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麻雀 リーチに対しての押し引き

*こちらの記事は古いものになっています。興味のある方は最新版をチェックしてみてください!(主な変更点はベタオリ失敗を加味しているかしていないかで、本記事は初期に書いたものでベタオリ失敗の可能性を考慮していません。計算方法等は変わりありませんのでそのまま参考にしてもらって大丈夫ですm(__)m)

とつぜんですが質問です

鳴きタンヤオドラドラ3900点の両面とカンチャンのイーシャンテン。巡目はリーチ平均巡目の11巡とし、子からリーチを受けました。この巡、両面で聴牌した時、放銃率何%の牌まで押すことがまできますか?カンチャンの場合は何%?

20%?それとも30%?はたまた10%?

押し引きの肝のような質問ですが普段この辺を感覚で打ってる人は多いと思います。どこまで押せるかが事前にわかっていたとしたら、押し引きが非常に楽になると思いませんか?今回はそんな問いにズバッと答えちゃう記事になります。

麻雀の局収支活用

 最近よく局収支って言葉耳にしませんか?”この手は局収支で-300点だ。”などなど。しかし現実的に認識するには難しい場合が多く、その数値自体に実用性はほとんどないと思います。”プラスなら得をする、数値が多きければより得”ぐらいに思っておいた方がいいです。一方、選択肢を比べる際の指標としてはかなり有用です。局収支がそれぞれ+200、+500、-300の選択肢がある場合、どれが一番良い選択か判断することができます。

 例えばリーチを受けて押すか降りるか?麻雀を打っていればかなり出会うケースです。まさに局収支の出番、押した時と引いた時の期待値が大きいほうを選べばいいです。しかし現実的に、打ちながら局収支を計算することはかなり大変なこと。なので今回、局収支計算のプロセスを省いて、自身の手牌価値から放銃率何%まで押せるか?ということに重点を置き考えていきたいと思います。(省くといっても計算には含んであります。後ほど)

 冒頭のタンヤオ3900点のケース、結果から言うと両面で約33%、カンチャンで約23%になります。これ以下の放銃率の牌はもちろん押せるということです。これらの放銃率を簡易的ではありますが計算する方法を後半に紹介したいと思います。計算の過程はどうでもいいという方はそこまで飛ばしちゃってください。

”放銃率てどうやってわかるんだ?”という方は前回書いたnoteをみていただければ幸いです。

*以下計算に使用する数値は、みーにん氏著、”統計学の麻雀戦術”を参考にさせていだきました。

計算の流れ

和了時の期待得点から局収支計算→局収支がベタオリと均衡する放銃率を計算(ベタオリと押しの局収支がつりあう分岐点)

ざっとこのような流れになります。

グループ分け

1、子vs子、子vs親、親vs子 (前者が自身、後者が相手)

2、リーチ、フーロ

3、両面、愚形

 この3つのカテゴリーを設け、計12種にグループ分けし計算します。(例、子対子 愚形リーチなど)

局収支計算

 局収支の計算を省くといっても、最終的な放銃率を計算する過程で必要なので、あがり率、横移動率、流局率などの数値を”統計学の麻雀戦術”から引用して計算しました。例として8巡、11巡、14巡目の追っかけ両面リーチの局収支を計算してプロットしたグラフがこちらです。

*リーチ時の期待得点は、裏ドラ、一発、ツモ等を含む値

*リーチ棒に関して、先行者のリーチ棒1000点を打点に含む。流局時、供託の1/4は自身の得点として計算

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 11巡目平均のリャンメンリーチのグラフが書けました。これに上がり時の期待得点を代入すればおおよその局収支は計算できます。先ほども言いましたが、実戦において局収支は一種のパラメーターにすぎす、その値単体では大した意味はないと思っているので次に進みます。

ベタオリとの比較から均衡する放銃率

 これら計算した局収支をベタオリと比較するわけですが、計算式を考えてみましょう。先ほどの局収支をAとし、ベタオリの局収支をB、放銃時の失点をC,放銃率をpとし、”押しとベタオリの局収支が一致する”とすると、A(1-p)-pC=Bという式が成り立ちます。これを展開するとp=(A-B)/(A+C)になります。この際のpが均衡する放銃率(以下、均衡放銃率)となり、この放銃率の牌までは押した方がベタオリより得といったような指標になります。局収支Aを得点の関数とした場合の、均衡放銃率のグラフが以下のようになります。

*ベタオリの局収支、子対子がー1000、子対親がー1500、親対子がー1600で計算(流局時の供託の1/4を自身の得点として計算した場合)

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グラフにして可視化してみることで、おおよその値は読み取れるようになりす。先ほどの3900点クイタンの例を考えてみましょう。場のリーチ棒1000点を加えた約5000点の値を好形フーロ、愚形フーロのグラフそれぞれから読み取ってみると、だいたい33%、23%ぐらいと見て取れると思います。このように自身の手牌価値からの押し引きのラインがグラフを通して見えるようになったと思います。

*注 リーチ時の得点に関しては、裏ドラや自摸などを期待値を含んだ数字を使用してください。*”統計学の麻雀戦術”から引用

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簡易的な放銃率計算

これらのグラフを対局中に確認できれば良いのですが、トイメンからの視線も痛いものになってくると思うので対局中に計算できる範囲の簡易式を紹介したいと思います。

1、ベースは愚形。押し引きが難しくなる愚形を基準に考えます。それがこちら

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 *a=得点/1000 

2、リャンメンの場合、フーロなら+10%、リーチなら+14%。

3、親リーチに対してはー10%

 ルールはこの3つになります。そんなに難しくないので少し例を挙げてみます。

例1 子のリーチに対しての子クイタン3900点(冒頭の例題)

 上の表の子愚形フーロを見ます、4a+3。そしてa=5ぐらいになります(3900点+場のリーチ棒1000点)。

 愚形 4×5+3≈23%

 フーロ時の両面は10%加えるので、

 両面 4×5+3+10≈33%

例2 親のリーチに対しての子メンピンリーチ

 4900点なので、a≈5 *リーチ時得点を参照

 まず愚形リーチだった場合を考えます

 4×5-6≈14% これにリャンメンと対親の要素を加えて、

 14%+14%-10%≈18%

例3 子のリーチに対して親の愚形40符2ハンリーチ(3900)

 8600点なので、a≈9 

 3×9+8≈35%

どうですか?意外と簡単だと感じたと思います。”子の時はベースは4、親の時は3”って覚えておけば、あとは定数を足したり引いたりするだけなので難しくないと思います。注意点があるとすれば曲線のグラフを直線の簡易式で予測する形になるので、グラフの端は実際より少し大きめの値がでます(0~2%くらい)。興味を持ってくれた方は、色んな数値で計算してグラフと見比べてみてください。

さらに

今回の放銃率は11巡目平均の期待値を元に計算しましたが、巡目によって押し引きのラインは変動します。算出した例で挙げると、子のリーチに対しての愚形フーロ2000点の分岐点(均衡放銃率)は下記のようになります。

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*復習も兼ねて紹介した簡易式ですると、4×3+3≈15% 上記の端の誤差を加味すると約14%(場のリーチ棒を打点にプラスすることを忘れずに!)

このように巡目が経過するごとに押し引きのライン(均衡放銃率)が上がる場合もあれば、下がる場合もあります。巡目経過に伴う和了期待値の減少とテンパイ期待値の増加の兼ね合いによって起こります。それをどのように予測したら良いかの話ですが、ここで一旦、17巡目(最終巡)の分岐点を計算してみましょう。結果がこちら

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*計算式=(A+B)/(A+C) A=聴牌時収支 B=ノーテン時収支 C=放銃失点

*テンパイ料+1300点、ノーテン罰符-1200点、供託の1/4は自身の得点として計算

前回の記事で最後に少し触れた最後1牌の押し引きの際の放銃率です(少し修正が入ってます)。最終的に押し引きのラインはこの放銃率付近に収束すると思います。よって11巡目平均が最終の均衡放銃率より低ければ上昇傾向にあると予想でます。(逆に高ければ、減少傾向。)上記の2000点愚形フーロを例に出すと、11巡目に14%(簡易計算より)それから徐々に上昇し、17巡に36%に達すると予想することができます。そこから巡目によっての予測を立てれば10%と大きく外すことはないと思います。

最後に

 計算の話が多く少し退屈な記事になってしまいましたが、どうでしたか?自身の手牌から押し引きのライン(放銃率)を予測することで見えてくるものもあったかと思います。一つ覚えておいてほしいことは、今回紹介した放銃率は”押しとベタオリの局収支が釣り合う放銃率”ということです。

少し話が逸れますが先日、”親リーチに対して愚計テンパイはリーチのみでも追っかけリーチ”という文を見かけました。直観的にはいやいや損でしょ。試しに先に載せた愚計リーチ放銃率のグラフで確認しても、確かに均衡放銃率は0付近であっても0を下回っておらず安パイを切ってのリーチなら理論上正しい。しかし言い方を変えればー1500ぐらいの損を確定したようなものです。ベタオリしたとしてもほぼ同じー1500で、こっちはまわったり打牌選択できるオプションも残っている。これらが直観で損と感じた理由だと思いました。さらに"残り二人のベタオリの局収支ってどう変化する?”と疑問が浮かびました。もしかしたらー1500で確定した自分が一番損なのかもしれません。

このようにあくまでベタオリと釣り合う放銃率とおぼえておいてください。決してその放銃率までは局収支がプラスということではないです。

以上長くなりましたが麻雀の押し引きの話でした。

簡易式についても、実戦で計算可能な範囲に落とし込んだつもりなのでよかったら試してみてください。


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