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【横断 #8】子供の将来を見据えた運動発達療育


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三瀬 康之さん


 第4話でご紹介した『一般社団法人センターポール』が提供する運動発達療育を中心にした放課後等デイサービスを訪ねた。


 迎えてくれた三瀬さんの名刺には『公認心理士』とある。しかし、資格のイメージとご本人の空気感が”良い意味で”一致しない。

 聞けば、大学時代から舞台表現を始め、サラリーマンとして勤めながら『コミュニティダンス』に携わった。コミュニティダンスとは、”1つ1つの身体がダンスする”という考えのもと、文化や年齢や障害の有無などに関わらず人々の多様性に働きかけるものだ。


 「ダンスの型というより、その子独自の動きの引き出しに飛び込んでいき、お互いに影響を受け合いながら動作の幅を広げ、一緒に空気を作っていく感じでしょうか。ただ自分から動いたらいいわけでもなく、相手が動くまで待つこともあります。相手にこうしてほしいというより、自然とそうなっちゃった、というスタンスで空気感が成立することも多いです」


 福祉の世界に入ったのは、その後。ダンスを続けながらできる仕事としてたどり着いたが、生活介護、就労移行支援、復職支援、運動支援と多様な支援経験を積んだ。現在の放課後等デイサービスは、三瀬さんにとって「今までやってきたことをトータルで活かせる場所」だ。


 「モノを言えない子もいます。でも何かしら発しているはずなんです」。支援者が「健常者の使う言語でやりとりできないからといって、自分たちの都合を通して我慢させていそう場面も見てきた」。だからこそ、そんな自分にならないよう、「毎日子供に接するときに、自分が試されている」と考えながら三瀬さんは仕事に取り組む。


 ダンス同様に「相手にこうしてほしいというより、自然とそうなっちゃった」結果、発語が少ない子供が話し始める。体が使えなかった子が少しずつ使えるようになる。”かまってちゃん”だった子供が支援員の真似をして年下の子供の面倒見るようになる。そんなシーンが、三瀬さんの仕事の成果だ。


 そんな成果は、さらに先を見据えている。「今を楽しむことのみならず、ご両親や特別支援学校を離れた後を見据えての”今”に積極的に取り組んでいます」

 大切にしているのは「ずっと守るのではなく、彼らが自分で危機管理意識を持つための関わり」だ。

 福祉と言えば利用者に何も起こらないように囲いがちだが、三瀬さんが勤める放課後等デイサービスでは、例えば、子供たちに刃物も使わせる。仮に指を切ってしまったとしても「そんな時にどうすればいいか向き合う」。親御さんが電車に乗せることを躊躇してきたお子さんでも「1時間半とか一緒に公共交通機関を乗りまわす」。

 こうした方針は、見学体験時から親御さんに伝えるとともに、入所後も、子供一人ひとりについて、テキストだけではなく豊富な写真も添えた「密度の濃い」報告をしている。親御さんにも安心と、お子さんの「家では見せない新しい表情」を届けている。


 「特別支援学校を出た後の選択肢を増やしたい」。通常であれば、障害者の雇用に特別の配慮をした『特例子会社』への入社、枠がなければ就職の前段階として『就労支援』への入所、または『生活介護』の選択肢など。でも、これからの時代は、アナログの仕事が減り、働き口が少なくなっていくかもしれない。

 そうした中で、三瀬さんは、「自分たちがかかわっている子供たちが、どうやったら働き口を確保できるのか、将来どういう風に生きていけるか」を常に考える。それによって、目の前にいる子供への「関わり方がちょっとだけ変わってくる」から。


 そんな子供たちは、社会に出れば、色んな大人にも出会うだろう。

 この放課後等デイサービスには、芸人さん、スポーツ監督、女優さんなど、多様な経歴を持った大人が子供たちの療育をサポートしている。大人の個性が溢れていることは、子供の寛容さを育てることにもつながる。


 ふと見ると、放課後等デイサービスの施設の前にワゴンが止まり、子供たちが乗り込んでいく。帰宅するのかと思ったら、行き先は近くの大きな公園。

 「起伏が多い公園で、それを登れなかった子が登れるようになったり、自然と体の使い方を覚えるきかっけになんです。多動性の子も走り回ることを無理に止めることはしません。自分の体力の限界までくれば、自然と落ち着くこともあります。自分の限界を知らないままにルールの枠にはめて止めてしまうのではなく、自分の限界を知っているからこそルールを学べる状態になれる。そんな順番でも考えています」


 どこまでいっても、まず子供本人のままを大切に。でも、その先には彼ら彼女らが自立しなければいけない世界を見据える。そんな『一般社団法人センターポール』が提供する運動発達療育を中心にした放課後等デイサービスは、まだ1施設だけ。

 こんな放課後等デイサービスがもっと増えてほしいし、三瀬さん達のような個性あふれる大人がもっと参加してほしい。




ここまで読んでくださった皆さまに‥


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