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学びは遊び!とっとりビジネス学習diary 第6回 川村諒志さん

今回は、株式会社OMOI 川村 諒志さんにインタビュー。体育会系の両親のもと育ち、子ども時代は勉強よりもスポーツが中心の生活だったという川村さんが、「学び」をどのように捉え取り組まれてきたのかお聞きしました。


学びと無縁だった学生生活

両親が勉強よりスポーツをやってほしいという考えだったこともあり、高校まではテスト前でも常に遊んでいるような生徒だったので、学びというテーマに当てはまるところはほぼないくらいです(笑)
ただ、高校3年生の夏頃から、ふと「このまま大学に行くと心配だな」と考えて、行きたい大学を決めて勉強し始めました。
大学に入ってからもサークル活動や遊ぶことばかりしていて、「自分はこのままでいいのか」という不安はありましたけど、何も行動しませんでした。

迷った時には本を手に取る ―多角的な学び―

しかし、現在ではかなりの量の本を読まれているとお聞きしています。
「学び」から遠い生活が変わるきっかけが何かあったのでしょうか?

大学時代、心理学の本を読み始めたのがきっかけです。その時出会った本によって自分の中で悩んでいたものとのバランスがとれるようになりました。そのとき、悩みを解決するのに本はすごくいいなと思って、今でも僕は悩んだら誰かに相談するより本を読みます。

例えば企業の規模を大きくしていこうとしたときに、有名企業のチェーンストア理論を取り上げた本を同時に5冊読んだりしました。1企業の事例を5冊以上読み込むことでいろんな解釈や視点を持つことができ、自分が今どのステージにいるのかが分かりやすくなります。
会話からインプットするのが得意な人もいますが、僕は文字でのインプットが得意だったんだと思います。自分がどのタイプかによって、結構学び方も違ってきますよね。

私も本からのインプットが好きなタイプですが、同じテーマについて複数冊読むことはありませんでした。書き手によって異なる表現を咀嚼して、自分なりの解釈を見つけるのですね。

自分らしさを発揮する場を見つける

本での出会いがきっかけで、コンサルティング業界に就職しました。一年目は同期の誰よりも働くと決めて、深夜まで働いていました。二年目からは自分なりに一番価値を出せそうな食や教育の分野に絞って仕事をセーブし、結果を出せるようになりました。三年目ではその成果を広げることができましたが、四年目になって「このままの仕事を続けていても地方は良くならないのではないか」と思い、より地方のためになることをしたくて独立することに決めました。

独立される際、鳥取県を選ばれた理由は何ですか?

googleマップを見ながら「どこにしようかな」と考えたりもしたんですが、最終的に、人口が少なくて起業家が一番少ないところで活動することが意味があるんじゃないかと思い、鳥取県を選びました。都会に比べると、鳥取県の方が圧倒的に一歩目を踏み出しやすいです。
ただ、一歩踏み出したものを継続させるのが、人口が少ないと難しく、何かそこを継続できるようなサポート体制などが今後の鳥取県でもチャレンジを増やし、地域を楽しくするために大事だと思っています。

地域が良くなると勝手に思っているーやりたいことは70個!ー

鳥取でやりたいことはもう既に70個くらいあって、あとはそれを順番にカタチにするだけだと思っています。僕の場合は移動するとやりたいことが見つかりやすいです。他の地域に行ったときに「これは鳥取の方が良いものができるのでは?」とアイデアが出てきます。

川村さんは地方の特性を活かした事業をつくられるのがお得意なように感じています。どんな視点で地域をご覧になっているのですか?

僕は他の地域にあるものを鳥取にも持ち込むという手法はあまりしたくなくて、鳥取だからこそ日本でトップ3を目指せるようなブランドを作りたいので、見ているのは鳥取の人のニーズだけではないと思います。
「日本で有数の場所になるにはこれがこんな形になった方が良い」というように、逆算しながら物事を見ている感覚があります。

そして、やりたいことに対しての理解を深めるために100件くらい事例をリストアップして調べます。100件も調べると、だんだん「鳥取でやるならこうすべきだろう」というものが見えてきます。ビジネスの土台となる原理原則は守りつつ鳥取らしさをつくることで、オンリーワンのものが作れると思っています。

1事業につき100件も調べるのに、そのやりたいことが70個もあるとは…!
やりたいことが見つからない人も多い中、川村さんはどうやってそんなにたくさんやりたいことを見つけているんでしょうか。

僕も自分に対してやりたいことって、実はあんまりないんです。僕が自分のためにやりたいことって、自分は川が好きなので、「川を泳いでいたい」という思い以外ないんですよね。

川を泳いでいたい…予想以上の自然好きで驚きました(笑)
では川村さんの70個のやりたいこととは何ですか?

自分に対してやりたいことは本当にそれ以外ないんですが、「鳥取が」と考えたときには「こうあるべきじゃないか」「こうした方が良いんじゃないか」とアイデアがすごく出てきます。自分起点で物事を起こせる人もいれば、地域起点や特定の人起点でだとやりたいことが見つかることもあると思います。

やりたいことが見つからない人は、対象を変えて考えてみると良いかもしれませんね!

遊びと学びは表裏一体

川村さんのご経歴に沿って、川村さんの考え方や学び方を教えていただきましたが、改めて川村さんにとっての「学び」とは何でしょうか。

僕は、学びとは「遊び」かなと思っています。例えば僕は川で鮎を捕まえるのが好きなんですが、その中で「どこに行ったら鮎がいるんだろう」と気になって勉強するじゃないですか。全て遊び起点で調べ始めて、結果としてそれが学びになったり、次の学びたいという気持ちにつながるんじゃないでしょうか。
今自分が携わっている仕事も、責任をもってやっていますが、「仕事するぞ!」という気持ちより「こうなったらもっと幸せになれるかな」と遊びに近い考え方をしています。
このあたりの考え方は、僕の「遊び」とまーしーさんの「実験」とは、言葉が違うだけで定義は近いのかなと思います。

お二人とも、とてもシンプルに物事を捉えて取り組まれるなと感じました。

そうですね。投資がいくら必要か、ビジネスモデルはあるのか、などは後で良いんじゃないかなと思っています。それより、日ごろ気になったことをどんどん調べていった先にこそ、独特なものが生まれると考えています。

遊びを起点にその時の自分の関心事を調べつくし、その結果得た知識が学びとして蓄積されていくんですね。
「勉強しなきゃ」と身構えず気楽にいることが重要なんだとわかりました!


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