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Vketとメタバースと昔々と未来の話

はじめまして。
超不定期なのでVtuberと名乗ってよいかわからないですが
細々と海外meme動画解説動画を投稿している

終野 THE END

です。


2年前の3月、本当に思いつきで自分の3Dモデルを作ってVtuberデビューした、もうすぐでVtuberを名乗って3年目になる。
そしてありがたいことに3Dの体はVRMというファイル形式によってあらゆるサービスに持っていけるので、あまりクオリティは高くないが、この体を使ってVRChatをごくたまに散策している。


始まりはVket3から

VRChatを知ったのは海外の動画で”Nagzz”というYouTuberのチャンネルを見たときだった、現在彼は動画投稿は行っていないが、多くの人がVRChatを知るキッカケとなったと思う。
そしてウガンダナックルズとかの面白い動画を通して興味が強くなってきた。

そんな興味が燻っていたある日、使っていたパソコンが壊れた、簡易水冷を使っていたが中の液体が乾ききり熱暴走を起こした、せっかくなのでPCを新調することにし、BTOのPCとHTC VIVEを購入した。

何度かやっていてもすぐに飽きてしまった、ただこの高い買い物をどうにかして取り返そうとしていた、だから無謀にもVtuberになった、特に計画もないのに。

もちろん結果としては私のチャンネルを見ていただければ一目瞭然、そこまで再生数がもらえるわけでもなく、迷走に迷走を重ねている。2019年付近はにじ◯んじとかホロ◯イブが幅を利かせてきていたので、逆張りで無理やり3DのVtuberになった。

伸び悩んでいる中、Vket3開催の知らせを聞き、「バーチャル空間でのコミケみたいなものだろうか。」程度の気持ちでぐるぐる回っていた。

正直この時は「blender(3Dモデル制作ソフト)さえ使えれば何でも作れる。」イキっていたので、「わざわざ他の人の売ってるアバター買うかぁ?」とか思っていた。
しかしVket4からVketの様子は大きく変わった…

Vket4以降の企業参入のスケール感

Vket4以降から多くの企業が参入してきた、いわゆる企業専用のワールドが用意されて、個人製作者のワールドとは分けられているのもの、個人制作、企業が入り乱れるコミケのような雰囲気になってきた。(本物のコミケは行ったことないけど)

個人が作成したものを売り買いする空間特有のエネルギーと、企業が公式で出すブースのお祭り感が合わさり、カオスな空間となってきた。
VRChatという無料でできるゲーム(VRSNSとも言えるか)内で行われている1イベントとしては自分が知っている限りではこれ以上の規模感で、個人企業が入り乱れているものはVket以外は知らない。

無料でできる、というのは大きなアドバンテージであると感じている。
Vketは実際のコミックマーケットと同様出展料が必要ではあるが、ワールドに入る側はパンフレットを購入して入り口で係員に見せてから入場などは必要ないのでどんな人でも出展されているものを見ることができる。

いい時代になったものだ、と言いたいところだが、似たようなSNSとゲームが合わさったようなものが、十数年前から存在していた…

Second Life と meet-me

とある語録のコミュニティ

昔々、自分はとある語録例のアレを喋る人たちのコミュニティで遊んでおり、Second Life内のコミュニティにしばらく身をおいていた。
PCが壊れる前の話なので、ゲーム内スクリーンショットなどは残っていないが、自分のアカウントのゲーム内通貨の残高を確認できた、懐かしい。

31リンデンドル・・・


そのある語録を喋る人たちのコミュニティでいろんなワールドを観光したりしていた、そんなある日…

meet-meがサービス終了!!

meet-me(ミートミー)とは

東京23区の構造物や駅などを再現した(とは言ってもゲーム内の主要都市以外は更地に近いが)仮想空間で自分のアバターを操作して釣りや虫取り、家造りなどのスローライフや、RPGゲームやレースゲーム、カードゲームなど様々なコンテンツが遊べる、いわば日本版のセカンドライフである。

ニコニコ大百科より:https://dic.nicovideo.jp/a/meet-me

とまあ、Second Lifeの日本バージョンを目指し、制作されたのだが、10年サービスが続いた後サービスが終了した。

いわゆるmeet-me難民たちがそれなりの数で一斉にSecond Lifeに移住を始めた、その当時にコミュニティにはそれなりに人がいたが、もっと盛り上がった。魔女伝説のサバトみたいに。

Second Lifeは失敗した? 答えはNO

失敗したメタバースとしてSecond Lifeが槍玉に挙げられるが、個人的には力尽きてしまったmeet-meのほうが失敗作である、と考えている。
当時としてはメタバースという概念は浸透していないし、そもそもSecond Lifeとはサービス体系が完全に異なる。なので単純比較はできないし、しないほうが良いと思うので、メタバースとしての比較はしていない。
メタバースという尺度は今現在出来たバズワードなのであまり多用はしたくないので、バーチャル空間上で人が行き交うSNSとしてSecond Life とmeet-meを比べて劣ってしまったのがmeet-meであると考えている。

meet-meの存在を知ったのはサービス終了半年前ほどだった、またしてもある語録を喋る人たちのコミュニティがmeet-meの中で出来ていた、その人達がアップロードするmeet-meの内容を見ていたにすぎないが、彼らの言い分としては、面白いこと以外何でもできるゲーム、苦行、などと言われていた。

開発の規模でSecond Lifeより劣ってしまうのは仕方のない事ではあるが、
ユーザー自身が作るものはアバターと家しか無かった事が敗因とも言える。
基本的に用意されているゲームはユーザー自身が作ったものは無い。
故にmeet-meでは特に用意されている肝心のゲームの内容が単調であったり、理不尽な難易度である割に見返りもそこまで無いので苦行などと言われた。

対してSecond Lifeはユーザーが建物を立てたり色々なコンテンツを作り上げて遊ぶことができる。そしてユーザーが作ったコンテンツを売り買いする事もできる、Second Life内のマーケットや自ら購入した土地の中で物を売ることができる。
しかし、このモノの売り買いがSecond Ligeが失敗言われてしまっている原因だと感じている。

Second Lifeバブルとその崩壊

Second Lifeには土地を購入するシステムがあった、土地を購入しなければ自分の制作物を広く公開ということは出来ない、土地の購入には2種類方法があり、Second Lifeの運営が用意しているメインランドをプレミアムアカウントになり借りる方法と個人でサーバー使用料を払いプライベートリージョンを作る方法がある。
何かを自由に作って公開したいのであればSecond Lifeの運営が用意しているメインランドだけで良いと感じるかも知れないが、プライベートリージョンでは月額を払えば払うほど大きなく土地を管理できる、そして管理している土地を売りに出すことができる。

この土地の売り買いシステムこそが急激な人口増加と人離れを生んだと考えている。
大きな企業や投資目的の人が大きくプライベートリージョンを買い、他の人へプライベートリージョンを売ることで儲けようとする人々が出てきた、
ただ、思っていたより土地をわざわざ購入する人が現れなかった事から人離れが進んでいき失敗呼ばわりされるようになった。
自分がある語録を喋る人たちのコミュニティに入っていた時はすでに人離れが済んでいた、自分たちのコミュニティが日本人のコミュニティとしては活動が最も盛んなレベルであったようだ、そのせいか近くの土地やコミュニティで借りている土地の価格が上がったりしたようだった。

Second Lifeのブームが去ったと言われていたのにも関わらず、それなりに楽しめてはいた、そのコミュニティの中で他のワールドを観光したりアバターを組み替えたり買った物を見せ合ったりしていた…
世間に言われているほど荒廃してもいないわけで、結局の所サービスが続いていてコミュニティが築かれている限りSNS型のオンラインゲームに失敗はないのだ。

俺たちはただ遊び場所がほしいだけ、出来ればタダで。

Second Lifeの弱点

Second Lifeにとってのネックは、
土地を持たないと自分のワールドは作れない
ワールドやアバター制作のメソッドの共有が今のVRChatほど盛んではなかった。
この2つだと考えている、時代が合わなかったとすればその通りかも知れない、現代では簡単にYouTubeで分かりやすく知識の共有ができるのでアバターやワールドを作っていく側になりやすい。
Second Lifeが流行った時はあまりYouTuberが登場して情報を共有して…というような事があまりなく、一部の人のブログやゲーム内でしか情報を得られなかった、いうなれば時代を先取りしすぎていたために急加熱と急な人口減少が起こったのかも知れない。

VRChatの話に戻ろう

この点で言えばVRChatは様々なメソッドを共有しあえる時代に、Unityという汎用性の高いゲームエンジンでアバターやワールドを作って無料で公開することができる。
そして1つのソフトあたりの単価が高いVRの中でも珍しく無料でゲームとして売られているような内容のゲームワールドで遊ぶことができる

VRChatの「public」で周り、外国人ばかりのワールドに入るとよく目にする、デスクトップモードでVRChatをプレイしているであろう声変わり前の子供がグループになっている光景をよく見ないだろうか。
メタバースという言葉でよく話題に出るフォートナイトやRobloxも無料でできるゲームであり、サンドボックスモードなどで他人の作ったステージなどを体験することができる。YouTuberなどのインフルエンサーが無料でできるゲームのワールドでリアクションをする動画を見て自分もそのワールドに行き、遊ぶ。というのが現代っ子の遊びのようだ。
このことから、無料で遊べるゲームは海外の子供達にとっては公園のようなものになっているのかも知れない。

公園で使用料は取らない

怪しい情報商材屋が言うには、メタバースとNFTでマネタイズが云々…
という人が多い、だが実際VRChatのパブリックのワールドを回っているとそこまで深く考えてこのゲームをプレイしている人は居ないように感じる。
無料で、遊びたいからやってきた、ただそれだけだ。
ワールドを公開する人にとっては誰も来なければ作った意味がない、どのような年齢だろうとワールドに来て公開したものを見てほしいという欲求でワールドを公開している人がほとんどかと思われる。
みんなが自由に作れる無料の公園がそこにはあって、遊んでいるという事だけで十分なのだ。

未来の話

Second Lifeの話が過去で、VRChatが現在であるとすれば、未来はどの様になるだろうか、ユーザーのコミュニケーション方法とすれば、チャットだけではなくボイスチャットもすでに行われていた。VR機器を使用すれば自由に動けるようになったが、ユーザー側ではこれ以上の進化はVRの没入感を上げる以外に残っては居ない。今後に変わっていくのは運営が用意するサービスの側だと考えている。
クリエイターがいかに素晴らしいものを作ろうと運営が理不尽であった場合にはたちまち人離れが進んでしまう。
Second Lifeは理不尽というものはあまりないが、土地システムがある以上、土地の管理者次第で人をキックすることが可能だった。年齢レーティングを区間ごとに定めることができ、表現の幅を広く持つことができていたが、メソッドの共有がうまく行っていないのもあり、隠れて小さなコミュニティで盛り上がれる程度だった。
VRChatは年齢レーティングがないため過激な表現のあるワールドはpublic化しにくいが、プライベートならばある程度自由にワールドを作ることができるが、グレーゾーンであるのは確かだ。
このグレーゾーンにこそ、なにか輝くものを感じる。
みんなの公園はすでにいくつもあるので、そこで真正面から戦うのは無理だと考えている。

新しいメタバースを作りたいならば、作る人へ言いたいこと。

  • 無料であること

  • アバターのカスタマイズ性は今のVRM並みが良い

  • 既存のものは追いかけないでいい

正直に言ってしまえば、日本発で新たなメタバース型SNSを作りたいのであれば、成人向けコンテンツなども視野に入れて行かなければ勝ち残ることはできないと考えている。成人向けコンテンツ自体VRと相性が良い、Vketに出店されているアバターでもなかなか際どいものもある。
であるのならば、運営側から削除される恐怖のない、ルールに従えば自由に制作物を公開できる場所に需要があるのではないか。
やれNFTだの頭の硬いことを言わなくて良い、欲望を解放させてくれ。

結論

結論として、以下の3点がこれからのVRSNSに必要なものであると考えている。

  • 無料で使えるみんなの公園であること

  • アバターなどは制作しやすく、受け取りやすく

  • 欲望が開放できること

これからどのようなメタバース型のSNSやゲームが台頭してくるかは分からない、最初に述べたSecond Life内のある語録を使うコミュニティのように突発的に人気が出る場合もある。しかし、無料でなければ始める人は少なくなるし、アバターの変更の容易さなどは必須条件となってくるだろうと考えている。
VRChatも企業が参加する大規模なイベントが開催されてはいるが、まだまだアバターの着せ替えの難易度などの課題も多い。せっかくVketで購入したものでも、着せ替えできるかどうかは個人のスキルに依存してしまう部分もまだまだある。
アバターを作り、共有しあうという部分にまだ少し引っかかりがある程度で、VRChat内のワールドに言って遊ぶ、ということは特別なスキルはいらない。ザッカーバーグの言うメタバースは、家に居ても外やオフィスにいるようにVR空間内でいろんなバックボーンや人種が隔たり無くコミュニケーションをとることができる、というものだが、個人的には現状メタバースと呼ばれているものに、ザッカーバーグ氏の言う定義は当てはまっていない。
現在流行しているメタバースの価値は、NFTやVRといった新技術ではなく、人同士のコミュニケーションと”遊び”であることを忘れてはならない。

そしてこの”遊び”が、今後どのように影響を及ぼすのかを、よく考えていかなければならない。

あとがき

読んでいただきありがとうございます。
「Vketから考えたメタバース」の応募が動機で完全に見切り発車でしたが、なんとか書き上げることができました。
正直、「メタバース」という言葉はバズワードに過ぎない派なのですが、SNSとゲームがくっついたモノの呼び方としてメタバース型のSNSと表現しています。
自分の話の主軸としては、「現状「メタバース」はゲームで遊んでいるに過ぎない。」と言う物がありました、そのうえでまだメタバースという言葉がバズワードとなる前のゲームであるSecond Life や meet-meの話を書きました。要するに、「ゲームとして面白くなきゃいけない」というものがこれから先もメタバースにはついて回ってくると思われます。
会社の会議をするならMicrosoft の TeamsやSkypeなどで良いわけですし…
文章冒頭の通り自分は結構な逆張りマンなので、世界のカリスマの言うことが必ずしも正しいわけではない。と思っているフシが有るので、全体として逆張りめな文章を書かせていただきました。

ほしいな

革新技術だろうと、面白くなければ意味がない。なので、今後ももっともっと面白いものが出てくることを願います。自分もいつか作る側に…


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