LEOMOってご存知ですか?
サンクスサイクルラボではもうこのデバイスに取り組み始めてから3年位になります。
バイクフィッティングのプログラムでも活用させて貰っております。
これはどういうものであるか?を説明しますね。
「室内でも屋外でも身体の動きを数値化して可視化できるデバイス」
「その数値を動画と同期させることのできるアプリケーション」
なんか凄く難しいモノみたいな書き方になってしまいました。
また、お会いするライダー達にLEOMOについてお話しすると、返ってくるリアクションが似ていて
「良さそうだけど、なんか難しそう」
「いっぱい数字が出てきて混乱する」
「何を見ればいいかわからない」
「理解できなそう」
「使いこなせなさそう」
実際に使い始めたライダーでも混乱してる人も多いようですね。
良さそうなのは直感的にわかるんだけど。。。なんか難しそうで尻込みしちゃう。
スズキはどうだったかと言うと、皆さんと同じように「難しそう」でした。
でも直感的に「これは良さそう!」LEOMOに初めて接した時に感じました。
「整理や分類の仕方がわからないからわからない」
「どこにフォーカスをすればいいか、どの順番で考えれば良いか解らない」
この辺が理由で混乱してしまうのかなと
それは何故か?というと「ペダリングってなーに?」を順序として理解してない人が多いからって事に気付いたんですね。なのでそこを説明していこうと思います。
実際にどんな風にライド中に数値を見ているかを自分のLEOMOの画面で見てみましょう。 これは自分が普段のライド中に見てる画面です。全体をボンヤリと交互に数字を見てる感じです。で、必要な時にそれぞれの数値を見ています。 個別の数値には名前がついていて、世界中の人が理解できるように「英語」の名前がついてるのですが、これが混乱の元というか単純に項目が多いから混乱するのかなーと思ってます。ま、仕方ないすよね。 ロードバイクの場合5つのセンサーを接続できます。
「腰」
「右の太もも(右脚)」
「左の太もも(左脚)」
「右のシューズ(右足)」
「左のシューズ(左足)」
上記の場所につけるのが一般的です。適宜必要かどうかを考えてセンサーを減らすのもアリです。 そして表示できる数値をLEOMOでは「MPI」Motion Performance Indicators という言い方をします。前述のセンサー数で使うと表示できるMPIをザッと書き出してみますね。
●腰センサー
Pelvic Angle(腰の前傾角)
Pelvic Rortetion(腰の水平面から見た前後の揺れ)
Pelbic Rock (腰の垂直面から見た上下動。一般的に腰がブレてると言われる動き)
●太ももセンサー・左右
Leg AR (R) (右の太腿の上下動の角度・右脚がどれくらい上がってるか?)
LegAR(L)(左の太腿の上下動の角度・左脚がどれくらい上がってるか?)
Leg Smothness(R) (右脚がどれくらいスムーズに上下に動いてるかを示すスコア)
Leg Smothness(L) (左脚がどれくらいスムーズに上下に動いてるかを示すスコア)
●シューズセンサー・左右
Foot AR(R) (右の踵がペダリング中にどれくらい角度変化しているか)
Foot AR (L)(左の踵がペダリング中にどれくらい角度変化しているか)
Foot AR(Q1)R (右の踵が上死点から水平までの間にどれくらい角度変化をしているか)
Foot AR(Q1)L (左の踵が上死点から水平までの間にどれくらい角度変化をしているか)
Dead Spot Score(R) (右ペダルの速度のスムーズさのスコアとスムーズで無い場所の位置)
Dead Spot Score(L) (左ペダルの速度のスムーズさのスコアとスムーズで無い場所の位置)
この数字を個別に表示することができます。右と左に関しては一つのマス目で表示されるので、見た目的にはもう少し少ないんですけどね。でも、使い始めた人もそうじゃ無い人もこう思った筈です。
まじか。すげーいっぱいある。すげー混乱するし、一個一個把握なんて出来ないでしょ。 実際そう思うと思います。自分もそうでした。何から見れば良いんだ!って。
自分はこんな感じで数値を分類しています。
P(腰)系
L(脚)系
F(足)系
S(スコア)系
※これはLEOMOの公式の分類ではなくあくまでスズキの分類方法です
こんな感じで自分は頭の中で整理しています。「どのセンサーの数値か」というのは一旦置いておきます。どの機能を表す数値か?で考えています。こうすれば分類的には4つになりますね。
■数字は全体をボンヤリと見る
これがコツなんです。自分はMPIを注視するときは大体1箇所くらいかなと。また、センサーか吐き出されるデータがモニターに表示されるまでにタイムラグがあります。パワーメーターを使ってる人ならイメージ出来ると思いますがタイムラグありますよね?それと同じ感じです。なので、全体的な傾向を把握するのが大事になります。
傾向を理解するには「順番」がとても大事です
動き的にはP(腰)→L(脚)→F(足)の順に意識をしましょう
良いペダリングフォームを作るには「意識する順番」が大切です。
これをMPIでいきなり書くと難しくなっちゃうので。。。
「腰がビシッとして足がスムーズに上下して足がカクカクしてない」
なんか上手な人みたいに見えるでしょ?この順に動作を意識していきます。
●まずは「腰が安定していること」(P系)が大事。
「固めてないけど、動いてない」が正解です。そしてそれが出来てるかなー?と数値を見ます
。
●次に「脚がちゃんと上がってるかな?」(L系)を見ます。
更には「どうやって脚を上げてるか?」が大事なのですが、ヒントだけ書くと「胴体の中心を使って脚を上げて、お尻で踏む」なんですけど、ここを突っ込むとどんどん脱線するのでこの辺にします。
●「足がガチャガチャしてない」(F系)
要はアンクリングしてないって事ですね。これも「固めてないけど動いてない」ってのが大事なんです。
各MPIはそれぞれ「目指すべきゴールがあり」その上で「その人の今の現状できる範囲」と言うものがあります。それは筋力だとか、柔軟性や、どんな道具を使うのか?どんなセッティングをするのか?これによって変わります。
ただ画像や動画で見ると判る通り「トッププロのフォームは綺麗」ですし無駄な動きがありません。それぞれの特徴があると思いますが「基本的にレベルが上がれば上がる程スキルが向上するので、各スコアは良くなっていく傾向になる」と思われます。
なので当然各数値も全てエクセレントとなるわけです。
今までは各部センサーから実際に出てくる「角度」などの数値を表示される「P系」「L系」「F系」の分類について書いていきました
■次に紹介するのは「S(スコア)系」の数値
S(スコア系)の数値は Leg Smothness→ Dead Spot Scoreの順に
●S(スコア)系の数値の特徴
これは今まで紹介したものと違い「何度」という角度では示されません。0ー100の範囲の「点数」(スコア)として表示されます。またS系のDead Spot Score(もう面倒だからDSSにしますね)はスコアと同時に「それはペダリング中の何処で発生しているか」も知ることができます。
これらは各センサーで計測される数値(角度・加速度)から計算した「スコア」です。つまりLEOMOが考える「理想的な動きに近いか」を評価して数値化されたものという事です。
● Dead Spot Score(DSS)
・DSSは「足がカクカクしてないか?どこでカクカクしてるか」を見ることができます。乱暴に言えば「どこでアンクリングして動きが止まってるか」を見ています。
シューズに取り付けられたセンサーの角度の揺れを見ています。シューズの角度が揺れると言う事は、そのタイミングで「脚は動いてるけどシューズが動かない(力が伝わらない)事を意味します。
● Leg Smothness
Leg Smothnessは脚がスムースに上下に動いているか?という数値です。大腿部についたセンサーの加速度を使って評価をしています。これに関しては股関節・膝関節・足関節の三つが連携した動作で(P・F・L)ペダリングの動作はの全てがスムーズである必要があります。それが連携した状態であればこの数値は良い数値になります。
つまり「ペダリングが上手ならS(スコア)系」の数値は良くなっている。
S系の数値が良い時は「いいよいいよ!上手に踏めてるよ」とLEOMOさんから言われてる感じですね。
ではどの数値を中心に見ていくのが良いか?
P(腰)系→S(スコア)系(Leg Smothness)の順に見ています。
ベーストレーニング中など、ライド中に余裕がある時は、PLFS の数字をなるべく多く表示できる画面にしておいて、全体をボンヤリと眺めています。
最初の方に出した画像ですね。関連する数値を横にザッと目線を移動する「スイープ」で数値を眺めています。これが「ボンヤリ眺める」なのです。
大体の場合はP(腰)系の数値とS系の数値(Leg Smothness・DSS)を見ておいて、速度とパワーと心拍を観ています。DSSがなんか増えてしまうなど。S系の数値が何か変だな?と感じたら、P・L・Fを見ていくという感じです。
こうやって書くと何だか複雑なことをしてそうな感じですが、イメージとしては走ってる時のフォームをショウウィンドウに映ってる時にチラ見して確認するイメージです。それをライドしながら継続できる。と言うのが最大のメリットで後から確認も出来ます。
実際のフィッティングなどの時は、これを説明しながら共有して動きとセッティングを決めていきます。これは今までのフィッティングには無かった画期的な部分です。
モーションキャプチャなどを使うことも出来るのですが、実走中でも確認できるのが素晴らしいです。
前に書いた通り「見た目のイメージ」ではなく「数値という言語」で書かれたものが記録されますので、言葉の意味さえわかれば頭の中で起きている事を組み立てられます。フィッターやトレーナーならば、データを見て起きている事を推測したり再現する事も可能になります。
LVS(Live Video Sync )にも少し触れてみます。
これはLEOMOを使用したフィッティングの際に使用するアプリケーションでiPadのカメラを使用し120FPSの動画と1/100秒ごとに各センサーを記録する数値を同期させることができます。
また各センサーは3軸の角度と加速度を記録していますが、その生データを見ることも可能になります。扱う情報量が多いので普段は使いませんが、研究レベルだと使用していますし波形を見る事もできます。
画像とデータを並べて見られるので、ZWIFTなどのインドアトレーニングの際は解析ツールとしてとても有意義です。これも一般ユーザーの方でもお使い頂けます(有償)のでデータを扱うのが好きな方はハマるのでないかな?なんて思いますよ。
自分は主に解析結果を共有する時に活用しています。
最後に重要な事を書きます「LEOMOはお店で買えます!」
普段からフィットで活用していて日常的に使っているので思わず書き忘れているポイントなんですけど。。。
このデバイス購入できます(当然サンクスサイクルラボでも扱っています。
様々なフィッティング用デバイスなどと違い、データを緻密に全く同じ内容で見ることも解析もできちゃうんです。
TYPE-S Sensor Kit ¥54,780 (本体+センサー2個)
TYPE-S Sensor Kit Pro ¥98,780(本体+センサー5個)
この本体はAndroidの携帯と同じ機能がついています。つまりSIMカードを入れて使えますので、当然通話もできますしGoogle mapも使う事ができます。
カメラなどの機能は最低限ですが、割と便利でないかと思います。
また少しづつこういった内容にも触れていきますのでお付き合いくださいませ。
またフィッティングに興味をお持ちいただけたらぜひご予約をお待ちしております。