見出し画像

片桐仁の日本全国ご当地粘土道 第二回

第二回 「埼玉県」

片桐仁の出身地「埼玉県春日部市」のご当地作品を紹介します。
この作品は、2018年3月イオンモール春日部にて開催された「ギリ展」で発表した作品です。

「片桐たんす」

タイトル『片桐たんす』
法量:縦×幅×奥行き=350×290×140(mm)
材料:スタイロフォーム、エポキシパテ、金具、ジェスモナイト 
完成日:2018年3月

画像1

画像2

画像3

Photo credit : 廣川 慶明

春日部は桐たんす屋さんが多くて、確か『タンスの桐仁』というお店があったんです。看板しか見たことないんですが、よく「たんすの桐仁ってお前んち?」って聞かれてました。なので。このアイデアはすぐに出ました。
今回はiPad Proで写真をもとに原画を描いたりしていつもと違うアプローチをして見ました。あと木目は曲面に貼れるという、木のシートを買ってきたんですが、結局筆塗りです。
実際にこの3倍位のサイズで、職人さんに作ってもらいたいな〜。

図A

画像6


画像6

片桐 仁
1973年11月27日生まれ / 埼玉県出身 / 多摩美術大学卒業
ドラマを中心に舞台、映画、ラジオなどで活躍中。近年の主な出演作は「99.9%-刑事専門弁護士-」(TBS)、「あなたの番です」(NTV)、「NHK 連続テレビ小説 エール」(NHK)などがある。
俳優業の傍ら粘土創作活動も行い、2016年から2018年までは「片桐仁不条理アート粘土作品展 ギリ展」にて全国ツアーを開催。2019年は初の海外個展を台湾で開催している。

--------------------------------------------------------------------------------------

埼玉県春日部市について

埼玉県の東部に位置する春日部市。漫画「クレヨンしんちゃん」誕生の街として有名です。また、毎年5月になると日本三大大凧祭りの一つ「春日部大凧あげ祭り」が開催されます。大きさが百畳(縦15m×横11m)の大凧を“子供たちの健やかな成長”を願いながら数百人が力を合わせて大空へ上げていく春の風物詩です。

画像7

写真提供:春日部市

春日部市は、江戸時代のころ春日部市は日光街道第四の宿場町として設置された粕壁宿として栄え、発展を遂げて来ました。この頃、日光東照宮を作るために集まった職人が春日部に住みつき、周辺で採れる桐の木を材料とした指物*や小物を作り始めたことがきっかけで、「桐たんす」や「桐箱」の名産地になったと言われています。
指物・・板を差し合わせて作られた家具や器具の総称、またはその技法。


桐たんすについて

譯千ョェ隨・ (1)

写真提供:春日部市

日本では桐たんすや家具の歴史は浅く、江戸時代後期(およそ約1781年〜)以降から使われるようになったといわれています。それまでは、行李(こうり)や風呂敷などを利用して押し入れに収納していました。ご飯を食べるときは箱膳を出しテーブルがわりに使っていました。布団を敷いて眠り、朝起きると布団を押入れなどに収納するなど、部屋に家具を設えずに必要な物を移動して使っていました。その様な背景もあり、欧米の硬くて重みのある据付け家具とは逆で、いつでも移動しやすい軽い桐材を使った桐たんすが誕生したといわれています。さらに、木造で湿気の多い日本家屋に、防湿、防虫、耐火性に優れている桐たんすが発展してきた理由の一つであるといわれています。

画像9

行李

画像10

風呂敷​

画像11

箱膳

「家具や道具」が発展していく歴史や生活様式の違いで、西洋と日本が真逆の方向に発展することなどとても興味深いです。日本に限らず世界中で家具や道具は「より便利で使いやすく無駄のないデザイン」に発展している中で、洗練されたモノたちに粘土を盛り「使いにくくてシュールでユーモアのある作品」を発表しているのは世界でただ一人、片桐仁さんだけではないでしょうか。

著:THAT IS GOOD編集部 藤田

画像12


いいなと思ったら応援しよう!