あの娘がっ！？

　働いているお店に、可愛いブラジル人の女の子が来てくれます。小学６年生くらいなかぁ？　茶髪のクルクルした髪型は派手に見えますけれど、生まれつきです。長いまつ毛も茶色い目も生まれつき。もちろんスラリと伸びた手足も生まれつき。一見すると派手なのですが彼女はすごくシャイで、いつもパパ（黒髪のゴリゴリマッチョ）とママ（ラテン系の金髪美人）の後ろに隠れていて、恥ずかしそうにニコっと笑ってくれます(^▽^)　

パパとママはめっちゃフレンドリーで、レジで私にブラジル語で話しかけてくれます。そして日本語に通訳してくれるのは、いつも彼女です。恥ずかしそうに笑いながら、大きな目をクルリとさせて少し考えてから、小さな声で訳してくれます。

パパ：このアイスをください！（←ブラジル語。彼女が訳してくれる）
ソウ：まぁ、なんてこと！　アイスだけですか！？　パパの大好きなビールはないの！？（←日本語。彼女が訳してくれる）
パパ：今日は愛する大好きな娘のためにアイスを買いにきました！
ソウ：パパさんは、娘さんが大好きなんですね！　素敵！

この会話を訳す彼女の心境を思うと…………な気持ちになります(;^ω^)　パパも私も暑苦しいな……(;^ω^)

そんな彼女が昨日、見知らぬ男子と二人でお店へ来たのですよ！！　どう思われます！？　彼氏か！？　彼氏なのか！？

彼は中学生くらいかなぁ～！？　ブラジル人と思われる端正な顔立ちで、度の強いメガネをかけています。すごく真面目そうな美形男子。おいお前、ウチの可愛い娘とどういう関係だ！？　お前、何者なんだ！？

二人は仲良くお菓子を買って、遠くのレジに並んでいました。私のレジなら彼をガン見して査定するのですけれど、遠すぎてよく見えない！　それでもガン見していると、すごく仲良しに見える……。シャイな彼女が恥ずかしがっていないし、彼もリラックスして見えます。

親戚か？　従兄なのか？？　彼氏じゃないのか？？　まだ子どもだと思っていた彼女が男子といるなんて……パパとママは知っているのか！？……彼は安全なヤツなのか！？　

私がガン見しているのに彼女は気づいています。男子が何者なのか聞きたいけれど、彼の目の前で「コレ、だれ？」と聞くわけにもいかない……うぎゃあ！　モダモダする！

お店を出るときに彼女が振り返って、恥ずかしそうにニコっと笑って手を振ってくれました。私も笑顔で手を振って「チャオ！」と口を動かしました。

そうかぁ……彼女もいつか大人になって、彼氏ができたりするんだよなぁ……知らない間に大人になってるんだぁ……。

なんかめっちゃ切ない気分になりました（涙）。ずっと子どもでいてほしい、でも時計の針は止められない（涙）。他人様の子でさえこんなに切なくなるのですから、我が子ならもっと切ないよなぁ～！　

彼女に幸多かれ、そしてできればワルイ男に騙されないよう、強く賢く生きてほしい……数多くの男性を騙してきたワルイ女は、そう思ったのでした……(;^ω^)