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スリルドライブ3 タイムアタック備忘録


はじめに

 コナミが世紀末に世に解き放った傑作レースゲーム『スリルドライブ』(以下スリドラ)。カーナビ風のアナウンスに従いながら、一般車を避けつつゴールを目指すという単純明快なルールは、イニD、湾岸、バトルギアが群雄割拠していた当時のゲーセンに新しい風を送り込んだ(と、勝手に思っている)。2005年に最新作である『3』が出てからは、流石にその過激なゲーム内容にケチが入ったのか、はたまた担当していたコナミのプロデューサーが退社してしまった余波なのか、続編も移植版も出ずシリーズが終息してしまった。ただ、まだまだ全国各地のゲーセンやスポッチャには『3』が元気に稼働していることも多い。ツイッターでエゴサしてみると、令和になっても遊んでいる人が多くみられる。そこで今回は、『3』をメインに、アーケードゲーマー的視点でタイムアタックのイロハを書いていく。

タイムアタック(TA)するにあたって

 ライバルカーや電車に突っ込んで派手な事故を起こしたり損害賠償総額を積み上げるまあまあ不謹慎な遊び方がメインのゲームなので、TAする人(またはしてた人)はごく少数だろう。ただ、一般車がうじゃうじゃ走る中、如何にすり抜けて最速ラインを突っ走るかというのも結構面白い遊び方だ。また、ゲーメストやアルカディアといったアーケード専門誌での全国ハイスコア集計では、歴代のスリドラシリーズに対し、損害賠償ではなくTA部門しか集計されていなかったというのも、私がそんなに賠償チャレンジに身が入らなかった要因かもしれない。あとは『3』がTAに非常に向いているゲームだということも要因の1つかと思う。初代や『2』は一般車の配置にランダム要素が多く、アドリブで走行ラインを見切る力が『3』以上に必要だった。こと『3』に関しては、”ここに一般車が居たら捨てゲー”といった不条理な配置は無く、走行ラインに関しては完全パターン化が出来るのだ。最速ラインが決まっていることは、あとはひたすら繋げて走り切るだけとなる。プレイヤーに対して大きな利点と言えるだろ。

メスト⇒アルカディアまでのハイスコアをたどれる呑気屋さんより引用
http://mtlayk.web.fc2.com/Top/TopFr.htm

長々と書いてきたが、『3』でのTAをするにあたって、ココは押さえておきたい!というポイントを書いていく。

①オートマorマニュアルか

 『3』では車両選択画面でATかMTを選択できるのだが、TA的観点で見るとMTにしか人権が無い。ATではレッドゾーンまで引っ張ってから自動でギアが上がっていくのだが、そもそもこのゲーム、レッドゾーンまで引っ張ると加速が遅くなる。一番ベストなギア切り替えタイミングは6000回転くらいなので、自分でギアチェンジをした方が加速も早いし最高速も10㎞/h以上違う。タイムを削りに行くならどう考えてもMTしか選択肢がない。

②最速の車

 過去のシリーズではF1や女子高生、装甲車といった隠しカー(?)がラインナップされていたが、『3』でも3台設定されている。その中でもクラシックカーが、収録車種の中で一番TA向きの車両。ご存じの通りこのゲームは一般車が多くひしめく幹線道路や高速道路を疾走するので、基本的に当たり判定が小さい車が有利だ。スモール扱いのミラジーノ君も当たり判定という観点で見ればまあまあ小さい車になるのだが、如何せん加速力が低い。ということで、ややハンドリングが扱いにくいが、加速性能と最高速の伸びが良いクラシックカー一択となってしまう。大型バスも加速力が良いが、こちらもどでかい図体のため一般車をさばくのには不向きだ。

③事故について

 TAをするにあたって一番の弊害になるのは一般車の存在であろう。事故を起こしてしまうとそれだけで5~10秒ほどのタイムロスとなってしまうため無事故・無接触での完走が基本になる。ここで厄介なのは無接触というところ。無事故だけであれば、それこそ一番簡単なアメリカコースで手っ取り早く達成できることだろう。ただし、TAと言う観点でこのゲームを詰めるとなると、事故にならない接触さえも許されない。1回の接触で最高速度が1~2㎞/hほど落ちてしまうのだ。これはかなり致命的で、ゴール後のタイムにも如実に表れる。1接触は1秒のロスだ。

④最高速の伸ばし方

 ここから少しマニアックな話。『3』ではアクセルベタ踏み状態でブレーキを踏みこむと速度が落ちないというバグ技が存在する。これを有効活用し、坂道での減速やドリフト中の極端な減速を抑えることが出来るのだ。ただし最初からゴールまでブレーキを踏みっぱなしだと最高速度が伸びず、ある一定の速度(およそ254~258㎞/h)で頭打ちとなってしまう。それではどうやって速度を伸ばしていくかと言うと、ドリフト中はブレーキを離すということだ。確かにブレーキを離してしまうとドリフト中はほんの少し速度がノらない。ただし、ドリフト終わりに再度ブレーキをバンッ!と踏み込むとあら不思議、速度が1km/h伸びているではありませんか!

左コーナー進入 ここでブレーキから足を離す
ドリドリ~~~
ブレーキ再入力! めでたく266km/h ⇒ 267km/hに

このようにドリフト中はブレーキから足を離すことで、速度の伸びを期待できる。ちなみにクラシックカーのブレーキ技を使った最高速度は268km/hだ。それ以上は伸びず、むしろ、268km/hの状態で速度を貯めようとすると、263㎞/hくらいまで落ちてしまうので、268km/hまで到達したら後はゴールまでブレーキから足は離さずに走行するのがベスト。Youtubeなどでは、ドリカムの未来予想図2か!と突っ込みたくなるほどブレーキランプを高速点滅させながら走行しているエミュの動画が複数アップされているが、あれは最高速度が伸びないので、TA的にはあまりお勧めしない走り方だ。(実機だと筐体に負荷掛かりそうだし) 

⑤踏切処理の仕方

 日本コースとヨーロッパコースの2つには、途中で踏切が用意されている。勿論、そのまま全速力で通過しようとすると意地悪く電車がやってきて激突! 無事、約3000万円の賠償金をお支払いとなってしまうワケだ。そこで電車が通過した直後を狙って高速で通過しないといけなのだが、これがなんとも難しい。最速で抜けるためには踏切手前で一旦ブレーキをかけ減速し、タイミングよく抜けないといけない。おおよその目安だが、日本コースだと踏切手前のチェックポイントで160~165㎞/hまで減速。ヨーロッパだと踏切手前の石畳の橋で200㎞/h前後まで減速。あとはフル加速で突っ走れば、ちょうど踏切から電車が居なくなったと同時に通過できるだろう。

整備工場手前のガソスタでフルブレーキ!
160㎞/hまで落ちたら再加速! この時はブレーキも一緒に踏んでます
電車通過直後に通過できます
ヨーロッパも同様 改めて見返すとだいぶ攻めた走り

⑥シチュエーションについて

 『3』では各コースに対し、3つのシチュエーションを選択することが出来る。が、TA的な観点だと、おのずとシチュエーションは固定になる。というのもこのゲーム、シチュエーションによって一般車の配置が換わってくるのだ。視界が悪い条件になるについて、最速ラインに一般車が路駐していたり、思わぬ場所から車が出てくることもある。ということで最速を目指すなら日本だと曇り、アメリカだと昼、ヨーロッパだと朝のシチュエーション一択だ。

各コースのTA的攻略ポイント(随時更新)

 ここからは各コースの難関ポイントを押さえていく。ちなみにどのコースも基本的な走り方としては、インベタでコーナーを走りつつ、268km/hまで速度を貯めること。勿論、壁への接触や踏切以外での意図的な減速はNG。ちなみに、道中のパーツショップでタイヤのグリップを上げることも忘れずに。

アメリカ(昼)

  車線が広く、踏切ポイントも無いコトから3コースの中で唯一アクセル下手踏みで完走できるコースだ。一方で、走りやすいコースだからこそ、如何にインベタを走り続けるか、ミスをせずに最速ラインをなぞることが出来るかが重要になってくる。

 TA的な観点で難しいポイントは2つ。まず1つ目は中盤に出てくる砂利道だ。舗装路から脇道に入り、ガードレールのないコーナーを曲がっていくのだが、ただでさえ路面のミューが少ない砂利道をドリフトタイプのクラシックカーで突っ走るので、慣れるまでは対向車や壁への接触を起こしがちになる。砂利道コーナーの曲がり方としては、1回ハンドルを切った後は、コーナー出口までハンドル切り角を維持すること。そうすれば、楽にインベタを走行可能になるぞ。

砂利道最初の右コーナー もうちょっとインベタに寄せれます
次の左コーナー インベタは対向車が来るので車線真ん中をキープ

 続いては、ゴール手前の直角左コーナー。ブラインドコーナーみたくなっており、進入タイミングを見誤るとインに刺さって自損事故、もしくはアウトに流され過ぎてトラックと接触してしまいがちだ。ここはかなりアウトから侵入し、車線真ん中で脱出するのがベターな走り方かと思う。アウトインミドルが最速ラインとなる。

コーナー手前のガソスタからアウトに寄っておく
コーナー手前の赤い横断幕が見えたらハンドルを切り始める
ここら辺でフルカウンター! アウトに流され過ぎるとトラックに接触するぞ

日本(曇り)

 どこかで見たことがあるような店や、どこかで見たことがあるような田園風景など、一番馴染み深い景色満載のコース。日本コースで無事故・無接触を達成するためにネックとなってくるのはやはり山岳地帯と最終盤の複合コーナーだろう。

 インターチェンジを降り市街地を抜け、山岳地帯へ入るトンネルを抜けると、早速第1の関門であるS字コーナーが現れる。ここでは、通行車線と対向車線に乗用車が待ち構えている他、コーナーを脱出する辺りでトラックも走っているため無事故で切り抜けるのに神経を使う。このセクションでは2通りの走行ラインがあるのだが、比較的楽に走れるラインを紹介していく。

左コーナーが見えてきたら、対向車線側でドリフトを始める
クリッピングポイントが見えてきたら、すかさずカウンター!
通行車線に居る一般車を交わし、ドライブスルー側に流す
ドライブスルー横のトラックはアウトから交わす

このセクションでネックとなるのは、S字の入り方だろうか。クラシックカーはその挙動から小刻みな向きの切り替えしは不得意。そこで、今回のようにコーナーかなり手前からドリフト状態を作っておくことで、S字を切り返すのがベターかと考える。また、ここでは紹介していないが(というか当時カメラに撮ってなかった)、S字の切り替えしがバチバチに決まれば、ドライブスルー横のトラックをイン側から抜くことも可能だ。

 続いての関門はダート地帯。ここはコーナー内側が崖になっている他、対向車線にはトラックが走行している厄介なポイントだ。ここでもコーナー手前から弱ドリフト状態を作っておくことが攻略ポイント。ちなみに、崖には申し訳程度のパイロンが立っているが、これを跳ね飛ばしても速度に影響しない(=接触扱いされない)ので、接触する勢いでインを攻めよう。コーナー脱出時には対向車線のトラックが邪魔になるので、コーナー中盤辺りでカウンターを当て、グリップを回復しつつトラック横を通過。アウトインインが最速ラインだ。

チェックポイント!の文字に隠れた対向車に注意
対向車脇を通過した瞬間にドリフト開始 ステアリングは全切りでOK
パイロンが見えたらフルカウンター!
アウトに膨らみ過ぎないように注意

 日本コースで最難関ポイントは、浅草の仲見世通りっぽい所を走行す複合コーナーだろう。最難関と言っても普通に減速しながら慎重に走れば何の問題もなくクリアできる。しかし接触の許されないTAでは、対向車と通行車線にいる一般車の配置がイヤらしく、難関ポイントとして立ちはだかるコーナーだ。また、このコーナーは道中のパーツショップでタイヤ交換をし、グリップ力を高めた状態でないと無接触で走り抜けることが出来ないので注意。

コーナー手前のドライブスルーがステアを切る目安
ドライブスルーの看板横でステア全切り!
そのままクリッピングポイントを通過し…
セダンとタクシーの真ん中を通過したらフルカウンター!
軽トラを掠めながらコーナー終わりまでステア切りっぱなし

ヨーロッパ(朝)

気が向いたら更新

おわりに

 スリルドライブと言うゲームは色々な遊び方が出来るゲームだ。一方で、やはり世間的には派手な事故を起こしてナンボという側面がクローズアップされがちなのは否めない。まあこのネットの片隅に書かれたnoteを見て、TAをやってくれる人が少しでも増えたらなと思う。

各コースの目標タイム
日本 2分45秒台
ヨーロッパ 2分45秒台
アメリカ 3分15秒台

上記はあくまで目標タイムになる。じゃあこのnote書いてるお前は何秒台なんだよ!と突っ込まれそうなので白状すると…

日本 2分38秒48
ヨーロッパ 2分35秒82
アメリカ 3分10秒45


 


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