【しんけい #14】障害じゃなく、どう人生を輝かせられるか
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽
畠山 織恵さん
「1年間で5714人へ講演を届けることが、私の目標なんです!」
聞けば、日本では、年間5714人のうち1人の割合で自殺をしている。「講演が届けば、少なくとも1人を救えるかもしれない」
そう話す畠山さんに面食らった。なぜなら、畠山さんは自殺対策のカウンセラーなどではなく、脳性麻痺の息子さんをもつお母さんだからだ。
著書『ピンヒールで車椅子を押す』が“23年間にわたる親子と家族の成長記録”として話題になり、昨年は年間1000人超へ講演を届けた畠山さん。講演に来られる方のうち「実は障害に携わる方の割合は少なく」、一人の人間としてどう生きるかのヒントを求めて来られる方が多い。
畠山さんは、生まれてきた息子さんが重度の脳性麻痺だとわかっても、「それは彼の体の一つのパターンであって、一人の人間として見たいという気持ちの方が強かった」。当時は今ほど簡単に情報が手に入らない時代だったが、それがかえって、「脳性麻痺に振らない、自分らしい関わり方の選択にもつながった」と振り返る。
息子さんの体は、「全身勝手に力がめちゃくちゃ入って突っ張る」「体が意思に関係なく動き続ける」状況だ。それ故に、色々なことを諦めようとするのが普通だろう。しかし、畠山さんは息子さんに「できるかできないかを考えないで。やりたいかやりたくないかだけを考えて」と言い続けた。
その結果、息子さんは、パラグライダーに乗って、一人旅をして、動けなくても会社『HI FIVE』を設立し、話せなくても大学講師を務めている。
畠山さんが大事なことを付け加えてくれた。「(息子さん)本人は単にワクワクしてやっているだけですよ」。「障害者イコール頑張っている」という印象も変えたいからだ。
こうした「自立」をさらに実現していくために必要なのが、技術だ。
例えば、声を出したり体を動かしたりできない場合、PCディスプレイ上の文字を視線入力やスイッチで選択するような「意思伝達装置」を通じてコミュニケーションを取る。しかし、畠山さんの息子さんの場合、自分の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう「不随意運動」のせいで、スイッチをうまく使いこなせない。
どんな意思伝達装置を試してもうまくいかなかった息子さんでもすぐに使えたのが、第12話でご紹介した清原さんが取り扱う『ニューロノード』だった(動画※音楽が流れます)。この機器のおかげで、息子さんは、「大学の講義のスライドも自分で操作できるようになった」。
さらに、その先でアレクサと連動すれば、「ひとりで家電も操作できるようになる」。現状ではアレクサ対応家電は高額だが、可能性は広がっていく。畠山さんは今、この『ニューロノード』の普及アンバサダーも務めている。
畠山さんは、こうした「自立」の積み重ねを通じて、「誰かがいないと成り立たない世界を何とかしたい」
もちろん、まだまだ環境が整っているわけではない。特に、移動だ。
例えば、家の中であっても、息子さんは、お風呂だけではなく、布団など複数の場所で車椅子から移動しなければならない。ヘルパー人材が減る中で自立したくても、2台以上の移動リフトの購入補助は制度上「検討すらしてもらえない」状況だ。
「1カ月先のスケジュールまで決まってしまっている」。相当前からヘルパーさんに入ってもらう調整をしなければならず、ちょっと外出したくてもできない。
「飛行機は、いまだに乗れない」。飛行機は自身の車椅子では搭乗できず、決められた車椅子に乗り換えないといけない。しかし、特殊な形状でないと座っていられない人もいるのだ。席をいくつか確保することも考えられるが、金銭面で現実的とは言えない。
でも、「移動が叶ったら、人生が変わる」。移動こそ、「誰かがいないと成り立たない世界」の象徴だからだ。
こんなお話を聞きながらも、「一昨日に息子が一人暮らしを始めたんですよ」と聞かされて、驚いた。「親子の形に一つ区切りですね。次はビジネス。母親じゃないパートナーと一緒にやっていく形にもっていく」
「彼の働き方がベーシックになることで、選択肢を提示したい。もっと自分の違いを活かしていいんだ、自分のままでいいじゃん。障害とかじゃなく、若い人誰しもに伝えたい。そこをコツコツと目指します」。
そうか、だから畠山さんは「1年間で5714人へ講演を届けたい」のだ。
畠山さんは、脳性麻痺の息子さんの自立は、親子「お互いの自立のためにも大事」と言った。そして、息子さんに言い続けた「できるかできないかを考えないで。やりたいかやりたくないかだけを考えて」を、畠山さん自身もいま実践しているのだ。
例え障害のある子供が生まれても、逆にそうでなくても、その子供も、そしてその親も、どう人生を輝かせられるか。それを畠山さんは問うている。だから数多くの人が講演に足を運ぶ。
皆さんにも是非一度、畠山さんにお会いになることをお勧めする。障害の話ではない、人生の話が待っている。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽