ロストペットロス
犬を飼っていた
飼っていたというより一緒に生活をしていた
2006年4月に生まれ、2021年8月に天に召された、バズと言う名のウエストハイランドホワイトテリアだ
15年の長きに渡り、私の人生の現段階での1/3強をガン見したりチラ見したりしていた家族である
バズ ♂ 2006.04-2021.08
若干個性的なタイプで犬らしさでいうとおそらく3割程度しかなかった人である
犬が苦手で人が好き
走らない
犬が群れている集団には絶対に入らない
ドッグランに行くと外周をゆっくり歩き、たまに別の飼い主さんの近くで休む
オスワリと言ったらフセをする
フセと言ったら執拗にお手をする
若かりし日突然しゃべろうとした事がある
惜しかったがしゃべれなかった
まったく誰に似たのだろう
マイペースと言えば誰よりもマイペースだったように感じるが、そもそもマイペースの概念とは、と思わせるくらいマイペースな人だ
昨年の夏に15歳で天に召されたのだが、実は召されていないような気になっている
バズがいなくなったら所謂ペットロスといった状態になると思っていたのだが案外そうでもなく、亡くなって2日ほどは眼の裏側まで痛くなるほど泣いたが、それ以降は泣く事も無くいたってフラットな心境が続いている
おかしな話だとも思うが、今でもそこに居るような感覚なのだ
無いのは体温と匂いと感触と毛
不思議と寂しくない日々をこの半年送っている
アイツひょっとしてみんなが天に召されるのを見て天邪鬼になってるのでは、とも思う
万一そうであればあらためて無事に天に召されて欲しいと思う反面、まあ本人が行きたいタイミングでも良いかなと思っている
結果はそんなに変わらんしね
というわけで、現在ワタシはイマジナリーバズと暮らしている事になっていて、恐れていたペットロスをロストしてしまっているのだ
これを良しとするか不可思議とするかは各々の見解によるところだが、いまんとこワタシは良しとしている
つまりはワタシがマイペースなのだ
大変都合の良い性格だと思うが、それはバズからも学んだ気がするしバズはワタシを見てマイペースだったのかもしれないと思うと、時間軸が通用しない世界線もあるように思う
しらんけど