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Solix シリーズホイール(インダストリーナイン ソリックス)
みなさんIndustry Nine (インダストリーナイン)というブランドをご存知ですか?MTBやシクロクロス界隈の方は知ってるかも知れません。アメリカの高品質なバイクパーツを生産している会社です。やはりお国柄かMTB寄りのパーツが多いのは確かです。
今回Solixというシリーズのホイールをテストしてみました。
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Solix SL - AR25 とSolix G - UL250!うん!写真だと違いがわかりづらい!!!!!(笑
Solix SL - AR25はステンレススポーク&アルミリム仕様でSolix G - UL250はアルミスポーク&アルミリム仕様です。価格はどちらも20万円台と「アルミリムなのに!!!」などと言われてしまいそうです。重量は1300−1500gと取り立ててスペックで目立ったりもしません。「なんだ!高いだけじゃん!」カタログ上のスペックを見てSNS上での議論でモノの良し悪しを判断する事が多いので仕方ないかも知れません。
そもそも何故唐突にこのホイールを紹介する気になったのか?使って気に入ったから!
実は弊社代表の山本から「このホイール試してみなよ」と渡されて、触った瞬間からそのスムーズ過ぎる感触に「!!!!!!」となりタイヤなどを組み付けて乗ってみて更に驚愕したのです。そこから記事を書く為にカタログスペックなどを読み込んでみたのですが、スペックのあまりの特徴のなさっぷりに驚く訳です。「こんなに良いのに!?」
正直な所ロードバイクの走行抵抗は大半が空気抵抗が占めます。
皆さんが思っている以上にベアリングやハブの性能が速度に影響しません。
昨今のDT系のハブを見ると明らかで、昔のカンパニョーロと比較してみると、とてもシンプルな構造をしています。ベアリングへの与圧に関してもキャップで行うのみです。ハブ単体だけでみたら「昔の製品は良かったなぁ」なんて言いたくなる気持ちもあります。
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漂いまくる「良いモノ感」に痺れる
説明が難しいのですが昨今のパーツはカーボンが主流となり、切削加工などを出来ない素材も多いのです。軽量で高性能ですが「見た目の質感」が10万円台のホイールでも50万円台のホイールでもあまり変わらない部分があります。(確実に高性能ではあるのですけどね)
Industry Nine社は医療機器を作ったりする切削の専門メーカーが母体です。やっぱりね、角がピシッとした仕上がりが男の子のハートをくすぐるんです。昔話をして恐縮ですが90年台のMTBブームの頃は切削加工バリバリ!アルマイト!みたいなアメリカンパーツが全盛でしたので、こういう製品がゴロゴロしていました。
ロードバイクでも敢えてクリスキングのヘッドパーツを組み込んでいたランス・アームストロング。ヨーロッパ製品で言うとPMP製のチタンピラーやパーツなど仕上げも性能も最高なパーツでカスタマイズされたバイクの写真に釘付けになったモノです。
DKGのシートクランプも良かったなぁ。
私のようなオジサンはピシッとした仕上げの良いパーツ達を見ていると、その時代の記憶がが蘇ってきます。個人的には仕上げや質感も性能の一つだと考えています。
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インダストリーナインと言えば超多段ノッチのフリーボディ
一般的なDT系のハブのノッチ数は54〜72が一般的です。このSOLIXは605ノッチ!比較にならないレベルで多いのです。フリーボディの抵抗が皆無と言って良いです。また360度を605ノッチで割るのでほぼ0.5度に1回ラチェットが掛かります。
足を動かした瞬間からスムーズに駆動が掛かります。説明が難しいですが「脚を止められる固定ギア」のような感覚です(伝わらんよなぁ)MTBライダーなら経験あると思うのですが、ペダルを水平状態にしてバイクを空走させながら、ペダリングを開始したり「チョン」と少しだけペダルを踏んでバイクを進ませる事があります。この時にフリーボディのラチェットが掛かるまで待つ感覚があるのですが、これが「皆無」です。
ペダルを回し続けちゃえば気にならないポイントかもしれませんが、今まで体験したことがないレベルでこれが「気持ちいい!」なのです。SOLIXシリーズは旧来の製品よりも更にノッチ数が多いのでそのスムーズさが段違いです。
超精密なフリーから繰り出す超絶に静かなフリーボディサウンド
バイクのカスタマイズの依頼を受けていると一定数お聞きするのが「フリーボディの音爆音のないっすか」という内容のものです。機械の音が大きいのって、インパクトがあって良いと思う少年心も分からなくはないです。
ただSOLIXの静かさを体験してしまうと「大人はこうでなくちゃ」なんて思ってしまいます。凄く精密感のある静かな音が少しするだけ。街乗りだと他の音が完璧に聴き取れるレベルで静かです。
一般的なハブのラチェット音が「居酒屋やパブ」だったらSOLIXは「オーセンティックバー」位違います。音質も違いますし本当に上質感がありますよ。
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バイクの見た目を壊さない上質なルックスと走行感
ラインナップ上ではカーボンリム仕様もあるのですが、今回はアルミリム仕様をテストしました。アルミリムだから重いという事はあまりなくて、ディスクブレーキ専用設計されたリムは適度にワイドで感触も良いです。
リム単体の重量のデータなどがありませんが、結構軽量な精度の高い製品な事を感じます。ここ最近テストするアルミリム系のホイールはエントリー価格帯のものが多く、またリム幅の増大に伴い重量が増してるので「もっさり」とした感触が多いのです。
このリムは違いますね。。。全体的に「軽さ」「シャキッと感」が目立ちます。
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Solix SL - AR25 はステンレススポーク仕様で、スペック上目立つポイントが無いのですが、上質な乗り心地なのです。走ってるのワクワクするホイールは久しぶりかもしれません。
見た目の派手さは無いのですが、ルックスがスマートなので少し細身のフレームでも似合いますね。エンデュランス系のバイクでも良いと思いますし、シクロクロス車やグラベルロードにも似合うでしょう。
個人的にはカスタム系のスチールやチタンバイクに組み合わせたらゾクゾクしちゃいますね!
凄く贅沢ですが決戦用にカーボンホイールを温存しておいて、サブのホイールとして使うの良いと思うのです。レースはカーボンでツーリングはこっち!なんて言うのもアリですね。
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Solix G - UL250 アルミスポーク仕様に専用ハブなのでSLとはまた別です、重量も軽く最近はカーボンスポークが話題ですが、以前はハイエンド仕様のホイールにアルミスポークが使われる事がありました。
かつての「フルクラム・レーシングゼロ」「カンパニョーロ・シャマル」ですとか「MAVIC キシリウム」などが該当します。
乗った感じはそれらを思い出す感じで、アルミスポークは変形量が少ないのと軽量なのが特徴で、ステンレススポーク仕様よりも「カッチリ」しています。以前はタイヤサイズに制限がありましたが、今はチューブレスで30Cなども当たり前に使われるので、むしろかつてよりもアルミスポークのメリットを活かしやすいでしょう。
ホイールのカラーを好みにカスタマイズできる!
スズキはこれ画期的だと思うのです。Solix G - UL250 の場合はハブだけでなくて、スポークのカラーも11色からカスタマイズできるのです。全てのスポークのカラーを色違いにする事だって出来ます。
フレームカラーに対して差し色ぽくスポークのカラーを入れる事もできますよ。
これ無茶苦茶バイクを個性的にできるのでお勧めです。
高品質なのは当たり前!個性も主張できてしまう!IndustryNineお勧めですよ!