【め #26】Go beyond 2020(東京2020を超える)
濵井 南咲希さん
上智大学には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに立ち上がり、共生社会を目指して活動する『Go Beyond』という学生団体がある。2020年の前に開催された平昌冬季パラリンピックに調査派遣された学生2名が「様々な違いを超えてその場で感動を共有しあう姿に心を打たれた」ことが発足の原点で、濱井さんは現在、5代目の代表を務める。
『Go Beyond』には、3つの理念がある。「Go beyond limits(限界を超える)」、「Go beyond borders (境界を超える」、そして「Go beyond 2020(東京2020を超える)」。2020年の東京オリパラを契機に立ち上がった学生団体は多かったが、今でも続いている学生団体は珍しい。「2020年で終わるのではなく、そこからつないでいくことが大事」という想いが込められている。
掛け声だけではない。例えば、一人ひとりが持つ個性や共生社会について子供たちが考えるきっかけをつくりたいという想いから続く、小中学校への出張授業。都内のみならず、被災地にまで赴く。濵井さんも地元の鹿児島に戻って授業を行うなど、全国で展開している。それに限らない多様な活動が認められ、国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長が来日した際には意見交換する機会も与えられた。
そんな『Go Beyond』が新たに取り組むのが、『CÉCITOUR TOKYO』だ。『CÉCITOUR』は、フランスハンディスポーツ連盟が取り組む視覚障害者スポーツに特化したプロジェクトで、2023年はフランスの主要5都市を巡回し、今回初めてフランス国外で、それも東京都内にある上智大学のキャンパス全体を使って開催される。まさに、2020年東京から2024年パリにつないでいく象徴的なプロジェクトと言える。
そんなプロジェクトを率いる濵井さんが『Go Beyond』に参画した理由は、「そこで活動している先輩方が何より熱くて楽しそうだった」から。『Go Beyond』の先輩は卒業して時間が経った今でもパラスポーツや障害のある子どもの自立に携わっているそうで、入部以来、「そういう風になりたいと思って活動を続けてきた」。
しかし、この活動にのめり込んだ理由は、もう一つある。濵井さんは中高時代、バレーボールに打ち込んでいたが、大きな怪我を負いバレーボールができなくなり疎外感を感じたことがある。この経験から、何かしら抱える不自由を「わかってもらえないことで苦しむ」人がいれば、それを理解する環境をつくりたいと思うようになった。それは誰一人取り残さないパラスポーツに通じると感じている。
濱井さんが「東京2020大会を終えたGo Beyondのビッグチャレンジ」と話す『CÉCITOUR TOKYO』は、5月12日に開催される。誰もが輝ける社会に向けてともに考えアクションを起こすきっかけとなるよう、学生主体で準備が進められている。その後、濵井さんはインクルーシブな社会構築について多角的に学ぶため、英国に留学する。「大学卒業後も引き続き多様性を認める社会の構築に貢献する仕事に就きたい」という夢がある。
それと同時に、こうしたイベントを通じて、『Go Beyond』が団体として継続していくこと、さらにメンバーに限らず多くの学生に関わってもらえること、それが学内に留まらず社会に広まってくれることという夢もある。
そのためにも、濱井さんやメンバーにとって、『CÉCITOUR TOKYO』に「1000人来場してもらうことが悲願」だ。そのために弊社も協力するし、これをご覧になった方は是非5月12日に上智大学に立ち寄ってみてほしい。キラキラ輝く『Go Beyond』が待っている。
▷ Go Beyond
▷ CÉCITOUR TOKYO
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