『en/core.』桐生ちあり
桐生ちあり2ndAlbum『en/core.』
ライナーノーツ
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桐生ちあり2nd Album『en/core.』が2023年10月22日にリリースとなりました。
桐生ちありからアルバムの構想を聞いたのが2022年末頃で、2023年は3月/5月/7月とシングルを連続リリースして10月にアルバムを出したいというものでした。
収録曲については、2022年のライブにて演奏していたが、音源化していない楽曲がいくつかあったので、それらと3枚のシングルといくつかの新曲でアルバムを作るという方針となりましたが、かなりジャンルの統一性がないような気もしていました。
ただジャンルをなるべく固定しないように曲を書いてきているのは、シンガーとしての桐生ちありのいろんな側面を出したいという想いがあったからだと気付き「どんなジャンルでも桐生ちありが歌えば桐生ちありになる」ということをこのアルバムのコンセプトとして制作することとしました。
まずは3枚のシングルについてからお話ししようと思います。
2023年3月シングル『燈』リリース
●「シモキタブルース」
2022年にレコーディング済みであった関美彦さん作詞作曲の楽曲。初の関さんボーカルディレクション。ボーカルの音程補正を一切していないほど、良い歌が撮れていると思います。10/8のアルバム試聴イベントにて、南波一海さんから「サニーデイサービスの全てが詰まったような名曲」とのコメントがあったがほんとにそうだと思います!
●「別れ話」(アルバム未収録)
2017年にthat's all folksがSSWのシバノソウに提供した曲のカバー。作詞はシバノソウ。カバーするのあたりシバノに連絡したところ、秒で「承知!」とリアクションが来て、採用が決まった。2018年にthat's all folksのミニアルバム『chime』でもセルフカバーしており、これが3バージョン目。
シバノバージョンは若干怨念のこもった別れを歌っているようなイメージだったが、桐生ちありが歌うと少し過去をカラッと歌っているようで、メロディと歌詞は同じなのに印象が変わるのはとても面白い。
桐生ちあり曰くthat's all folksで一番メロディがいい曲とのこと。
2023年5月『梓』リリース
●「イマジナリー・フレンド」
作曲はthat's all folksで、作詞は猫まみれ太郎。冒頭の歌詞「幻は濁らない代わりに触れられないの」が秀逸で、幻についてそういう断面で考えたことなかったけど確かのその通りだと深く感心した。
曲は別の方のオファーで作った曲だったが、諸事情あって流れてしまったストック曲で、とにかくメロディの上がり下がりが複雑な曲になってしまった。が、ズバリと歌い上げてくれていてとてもいい感じになったと思ってる。
●「Moonlight」(アルバム未収録)
桐生ちありファンにはお馴染み野田基が作詞作曲。バンドnodamotoiの 1stアルバムに収録されている曲のカバー。桐生ちありのライブでも何度か演奏しており評判が良かったため音源化した。シンプルでいい曲。
2023年7月『蛍』リリース
●「日常と彗星とノスタルジー」
作詞作曲はとちもとくみこ/浅田将助。
浅田将助さん率いるmellow point recorderというバンドと桐生ちありサポートでお馴染み西ヶ谷源市さんがベースで とちもとくみこ 率いる フュンガフント というバンドが2マンライブを行うイベントで2つのバンドのコラボ曲として作られた曲。このライブを私は客として見に行っておりものすごい名曲だと影響を受けまくった。今もたまに思い出しては聞いていて、これを桐生ちありがやったらいいんじゃないかと提案して録音に至った。
カバーにあたり快くOKしてくださった浅田将助さんとちもとくみこさんにはものすごい感謝です。
●「セプテンバーガール」(アルバム未収録)
バンドnodamotoiの曲で作詞はthat's all folksとharu(nodamotoiドラム)の競作、作曲はthat's all folks。「日常と彗星〜」と同じく元々が男女混声ボーカル曲なのでセットでシングル化した。that's all folksソロでも演奏しており評判よい曲で気に入っている。
以上が2023年先行シングル。
これらと並行してアルバム制作を行なった。
以下はアルバム曲について全曲解説する。
2023年10月アルバム『en/core.』リリース
●1.「(theme from)en/core.」
that's all folks作編曲のインスト曲。
かねてより桐生ちありからライブの登場SEが欲しいとのリクエストがあったが、いわゆるアイドルのovertureはカラーが違うよなと思っていて作らずにいたが、アルバム制作に向け念押しでSE作れとオファーされたので作った曲。ディズニーランドで流れてそうな曲のイメージで作った。目指した通りにできたと思う。
●2.「日常と彗星とノスタルジー (Album mix)」
●3.「シモキタ⭐︎ブルース (Album mix)」
こちらはシングル盤のミックス違い。
●4.「unpleasant night」
作編曲はthat's all folks、作詞は琴海りお。
桐生ちありよりリファレンスとして何かの曲を提示されたが、当時の私はblurのことしか考えておらず、どこかで記憶が湾曲してblurみたいな曲を書かなきゃと思って作った曲。
2022年11月23日のバンド編成ライブ向けにバンドでやることを前提としてアレンジした。
●5.「待ち合わせ」
作詞作曲は二角ニ十傑。二角ニ十傑さん名義で制作された楽曲で桐生ちありがコーラスとして参加することになったが、桐生ちありが自分も歌いたいとお願いしてカバーすることとなった。但し、オケは別に作成することが条件だったためアレンジをすることになった。元々が少しサンバっぽい印象だったため、打楽器を大量に入れてすごくサンバっぽいアレンジをしてみた。ギターソロ以外にギターが入っておらず、西ヶ谷さんのピアノとやちのベースが光る名演となっており、とても気に入っている。
●6.「ラストワルツ (Album mix)」
作編曲はthat's all folks、作詞は桐生ちあり。
元々は別の方に3拍子の曲が欲しいとオファーいただき2曲ほどデモを制作した際に不採用となった方の曲だが、ピンクフロイトから着想を得て、車のカギやエンジン音を駆使したリズムを組むなど、出来がかなり気に入っており、桐生ちあり用に作り直し採用となった。2022年2月の1stワンマンライブでリリースされたシング『asobi』のB面曲(ちなみにA面の「ここから」は桐生ちありがボカロを演じた珍しい曲でアルバム未収録なので聴いてみて欲しいです)。なお、ボーカルのみアルバム用に新録している。
●7.「イマジナリーフレンド (Album mix)」
こちらはシングル盤のミックス違い。
●8.「グッドモーニング・サムシングニュー」
作詞作曲編曲は関美彦。アルバムに向け関さんの新曲が欲しいよねというわけでオファーしたが、こういう曲が欲しいということを一切言わずに関さんがいいと思うものであれば何でもお願いしますという(頼まれた方からしたら非常に困ってしまう)オファーをしたところ、後日「問題作ができてしまいました」と関さんから。何もかも最高で雑多なアルバムのコンセプトにもバッチリ!すごいです。関さん。
●9.「Baby Blue」
このアルバム用に書いた曲。とにかく1stアルバムにおける「東京」や「PINK」のような名刺代わりになる曲をと思い制作。作家としてここ数年で一番良いと思えるような曲ができたと自負している。マイナー調でソウルっぽい雰囲気に仕上がっていて、これを作りたかったというものができた。
ギターはオレンジズのネロさん。(ご健在だけど)David T Walkerを降ろして弾いてくださいという無茶なオファーに対し期待以上の最高のギターを入れてくれた。感謝。
作詞は桐生ちありで、恋愛をテーマにするよう依頼。かなり悩んだようだが、曲にバッチリハマった歌詞になったと思う。
とにかくこの曲をアメリカとかでバズらせたいです。
●10.「ネガフィルム (Alternative ver.)」
that's all folks作編曲、桐生ちあり作詞。
元々はアコースティックな曲だったがアルバム全体を見た時にアコースティックで終わるのはなんか違うと思い、一度完成したアレンジをゼロにして、荒削りなエレキギターサウンドにリメイクした。(なのでAlternative verとなっている。)
オリジナルバージョンは10/22発売のシングルに収録されているので比較して聞いてもらえたら嬉しいです。
以上がアルバム『en/core.』の全曲解説です。
1stアルバムではレコーディング時に泣かれちゃったりいろいろ大変だったけど、今回はとてもスムーズにトラブルなくできた。トラブルなさすぎて7月には全ての音が完成しちゃってたくらい。
最初に決めたコンセプト「どんなジャンルでも桐生ちありが歌えば桐生ちありになる」は証明できたのではないかと自負しています。
あとはこのアルバムが1人でも多くの人に届くことを願っています。
2023年10月 that's all folks
<追記>
アルバム発売のレコ発ライブにて
桐生ちあり10th Single『桃源郷』がリリースされました。
●「桃源郷」
作詞作曲はnodamotoiの野田基。
野田さんとnodamotoiというバンドをやる前にcosmosというバンドをやってました。
そのバンドの比較的初期の曲で、毎ライブで必ずやってた曲です。
コードもメロディもシンプルでどことなく青っぽい感じが今聴いても変わらない。そんな曲です。
●「ネガフィルム」
こちらはアルバム収録の「Alternative ver.」ではなく、前述した元々のアコースティックなバージョンです。こちらが最初なのでver表記はなしになります。
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