジティブに捉えるように意識しています。

何かを学ぶためにはひとまず行動すること、行動した結果できない自分も受け止めて、できたときは自分を褒めてあげるといいなと思いました!
本日はありがとうございました!


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