誰にも内緒で誰にでもできる最初の革命をはじめよう
戸田真琴さんの文章を読み、とても素敵だと感じた。まるで自由詩のようで、手紙というよりも詩に近い。決して綺麗な文体ではないけれど、息遣いのようなものを感じる。めちゃくちゃなようでいて、なんか惹き込まれる。特に私が驚いたのが「誰にも内緒で誰にでもできる最初の革命をはじめよう」である。日記を書く、手紙を書くのが革命なのだ。私は濱口竜介監督の「寝ても醒めても」の感想で、恋愛は反社会的であり、なおかつ、国会議事堂に爆弾を仕掛けるよりも本質的に危険であることを監督は理解し、女性の内面にある世間からは疎まれている部分、嫌悪されている部分をなんの違和感もなく描くことに成功している。この映画は女性を男性主観で称賛するに留まらず、女性の生理的な本能を賞賛しているところが素晴らしいという感想を書いた。
今回のこの戸田さんの文章や、「寝ても覚めても」からは、何か原始的な、我々が忘れてしまった本能のようなもの、魂の叫びを感じる。私にはずっと何かが欠けていると感じている。私はそれをずっと探し続けているような気がしている。