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ピンチをアドリブで乗り越える技 46/100(The Den)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


産まれ変わる

ゴールデンウィークも終盤ですが、いかがお過ごしでしょうか?

明後日にこの連載に関するQ&Aを、オンラインで実験的に行う予定です。ご興味あれば是非この機会に、ご参加くださいませ。

(もし、時間帯とかご都合悪いとかならば、是非教えて頂きたいです!試行錯誤で進めていければと、思っております。)

さて、今日はロンドンの演劇学校で行っている、おそらく秘伝のエキササイズをご紹介しようと思います。

もしかしたら、これは今後消すかもしれません。
極秘というわけでもないのですが、あまりネットに晒したくない、かも?

でも、連休で少し気持ちに余裕のある今、例えば明日の朝とかに、ぜひ試してみて頂きたいです。

まずは、ピンチに陥った時の話からしましょうか。

前回、vulnerability は魅力に繋がるというお話をしました。詳しくはこちらをご参照ください。

また、傾聴の重要性と(5/100参照)、そのためのエキササイズもご紹介しました。

答え合わせは、この回で記載してます。

この、幼児性の魅力と、周辺の空間を捉える傾聴力、これらを発揮することで、ピンチ脱却への助けになるかと思います。

このエキササイズは、この2つを鍛える、というか、

覚醒させるためのものです。

演劇学校では、入学後、比較的早いタイミングでこのエキササイズをやらされます。

まだ、そこまで親しい間柄でない同級生と一緒に、これをやるには勇気が必要ですし、一人で行うエキササイズとはいえ、同級生の様子が目に入ると、結構動揺すると同時に、妙な連帯感が生まれたと記憶してます。

自分の恥ずかしい部分を、曝け出すのですから、当然です。

だいぶ前置きが長いですよね?

でも、このエキササイズは、それだけ重みのあるものです。

先輩たちからも、

「まだ、やっていないのか?」
「今日がThe Denの日か!」
「終えたのか、へえええ…ようこそ」

などと言われていました。

そう、
エキササイズはThe Denと呼ばれるものです。

DEN
巣とか、ほら穴という意味です。

いつもは5、6時に授業を終えて、パブに直行するのですが、
(当時、学生寮のパブは1パイントのビールが1.80ポンドと破格!今では普通、5ポンドぐらいします…)

この日は遅くなる、と事前に知らされます。

たしか終わったのは9時ぐらいだったかな?

このエキササイズの為に3、4時間を私たちは費やしました。

「自分で居心地のいい巣を作ってもらう。その為にダンボールとか毛布とかを、持ってくるように。」

と、言われます。

広い体育館のような空間で、30分ぐらい、ゆっくりと時間をかけて、自分の居場所を作ります。
ここまで、これから何をさせられるか、伝えられていません。

「いま作った自分の巣の中で、横になって、目をつぶって」

しばらく経つと、

「あなたは、これから産まれたての赤ん坊となります。」
「五感の全てを使って、すべてを探究してください。」
「例えば、手足や、舌すらも初めは未知のものです。」
「自分についての発見が、ある程度出来たらば、あなたを取り巻く空間にも、赤ん坊のような好奇心を持って向き合ってください。」

そこから3、4時間、私たちはこの世界を、ゼロから再発見します。

幼児性を体感し、自己認知をし、空間を捉え、好奇心を再び呼び覚まして、真の傾聴を全力で行います。

そういうエキササイズです。

私からは、これ以上の説明はしません。

ご興味があれば、朝起きた時とかに、少しでもこんなことを考えてみて下さい。

自分一人で行うのはなかなか難しいでしょう。

正直、意味分かんないですもんね!

でも、
たまたま高校から一緒だった同級生は、やたらと何でもかんでも、噛んでました。

とだけ、記しておきましょう。

演技というものを、その技術を中心に、精力的かつ効率的に学んでいくためには、同級生との間での羞恥心は邪魔になります。

このエキササイズを終えた私たち26人は、家族同然の関係性を育むことができ、その関係は20年後の今も続いています。


Q&Aへのご参加お待ちしてます!

連載50回を記念して、オンラインのQ&Aを開催してみようと思います。
わたしの文章力の乏しさから、上手くご説明できていない部分も、多々あるかと存じますので、この機会に何なりとお尋ね下さい。

また、この連載は「出し渋っていてもしょうがない!」と思い、シェアコミュニティーの意識で、無料公開しておりますが、Q&Aには3000円の参加費を頂戴したく存じます。

今後の展開へ向けての投げ銭と思い、ご支援を賜われますれば幸いです。

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