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【め #49】中途視覚障害者として歩み出したばかり
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キムラさん
キムラさんにお話をお聞きする前のやり取りに、こうあった。「中途視覚障害者として歩み出したばかりなので今後どう生きていくか模索中の状態です」。
ビジネス用語で、どんな顧客に向けた製品やサービスなのか具体的に設定した人物像を『ペルソナ』と呼ぶが、キムラさんのような方が、Inclusive Hubのペルソナなのだ。
キムラさんは2024年1月、人間ドックを受けた際に眼底異常が見つかる。それ以前から「何となく視野が狭い実感はあったが、不便もなかったので、病気由来だとは意識していなかった」。
眼底異常を受けて自分で最初に疑ったのは『緑内障』。日本人の失明理由の上位として「情報量が多かった。逆に言えば、それしか知らなかった」。しかし、緑内障に強い人気のお医者さんに先の予約を取って受診するも診断が下りない。
最終的に大学病院に行き、2024年8月にやっと下った確定診断は、目の内側を覆っている網膜という組織に異常をきたす遺伝性・進行性の病気『網膜色素変性症』。「なんだそれ?」というのが正直な感想だった。
キムラさんにとって「そこからのヘルプが欲しかった」。確定診断を受けてから弱視の方向けの『ロービジョンケア』にたどり着くまでの道は、「そこは各自でお願いしますという感じ」に見えた。
もちろん、弱視の方向けの支援として、セミナーや支援団体や点字図書館があり、最近では慶応義塾大学と日本盲導犬協会による『ロービジョンケア・ハブ』といった取り組みも始まっている。
ただ、中途の視覚障害者は、生まれつき全盲の方と違って、「今までの当たり前を手放すことになり、(網膜色素変性症であれば)遺伝性や進行性であることで闇に引っ張られやすい」。そうやってメンタルが落ちているときに、必ずしもすべての人が、自分で情報を調べ入手して、外に出ていけるわけではない。
情報自体も大事だが、「まだ障害を受け入れられない、前向きになれないときに、寄り添ってくれ、教えてくれるようなものがあったらよかった」。
キムラさんはより具体的に「(病気が)何歳で判明して、いま何歳でやれてるよ」「今はこういう風に考えている」など同じ境遇の方の前向きな話が聞きたいと話してくれた。もちろん、自分と全く同じ人がいるわけではない。でも、聞けば「一人じゃないと思える」。
そんなキムラさんに見つけてもらったのが、(恐縮ながら)Inclusive Hubだった。
「希望の光だと思いました。”め”のカテゴリーに出てくる方々の記事をたくさん読みました。それも見たい時に見れる。”救われましたボタン”を押せたらいいのにと思うぐらい、救われた。直接お伝えできるなら、ありがとうと伝えたい」(そう言って頂き、こちらこそ、ありがとうとキムラさんに伝えたい)
できればさらに、「日記のように、同じ年代の人がどうやって仕事をして、過ごしているか、日々の気持ちを知りたい。特別な人じゃなくていい、頑張っているとかでなくていい。どこかにいる普通の人がどういう風に暮らしているのか」を知りたい。
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冒頭の通り、キムラさんは「中途視覚障害者として歩み出したばかり」だ。そのことを「自分から言おう、理解してもらおうというエネルギーはまだない」と話す。
その理由は、「配慮される側でしかなくなる怖さ」だ。「こっちもできることがあるのに、ずっと気を遣われ、やってもらう側になる」ことを怖れる。
キムラさんは、障害に限らない本質的なことにも触れてくれた。「普通の状態から段々こぼれてくる。でも、老化もそうだけれど、何かステージに立つには、それを隠さないといけない感じがある。結局みんな”普通”を装わないといけない」。
もし普通ではないこと即ち気を遣われるような社会は、周囲が良かれと思ったとしても、当人にとって居心地がいいとは言えない面もある。ちなみに、最も身近な旦那さんは、病気が分かった後も「(もともと)優しくもないけれど、何も変わらない」。
「それが救いでもあり、変わらないのが一番いい」
そして、「配慮される、やってもらう、助けてもらうになってくると、自分は人を助けられないのか?役に立たないのか?となってしまう」とも話してくれた。
そんなキムラさんの経験や感情や日常こそ誰かの役に立つのでは?と投げると、「誰かの役に立つのであれば発信したいし、それは生きる力になる」と笑顔が返ってきた。
どうしたら、ある人の経験が見知らぬ誰かの役に立ち、その誰かの経験がまた他の誰かの役に立つ、そんな循環が作れるのか。そして、そうした発信が増えた結果として、社会の”普通”という感覚が変化していくのか。Inclusive Hubとして、ペルソナであるキムラさんのアドバイスを頂きながら、引き続き考えていきたい。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
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