ESR ALTAILE(アルタイル)インプレッション
ミニベロなどでもお馴染みのメーカーであるESRのロードバイクALTAILEの特価フレームをご案内します。発表当時162800円でフレームセット販売されておりました。
これがなんと!80000円(税込)で販売しております。
カラーはシルバーメタリックでサイズはSとLが現状残っております。
ワタクシも実際に組んで乗ってみました。
え?今更アルミのリムブレーキロードバイクのインプレッションですか?
しかも大手ブランドでもない。皆さんはそう思うかも知れません。
いやいや。。。思いの外良かったんですよ!コレが。。。
またスケルトンや細部を見ていくと「コレはいいなぁ」と思ったのです。
オタクですから「これを伝えなければ!」と妙な使命感に駆られてしまうのです。
フレーム素材はA6069で重量は1127g(XSサイズ)
これが無茶苦茶軽いか?と言われたら「割と普通」の重量だと思います。2000年代初頭のアルミフレームがハイエンドだった時代は1000gを切るモデルもありました。
カミソリみたいな切れ味を併せ持っていたのですが、本当に寿命が短くて2万キロも乗るとクラックが入ってしまったり、腰が抜けたみたいになって進まなくなったものです。ある程度の質量がある事はフレームの寿命を延ばしてくれます。
最近はフレーム素材について語られる機会が少なくなりましたが、以前はパイプメーカーとモデル名でフレームの乗り心地をある程度想像できていました。
このALTAILEに採用されてるのはA6069という素材になります。アルミフレームがハイエンドだった時代に採用されていた素材で「硬さ」と「しなやかさ」を両立させています。CADD10やKOGAなどにも採用されていた素材でもあります。
正直なところESR自体は超大手メーカという訳ではありません。
にも関わらず数種類の試作フレームを制作し、更に他者との比較もして検討を重ねるなど凄まじいコストを掛けています。大手と違い数が沢山売れる訳でも筈なのに異様な真面目さなのです。個人的な感情で言えば登場が2018年で、ロードバイクの主流が一気にリムブレーキからディスクブレーキに移行し始めたので、注目度が下がってしまった事です。
隠れた名品にカウントされるようなバイクだと思います。
真面目に考えられたフレームジオメトリー
スズキはキャリアの後半にフレームビルダーのクラブチームに所属してたせいもあり、ジオメトリにも拘りがあったりします。ジオメトリー表を見ると、設計意図がわかったりもします。正直なところ大メーカーの一部は小さいサイズのフレーム設計が微妙なのはよくあるのです。
ALTAILEに関しては、設計者が考え抜いた結果このジオメトリーに至ったと思います。
特にXSとSサイズに関してはTOPチューブ長を抑えつつ、ホイールベースを確保する事に気が遣われてると読み取れます。ヘッドを寝かせてフォークオフセットも大きくされています。一般的なサイズではないフォークが採用されていているのがそれです。
小さいサイズのバイクはUターン時にシューズの爪先が当たったりするのですが、ALTAILEに関してはそればありません。またホイールベースは最小サイズのXSでもTREKのEmonda比で52サイズと同じくらいあります。個人的には700Cの「乗り物」が破綻しないホイールベースやフロントセンターがあると思っているのですが、この辺をコストを掛けてでも実践してるメーカーは少ないのです。
完全フルオーダーのフレームビルダーが取る手法にも似ています。素材が何か?とか重量よりも大事なポイントだと思っています。
実走インプレッション
カンパニョーロ・コーラス11Sにミドルグレードのカーボンホイールで7.4キロでした。SRAM・REDやデュラエースで組むと7キロフラット位で組み上がるでしょう。
まずは乗ってみないと話になりませんので。。。ささっと乗ってみます!
個人的には1100g台のアルミフレームって久しぶりだったりします。期待値も高まったりする訳です。やはり昔のガッチガチ&超絶武闘派の武器みたいな乗り心地を想像してしまう訳です。フレームも小さ目ですから剛性も高くて。。。っていう。
あら?。。。。なんかスムーズじゃない?
踏み心地としては柔らかいという訳ではなくて、硬い部類になると思います。
ただ思いの外腰に来ないんですよね。(これ昔アルミバイクを現役で使ってた人はわかりますよね?)ヘッドが少し寝ている関係とフォークのオフセットのせいか、ダンシング時はハンドルの返りがマイルドではあります。また、高速コーナーも切れ込み癖がなくて安定しています。全体的なフィーリングとしてはイタリア系のバイクよりも、以前のORBEAやラピエール辺りにハンドリングは似ていると感じました。
この車体の登場時は「入門者向けのロードバイク」というイメージでしたが。。。
割と玄人好みというか、考え尽くされた味付けなのが好感が持てます。
飽きのこない薄味という感じで「長く手元に置いておきたい」と感じるバイクです。
どんな人に向いているか?
フレームセットとしての販売なのでかなり自由度は高いですね。
フレーム価格が8万円と格安ですから「今持ってるリムブレーキのパーツで1台組み上げる」は割と現実的で楽しいと思います。もし手持ちのパーツが全て使える状態であれば工賃+ワイヤー代+バーテープ代ですので12万弱で形になります。
セカンドバイクとして持っておくのも良いと思いますよ。
また形に捉われないのであれば、あえてドロップではなくフラットハンドルを装着して「通勤&街乗り快速」なんてのも良いですね。
フレーム単体売りの手頃な価格帯のフレームって減ってきましたから、このチャンスを活かして、楽しく自由に組んでみても良いと思います。
色々相談にも乗れますよ。