ぼくと夏休み

期末試験が終わった。
クラスのみんなは8月1日まであるけれど、ぼくは履修している授業の試験日程の都合で一足早く終わった。
「情報」の試験が終わって、クラスメイトと4人で渋谷のしゃぶ葉に行って、これでもかこれでもかとしゃぶしゃぶを食べた。中華風の辛い鍋に豚肉をじゃぶじゃぶ漬けて、ごまだれや柚子胡椒で食べた。みんなで口の周りをベタベタにして、やれケネーの『経済表』がとうとか、やれマルクスの「共産党宣言」がどうとか、winny事件の検察側の主張がどうだったとか話した。要は期末試験の振り返りだ。そうやって、自分の解答を確かめ、間違っていたら調べて知識を深める。

食べ終わって店を出て、学校まで歩いて戻ることになった。
猛暑日の日差しがぼくらの肌を焼いている。スイスではどうなの?とぼくはスイスに住んでいた女の子に聞いた。
「スイスではどうなの?みんな日焼けしないように日傘さしてるの?」
「ヨーロッパは焼けてる方が好まれるから、日傘刺さない」

こうやって、外国の文化に触れることができるのが東大の魅力の一つだ。
学校に行くと、クラスの理系のみんなが勉強していた。
ぼくは、お先に夏休みいただきましたと、お先にお風呂いただきましたみたいに言って、みんなに別れを告げた。

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