MERIDA SCULTURA400(メリダ・スクルトゥーラ400)鈴木インプレッション
生粋のレーシングバイクDNAを受け継いだアルミロード
どちらかというと「TREK派」と思われているスズキですが、何となく気になったバイクをインプレッションしようと思い立ちました。
ハイエンドのレーシングバイク?いえいえ一般的には「入門バイク」と言われている(そんな事は決してないんですが)アルミフレームのロードレーサ 「スクルトゥーラ400」を「ちゃんと乗ってみよう」と思い立った訳です。
スズキさんスタイルのインプレッション記事
世の中には様々なレビュー記事があります。SNS上にもありますね。実はスズキほんの僅かな期間ですが自転車系ライター業をしておりました。当然バイクのインプレッション記事も書いております「メーカーから完成車状態の試乗車を借りて数時間ライドして記事を書く」と言うものです。このタイプのインプレッションは「車体のお店から渡された状態が解る」と言うものです。
ただ実際のスポーツバイクの運用って「その人の使い方やフィジカルによって進化していくもの」なのです。その為にはパーツの性能によってスポイルされている部分をハッキリさせて「一番良い状態」「フレームなどの性能を引き出した状態」を知りたいですよね。
ライター時代からお店のブログスタイルとして「ある程度カスタマイズした状態でのインプレッションをする」と言うものがあります。
具体的には「ライディングポジションをレースバイクと同じものにする」「タイヤなどの地面との接点を普段使ってるものにする」などです。
過去にはTREK FX3の記事やEmonda ALRの記事などがありますが、我ながらトチ狂った事してんなーと読み返して思いました。
クロスバイクの完成車を全バラしてフレーム重量測るとか。。。頭悪過ぎるでしょ(笑)
先ずはサラッと組んでみましょう!
この写真は何だと思いますか?ステアリングコラムというパーツです。カタログスペックに「カーボンフォーク」と書かれていても、このコラムというパーツはアルミである事が多いのです。それぞれ一長一短があるので、どちらが良い悪いとは言えません。
ただ確実に言えるのは「上位グレードと同じ構造である」という点です。
そんな所だけでなく、バイクのそこかしこに「丁寧さ」を感じるんですよね。。。
実はこのバイクに興味を持ったキッカケはこのホイールなんです。
ひょんなキッカケから使ってみた「スクルトゥーラ400クラスにも使われているホイール」を自分が普段使ってるバイクEmonda SLRに使う機会がありました。
「ビックリするくらい良い」もうね普段の練習はコレで良いのではないか?と思うくらい。一般的には「鉄下駄」なんて言われてるのに。。。
コレを組んであるバイクはどんな感じなのだろう?
みたいな話から「じゃあ乗ってみれば良いじゃん」と代表。。。こうやって「本気インプレ」をする事が決まったのです。そうなる以上「自分のバイクとして使えるか」という観点でインプレッションをしていきますよ。
こんな見えない所にコストを掛けるの?
この価格帯(20万円台)のロードバイクは「ワイヤービード」というタイプのタイヤが装着されています。でもコレ。。。MAXXIS パーサーという4000円くらいの耐久性もありそれでいて軽量なケブラービードタイヤが付けられているのです。
大抵のエントリーバイクを買われるユーザーは、タイヤのスペックで購入をやめてしまう事は殆どなく、大抵は使い潰されてから交換されてしまうものです。
つまり「ココにコスト掛けても売れ行きには関係ない」という事。
写真だと分かりづらいですが軽量タイプのブチルチューブが使われています。
もうね、こんなの絶対カタログスペックじゃ解らないし、数量売るメーカーでは確実にコスト削減の対象になる場所です。
では何故こんな事をするのでしょうか。。。
組み上がった状態のバイクを「より良い状態で乗って欲しい」というメーカーのメッセージを感じるのです。「何だよ。。。メリダ真面目かよ」正直思いました。確実に言える事はこのバイクは「大手メーカーの同一価格帯のバイクの中で一番コストが掛かっているだろう」という事です。
自分のバイクとして乗れる状態にカスタマイズしました
「オイ!さっき褒めてたタイヤ!替えとるやないか」そういうツッコミや止めましょう。
余計なノイズ無しにバイクのポテンシャルを確認したかったので、先ずは自分のセッティングになるようにしてみます。166センチの自分にとって今回のバイクはサイズは小さめ44cmです(適応身長165cmまで)
ただヘッド長で言うと120mmでいつものバイクと同じ。ポジションは出そうです。フロントセンターは確保されてるので大丈夫かなと。ハンドル幅は380mmでサドルやピラーも替えました(カッコよくしたかったw)タイヤは好みのVittolia Corsa25でギア比も普段と変えたくなかったので52Tにしました。
感覚的な事もあるのですが「エントリーグレードのバイクだってカッコよく組める」これをやってみたかったのもあります。なのでコンポなどの基本構成は変えずに「自分のバイクとしても満足出来る見た目」を目指しました。
ガチガチじゃなくて優しいし乗りやすい
大体150キロくらいは乗ったでしょうか。バッチバチに硬すぎると言う訳でもなく、疲れづらい乗り味だなと先ず感じました。普段使ってるEmonda SLRよりも少しヘッド角が寝気味なのでハンドリングもマイルドで「小さいサイズに乗ってる」という違和感があまりありません。
初めてのロードバイクの人であってもコレは怖くないだろうなと思いました。
極端にヘッドが長かったりする訳では無いので、このバイクに乗り始めて急速にハマり、レースに出たくなったとしても大丈夫。当然車体価格100万越えみたいなハイエンドと同じではありませんが、十二分に使えるバイクです。
やはり初心者のうちは落車ってします。イベントに出る過程においても落車はあると思うのです。生存性の高さもポイントです。輪行したりする人はこのバイク凄く良い相棒になると感じました。
このモデルでの価格帯だとエントリーグレードという位置付けになるのかも知れませんが(どちらかというとエントリーレーサーかな)お店と相談しながらカスタマイズをして「育てていく楽しさ」があると思います。
スクルトゥーラTEAMの延長線上にある良質でリーズナブルなバイク
このバイクの延長線上にちゃんとプロが使うスクルトゥーラ9000やTEAMがある。1本続いた道がちゃんと続いているのを感じます。紛れも無くこれはレーシングバイクの系譜なんだと乗っていて解ります。
このバイクに乗って、カスタマイズをして行ってロングライドやブルベに興味が出てきたらスクルトゥーラ・エンデュランスを次に選べば良いだけ。
素材としての良さが光ります。それを「どう料理するか?」は乗り手とショップが話し合いながら決めていける。そしてメカニックやショップスタッフの技量を受け止めていける。そんな内容と中身と哲学がある「上質」なバイクですね。
フレームやパーツをスポイルしない良質なホイール。オーソドックスな部品構成。
蕎麦屋で言うところの「かけ蕎麦」ですよこれは。「先ずこれ食っとけ」みたいな意気込みを感じます。
今や直販や中古で車体を手に入れて始める人も多いです。
でも、このバイクは是非「コミュニケーションの出来る所」で手に入れてください。
買うのがゴールじゃなくて、走って思い切り楽しむのがゴールですしプロセスでもあります。
当然現車も見れますし、カスタマイズの相談も乗れますよ。
今後どんな風にカスタマイズして行ったかも記事にしますのでお楽しみに。