セカンドグレードのロードバイクって実際どうなの?
今やハイエンドのバイクは200万円台の時代になってきました。TREKのMadone Gen8が160−200万でMERIDA SCULTURA TEAMで150万円台と中々すごい時代になったなぁと実感させられます。
一昔前だと「どうせなら最初の1台でも一番高いやつ行っとけ!」なんて無責任な事も気軽に言えたものですが、もうそんな事をパートナーのいらっしゃる前で言おうものなら「あんなヤバいとこ二度と行かないで!」と言われてしまいかねません(笑
今回は1台目はクロスバイクを既に所有している、もしくは既にロードバイクを始められている。またはロードバイクを始めようとしているけど「折角なら少しいいバイクを買いたい」そう考えている方へ真面目に向き合ってみようと思います。
そりゃハイエンドが右から左にバンバン売れまくる方が良いに決まってます。それは初心者だから。。。とかそういったことは関係がありません。
バイクを維持する環境があれば、それは今も昔も変わりはないのです。ただ、それは「現実的かどうか」という問題になります。
ならハイエンドの中古を買えば良いんじゃないの?
コレ真剣に考えてみました。ユーザーの皆さんの立場に立ってみて。どういうチャンネルで入手するかも含めて色々調べてもみました。
「結局自転車屋のポジショントークでしょ」
そう思われるかも知れません。でも断言しますね「自転車店スタッフと同等程度の整備知識と能力が無いならオススメしません」となります。
アルミフレーム時代と違って、現代のカーボンフレームバイクはフレームの寿命が伸びたとは言われています。スズキが一番真面目にやってた時代はアマチュア競技者を含めて1ー2年で決戦車両のフレームは交換するのが当然と言う時代でした。
純粋に性能が落ちてしまうからなのですが、今は素材や技術の進化に伴い長寿命化したと言えます。だからこそ中古市場が活況であると言う事になります。
そこを踏まえて考えますと、程度極上と言われているバイクの価格が大体新車価格の3割引程度が多そうです(当然それ以外のものも存在します)大体セカンドグレードの完成車と同等価格のものが多いように見えます。実際に現物実車を見た事もありますし、WEB上の画面の写真から判断したりもしてみました。
当然「使用歴がわからない」「誰がどのように組んだかわからない」「どのように整備をされてきたかわからない」と言う事になる訳です。今のハイエンドバイクはワイヤーやブレーキホースが内装されている事が殆どですので、ヘッドなどのベアリングを交換や作業をするとなるとOH(オーバーホール)に近い作業が必要になります。
結果的にコストが掛かってしまうのと、メーカーにもよりますがセカンドオーナーだと様々な保証や破損補償制度などが使えなかったりもします。
覚えて置いて頂きたいのですが、中古車の査定に出す場合整備済みの車両だからといって価格は上がりません。なので大半の方は乗り終えた状態で市場に出される事が殆どです。安心して乗るには一度リセットする必要性があります。
また適応身長だけでなくポジションもまちまちなので、フィッティングで中古で買われた車体のフィッティングを担当する事もあるのですが、正直な所フレームサイズ選択ミスやポジションセッティングが完璧に出せない事も多いのです。
そうなってしまうと、少々価格のメリットが減ってしまうなぁ。。。と言うのが正直な印象です。
いやー、前置きが長かった。。。じゃあハイエンドとセカンドグレードとの違いはどれくらいなの?
ようやく本題に到達しました。結論から言うと「違います。同じではありません」なのですがどの程度なのか?と言う問題です。
一番大きいのはバイクの重量です。
各メーカーのカタログ値で比較してみるとかなりの差があります。昨今のトップグレードバイクは7キロ前半のカタログ値で、セカンドグレードフレームを使用したバイクの最廉価版だと8キロ後半のものもあります。
フレーム単体で比較をすると大体200−300g程度でフォークは同一のものが使用される場合も多いです。差があっても100g程度の差のことが多くなります。
つまり同一グレードのパーツを使用して組んだ場合300−500g位の重量さに収まることが多いのです。
カタログでの比較の仕方は、ハイエンドグレードフレームのラインナップで一番安いバイクと、セカンドグレードフレームを使用したバイクとのカタログ上の重量差を比較してみてください。それが大体の重量差になるといっても良いです。
正直なところ300g程度だと重量だけだとほぼわからないと思います。
ではハイエンドとセカンドグレードとの差は何処に出てくるの?
「フレームの剛性感」「乗り味」に差が出てきます。この辺はかなり感覚的な話になるのと、各メーカーモデルによって差がありすぎるので何とも言えないのも事実です。
速度が上がった巡航状態だとあまり判らない事も多く、初速の伸びや加速時には差を感じるかも知れません。ペダリング的に常に加速状態になるのと似ているヒルクライム時は差を感じる事もあるでしょう。ただこの辺はフレームの剛性値との兼ね合いがあるので一概には言えません。
バイクの性能は最終的にトータルパッケージで決まります
高いバイクを売った方が良い立場の人間がこんな事言ってはいけないのかも知れませんが、TREKやMERIDAに関してはセカンドグレードのフレームの出来が破格に良いのが事実です。当然ハイエンドが良いです、でもセカンドグレードが話にならないと言う事は無いのです。
あとはバイクを構成するパーツ群によってかなり変わります。機械式変速の105グレードで組まれたバイクもフレームは80万クラスのものと同じです。最終的にはハイエンドのバイクにかなり肉薄する性能を持たせる事ができます。
特にホイールは影響が大きいのでバイクを手に入れたら「使い方に合ったよいホイール」を検討されると良いでしょう。
MADONEの記事はハイエンドの試乗記事になってしまいますがご参照ください。
セカンドグレードのSLシリーズは重量が少し増しますが大体のフィーリングが似ています。上位グレードのホイールを装備して一体型ハンドルに替えるモデファイをしてしまえばかなり良いバイクになるのは間違いありません。機械式105グレードですと車体価格が449000円ですからかなりのバーゲンプライスです。これをベースにモデファイをするのはかなりオススメですよ。
スズキが大注目してるのはSCULTURA6000です。484000円で電動105コンポです。そしてフレームのフィーリングもレポートの通りかなり良いです。フィッティングを受けて頂いて、個人的な好みで言うとこのバイクに邪道と言われて「ボントレガー RSLホイール」の組み合わせとかとても良いと思います。
試乗の記事でのホイールはこのホイールの仕様になっていますし、コンポーネントも105電動なので先ほど書いた仕様でもあるのです。
最初はノーマルの仕様で乗って、徐々に理想に近づけていく楽しさがあります。
昨今なんでもハイエンド!の傾向が目立つのですが、むしろ地に足のついた自転車の楽しみ方をご提案できたらなと考えています。