勉強法とメモリースポーツの記憶術の共通点

数日前、メモリースポーツという競技を知った。
その名の通り、記憶能力を競う競技で、ランダムに混ぜられたトランプや数十枚の写真、単語、数字の順番を限られた時間内で記憶し、その後の解答時間でその順番を再現し、その正解率や、記憶にかかった時間の短さで勝敗を決めるというものである。

知るきっかけは、以下の動画。

こんな世界もあるんだなあと感心しつつ紹介された記憶法を実際に試してみると、20桁の数字が一発で記憶できていて、感動を覚えた。

できれば動画を見てみてほしいが、重要な部分だけ抜いて要約すると、
「脳内で映像化して覚える」
「ストーリーがあると記憶しやすい」
「感情を伴うイメージを持てるとより記憶に残る」
というのが重要な点である。

例えば数字の羅列を覚えるにしても、そのまま覚えるのではなく、ストーリーを作って当てはめていく。
・2119なら、銀メダル(二位=21)をかけた一休さん(19)
・0848なら、親(08)のAKB48(48)
・6971なら、ロックバンド(69)が演奏している上から、ナイキの靴(71)が降ってくる様子
みたいな感じ。

これを場所と組み合わせて、「1か所目の場所(ソファ委)に銀メダル一休さん、2か所目の場所(ホワイトボード)に親48、3か所目の場所(エアコン)にロックバンド+ナイキ」とすると、211908486971が覚えられる。
あとはこの"場所"を増やしていく&数字と物をあらかじめ対応させておくことで高速で数十桁の記憶をすることができる。



日常生活で数字の記憶をする場面は多くないが、「ストーリーやイメージと結びつけることで記憶しやすくなる」という話を聞いてあることを思い出した。

大学生時代に化学の講義で、「分子や電子の気持ちになって反応を考える」という話である。

化学反応の時には、基本的にはどんどん全体のエネルギーが低くなる方へ進んでいく。
エネルギーが低い、とはどういうことか?人間に置き換えてみよう。
走っているよりも歩いている方が、歩いているよりも立っている方が、立っているよりも座っている方が、座っているよりも寝ている方が消費エネルギーは低い。
つまり、電子くんたちは、楽をしてぐーたら過ごししたいのである。

別の例で、常温の水分子が揮発するときのことを考えてみよう。
常温では、基本的には水は液体だが、少しずつ蒸発していく。
一つ一つの分子の視点で見ると液体でいた方が楽なのだが、たくさんの分子がいると、全体で考えると、一部が水蒸気として気体になっている方がエネルギーが低い。
人間に例えると、液体の水分子が座っている状態、気体は立っている状態を思い浮かべてほしい。座っている方が楽だが、全席ぎちぎちに座りすぎて隣の人と肩が触れているよりは、通路は空いているから一部が立っている方がみんなハッピー、みたいなイメージ。
分子くんたちもみんなで気持ちよく過ごしたいのである。

どうでしょう。覚えやすくない?

説明しようとすれば、ギブズエネルギーがどうたらでエントロピーがどうたらで・・・などの話もできるのですが、いきなりムズカシイ話をされてもとっつきづらい。
それに比べて、人間に例えて先にイメージをつかんでおくと、そのあとにエントロピーがどうこうの説明をされた時にも、前のイメージと結びつけて覚えることができる。もちろん、多少の修正は必要なものの、なかなか忘れない。



ちょっと違う例だが、英単語なんかも相性が良いと思う。

受験生時代に、distribute(配る)という単語がなかなか覚えられなかったのだが、友人と一緒にプリントを配るような動作をしながら、B'zの楽曲"ultra soul"のリズムで"ディストリビュート!(ハァイ!)"と歌ったことで一発で覚えた。

10年以上前のことだが、その時の映像は今も脳内再生が可能なくらいには脳裏に焼き付いている。



こんな感じでイメージと結びつけることで記憶しやすくなることの効果は実感できた。

今、私が興味があるのは、世界史と日本史である。
中学や高校で多少勉強したものの、めちゃめちゃ苦手だったうえに、断片的な知識しかない。
旅行先で観光をするにあたって、歴史を知っていた方がもっと楽しめただろうな・・・というのを感じることが多いため、ざっくりとでも全体の流れをつかみたいと思っている。

ストーリーで覚えるのと、めっっっっっっちゃ相性良さそう。

歴史漫画とかもあるくらいだし、最近は国ごと擬人化するみたいなのもあったりするくらい。
自分に合ったイメージを見つけて、知識を定着させたいと思う。


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