【入居者インタビュー】わたしのプロトタイプ#2 「バーを経営しながら作家として本を書き上げる」
THE CAMPUS FLATS TOGOSHIは「プロトタイプする暮らし」を応援するコクヨ初の集合住宅です。施設には、どなたでも利用可能なレンタルスタジオを併設し、「いつかやりたかったこと」へ一歩踏み出す方をサポートします。
でも、”プロトタイプする暮らし”って、例えばどんなこと?
スタジオって、何があるの?
実際に挑戦している方々の暮らしをご紹介していきます。
今回は、スタジオを拠点に「食」にまつわる場づくりに挑戦しつつ、”いつかやってみたかった”ことを実践されている入居者の餅田宏喜さんです。
半年で15回のイベントをFLATSで開催!?
-餅田さんは、フリーランスで、食にまつわるコンサルティングのお仕事をされているんですよね?
餅田 はじめは全然、違ったんですよ。
もともとはプラント業の会社で、ゼロから工場をデザインして、立ち上げて、動かして、人雇ってっていうのを日本各地でやって回るような仕事でした。
そこから紆余曲折あって、地元の横浜で食品系の会社に勤めることになり、工場や流通の仕組みを変えるプロジェクトや食品のものづくりにも携わりました。
いつかは独立しようという思いは持っていたのですが、50歳ぐらいのときに真剣に起業を意識し出した頃、茨城県の米農家さんとの出会いがありました。生産者さんの思想、自然に根付いて暮らす姿に圧倒されて。
その出会いが、米づくりや米を原料にした商品開発のコンサル業といった、自分の今の仕事に結び付いています。
-FLATSで、餅田さんが“プロトタイプしてきたこと”はなんですか。
餅田 まずは、「ウブントゥラボ」の取り組みですね。
*Ubuntu(ウブントゥ)とは、ズールー語で「他者への思いやり」「みんながあっての私」「普遍的な絆」の意味。
「地球に優しいライフスタイルを創造する基地」をコンセプトに、FLATSを拠点に活動を始めたプロジェクトです。
食やウェルビーイングの視点から、ものづくりワークショップや活動報告会、有識者の方を招いたトークイベントを「ラウンジ」で開催し、多くの人に参加してもらいました。
-FLATSのスタジオのひとつ、スナックも利用されていますね。
餅田 はい。月に数回、「Snack Motti」という店名でバー営業もしています。
自分が開発に関わっている食品や地域の食材を提供して広めることをテーマにやっていますが、裏のテーマは、バーのマスターをやりたいという長年の夢の実現です。
自分の好きな音楽をかけて、好きなお酒を出して…お客さんがあまり来ない日も、静かにのんびりする時間が持てて、それはそれで楽しんでます。
餅田 このあいだ、入居してからどのぐらいイベントをやってきたか数えてみたら、半年で15回ぐらい。大体、平均客数から考えると200人弱ぐらいの人が、僕が開いたイベントを通過してきたことになるんですよね。
本当にいろいろな人とのつながりが作れて、我ながら、ここまでできるとは思ってませんでした。
最近は、イベントやバーに来てくれた人と「私もやってみたい!」「じゃあ一緒に何かやろう!」というようなコラボレーションが生まれることもあって、それも楽しいことの一つです。
「バーのマスター」になる夢が住まいで叶う
-そもそも、餅田さんがFLATSに入居されたきっかけは何だったんですか。
餅田 数年前から都立産業技術大学院大学のシニアスタートアッププログラムを受講したり、西大井創業支援センターに入居したりして、これから先の人生を、どう楽しもうかなと模索していたところでした。
いろいろと学んだり、仲間を見つけるために動かなくては、と思っているときにFLATSができると聞いて、これはいい!と飛び付きました。
-入居の決め手は?
餅田 私がやろうとしているビジネスは「農業」や「食」がキーワードで、興味を同じくする人たちや賛同してくれる人たちが集まる、ハブになるような場をつくりたいと思っていたんです。
実は、若いときからバーをやってみたいという密かな夢もあって、レンタルスタジオが併設されていること、特に「スナック」は、場所として理想的でした。
-入居後、実際にスタジオを使ってみてどうですか?
餅田 これまで主に「ラウンジ」でさまざまなイベントの企画、「スナック」でバー営業などをやってきました。
来てくれたお客さんは、みんないい印象を持ってくれますね。
新しさもあるんでしょうけど、外から見たときには分からない開放感のある空間や、クリーンな雰囲気がいいね、とみんなこの場所を楽しんでくれて、それは僕もうれしかったです。
バー営業をするときは、いつも自分の好きな音楽を流しているんですが、「スナック」は音響の設備もよくて、それもすごくいいですね。
週に2、3日過ごすFLATSは「仕事場兼秘密基地」
-FLATSでの普段の暮らしはどんなスケジュールですか?
餅田 家族と暮らしている自宅は別にあって、FLATSに寝泊りするのは週に2~3日ぐらいです。
週の前半は茨城で農業関連の仕事、それから東京に戻ってきて食に関するコンサルティングの仕事をして、週末、スタジオでイベントをしたりするときにFLATSに来ています。
当初は、集中できる仕事場のような感じでビジネスライクに使おうと思っていたんですけど、好きなものに囲まれて暮らしているうちに、自分だけの秘密基地のような感じになってきました。
-居室で気に入っているところはありますか?
餅田 私が借りているのはAタイプの居室ですが、家具とか部屋のつくりもシンプルだから、自分好みの部屋づくりが自由にしやすいのはいいなと思ってます。
家具(ACTUS製品)が備え付けっていうのは、特に僕のようにサードプレイス的な使い方をする人にとってはありがたいですね。
ただ、逆に自分の家具を持ち込みたいっていう人もいるだろうから、備え付けが何もないまっさらな部屋があって、選べるようになっていてもいいのかも。
-なるほど。参考にします。スタジオに対する要望はありますか。
餅田 「スナック」にはいろいろ器が用意されているけど、自分では、なかなかそろえられないような特別感のある器があるとうれしいなと思いました。デザイン性があるものだったり、アーティストの作品だったり。
目標は三部作の小説を80歳で書き上げること
-これから、さらにやってみたいことはありますか。
餅田 「Snack Motti」は、これからも定期的にひらきます。いろいろな人とコラボレーションすることに力を入れていきたいですね。
僕の人生の目標は、バーをやりながら作家として本を書き上げることなんです。今やっている仕事を75歳ぐらいまで集中して続けて、三部作の小説を書き始めて、80歳で書き上げる予定なので、それまでバーは続けなきゃ。
FLATSは"いつか"を"今"にできる場所
-最後に、FLATSでの暮らしを楽しめるのはどんな人だと思いますか?
餅田 がちがちに決めきったものじゃなくてもいいけれど、「目的」を持っている人、「これやりたい!」という思いが何か一つでもあること。
あとは、少なからず自分のやっていることを外に向けて発信したいという思いがある人は、すごく楽しめるんじゃないでしょうか。
-FLATSの暮らし、ひとことで表現すると?
餅田 僕にとっては、"いつか"を”今”にすることができた場所です。今、自分がやりたいことに向き合える、そんな暮らしが実現できています。
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(文:THE CAMPUS FLATS コミュニティマネージャー)