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vol.6 結婚式の持つ本来の価値を伝えたい。 ~“予想を超える結婚式”とは~ The ARCADIA Inc.代表インタビュー(後編)

The ARCADIA Inc.の代表取締役社長・大串淳が今ある結婚式をアップデートさせたいと打ち出した“予想を超える結婚式”。これを実現させるための取り組みとは? vol.5に引き続き、大串の心に宿る新たな想いをお伝えします。

“コンセプトウエディング”の社内コンテストを開催

― “予想を超える結婚式”を実現させる手段としての“コンセプトウエディング”とのことですが、10月に実施されたコンセプトウエディングの「スキルアップコンテスト」はどんなコンテストだったんでしょうか?

大串:こちらでペルソナ(架空のご新郎さまご新婦さま)を立てて、
The ARCADIA Inc.の全5店舗それぞれのチームで“コンセプトウエディング”を考えてもらいました。1つの店舗内のウエディングプランナーやフラワーコーディネーター、バンケットやキッチンメンバーがチームになって、1つの結婚式のアイデアを出してもらう形です。画像1

2週間ほどの準備期間を設けて、10月19日にオンラインで全店舗を繋いで、それぞれの代表者に15分という時間制限でプレゼンしてもらいました。プレゼン能力、コンセプト、コンセプトと内容の連動性など、6項目の合計点で評価を。

― ペルソナを拝見したんですが、経歴から出会い、趣味趣向まですごく詳細な人物像が設定されてましたね。今回特に優れていた店舗は、どんな点が評価されたんですか?

大串:ペルソナに詰め込まれた情報を整理する力が必要だったんですけど、どこに焦点を当てるのか、その処理がすごく上手でした。雨の日のプロポーズというエピソードがあって、特別な一日に変えてくれたという心の動きを大切にした内容が素晴らしかったし、それを招待状にちゃんと落とし込めていたんですよね。

ちゃんと伝えることでその演出がゲストの皆さんの目にも気持ちにも留まるし、皆さんとの共有が上手だったなと思いました。おふたりのお気に入りで終わるのではなくて、ゲストの皆さんにその感動を広げられるというか。

やっぱりテーマを作ってもそれを伝えることができなくて、ただのおしゃれで終わるともったいない。私たちが目指しているところもそういうところなのかなと思っているんです。

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でも、どの店舗もほんとによく頑張ってくれていて。同じカップルなんですけど、5店舗がそれぞれ全然違うキーワードとテーマを出してくれて。ということは、どんな目線で、どんな切り口で提案するかによって全然違った結婚式ができるんじゃないかと。その幅を広げていきたいなと思ってます。

これからも2~3ヵ月に一度というペースでこのコンテストを続けるつもりです。今回、ほかの店舗のプレゼンを見て、「自分たちはコンセプトはよかったけれど、プレゼン方法をこう表現すべきだった」とか、考えてくれるんじゃないかな。ほかの店舗のよいところをきっと吸収してくれると思います。

すべてのカップルを幸せにしたい

― コンテストを一年も続ければ、The ARCADIA Inc.の結婚式が大きく変わりそうですね。“予想を超える結婚式”を創る企業として、ほかにはどんな取り組みを?

大串:先日テレビ局に取材に来てもらったんですけど、新型コロナで式場が倒産して、結婚式ができなくなったというカップルが全国にいらっしゃるんです。その他にも感染症予防ガイドラインが発令され、全国的に会場の規定(この広さに対し何人まで収容可能かなど)変わってしまって、もともと呼ぶはずだったゲスト人数がオーバーとなって利用できなくなってしまったりと、新型コロナが原因で申し込んでいた結婚式を諦めたカップルもいらっしゃって。

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そういった方たちのために全国の他社式場5社とタッグを組んで、手づくり挙式を無料でプレゼントしようという企画をやっています。

― 無料でってすごい。

大串:辛い思いをするだけで終わってしまうのはブライダル業界にいる私たちとしてもとして悲しいことです。おかげ様でこの5社で全国22組のカップルのお手伝いができました。たった一組のカップルであっても結婚式の素晴らしさを伝えていきたいので、会社の姿勢としてそういう活動をどんどんやっていきたいと思ってます。

それから、2020年11月22日の「いいふうふの日」には、「結婚の自由をすべての人へ」という一般社団法人Marriage For All Japanのオリジナル動画配信に協力しました。今、同性婚を法的に認めてほしいという裁判が全国各地で行われているんです。そうした性的マイノリティの方たちの活動にThe ARCADIA Inc.も賛同したいとお手伝いした動画です。

大きな反響があってTwitter上で今、45万回以上再生されているのかな。すべての幸せになりたいと願う人たちを全力で応援していきたいですね。

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“予想を超える結婚式”でおふたりの人生を変える

大串:これはある社内メンバーの話なんですけど、4歳の娘さんにいつもご飯の前には“いただきます”を言うように教えていたら、あるとき「なんで“いただきます”って言うの?」と言われたそうで。

「“命をいただきます”っていう意味なんだよ。動物の命も、植物の命も。だから、感謝して食べるという気持ちを込めて言うんだよ」と教えたら、「かわいそう」って泣き出したらしくて。その日からちょっと神妙な顔をして“いただきます”と言うようになったそうなんですね。

― “いただきます”の意味を初めて深く理解して、すごい衝撃を受けたんですね。

大串:当たり前だったものの意味を知ることによって、たぶん彼女の中で豊かになった部分があるんじゃないかなと。

結婚式もそうで、すっかり形ばかりになっているのですが、本来、結婚式はたくさんの“気付き”を得て、相手に想いを伝える場。そういう結婚式の意味をちゃんと知ってもらえたら、「人生がもっと豊かになる」のではないかなと。

そういった意味で、今日本が抱えている問題を解決しうるものとして、
フィーチャーされるべきなのが結婚式ですし、まさに今の時代に必要とされるべきことだと考えています。

― 最初におっしゃった、日本の幸福度が下がっているというお話ですね。

大串:今コロナを経験し、わざわざ大人数集まるような結婚式なんてしなくても良いのでは、と単純に捉えられがちですけど、そうじゃないと思うんですね。そんな表面的なものでは…。もちろん、最大限の感染症予防対策を行いリスクを最小限に抑えた上で、ということが大前提としてありますが。

それでもやる意味みたいなものがやっぱりあると思うんです。むしろ、だからこそなおさら、やる意味があると思うんですよ。まだまだ結婚式って表面的なところで語られることも多く、本来結婚式の持つ「意味」や「素晴らしさ」が周知されていないところも多いように感じます。

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何のために結婚式をするのか、だから私たちはこういう結婚式がしたいって、ほんとに少しずつですけど、そんなふうに考えて選んで頂ける結婚式が今後スタンダードになっていくといいですね。私たちはそのスタンダードの先頭を走りたいと思ってます。

「The ARCADIA Inc.で結婚式を挙げたら人生が変わった」、
「豊かな人生を送ることができると言われているから、The ARCADIA Inc.で結婚式を挙げたい」、最終的にはそのように言ってもらえるようになりたいですね。

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