〖アジアのお寺 ~日本〗福々しい布袋尊が祀られた、タイとご縁のあるお寺
サワディーカー。
@yayoiです。
私はタイのお寺が大好きで、特にタイの寺院建築やタイの仏教、
タイ人の信仰に興味があり、よくお寺巡りをしています。
お寺巡礼をまとめたブログは別にあって、「タイのお寺に魅せられて」
というブログで、そのブログは作った当初は、アジア百寺巡礼ログと
いうサブタイトルで始めたのですが、今はタイのお寺に特化したブログに
しています。
それで、以前書いたタイ以外の国のお寺の記事を少しずつ、こちらの
ブログに移行して投稿しています。
今回の記事は、萬福寺です。
萬福寺とはどんなお寺?
このお寺に行ったきっかけは、実はタイに関係がありました。
2017年夏に韓国から一旦、日本に帰国し、またタイに出発するまでの間に
ちょうど上野の国立博物館にて開催されていた
「日タイ修好130周年記念特別展」を見に行った時のことです。
ある展示物の前で、私の後ろにいらした二人の女性の会話がたまたま
耳にはいりました。
「萬福寺、行ったことある?ちょっと雰囲気の変わった素敵なお寺よ。」
聞いたこともなかったお寺に興味がわいた一瞬でした。
その時の萬福寺からの展示物とは、家に買って持ち帰った目録をみると、
白衣観音坐像を装飾する部材の1つ、天部形像と西域木射偈の展示だった
ようです。
ちょうどその年の10月に京都に行く用があったので、大阪在住のこれまた、以前、バンコクで知りあって以来ずっと交流が続いている、仲のよい友人の車で連れて行ってもらったのでした。
このお寺は、岩波仏教辞典では、万福寺という漢字ででていて、この名は
隠元禅師の前住地である福建省福州祖山の名をとったと記述されています。
行ってみたら、博物館で聞こえた声の通り、今まで見た京都のお寺と全く
雰囲気が違うお寺でした。
それもそのはず、このお寺の概略を見ると、1654年江戸時代に中国福建省
から渡って来た、隠元禅師が1661年に開創したお寺であり、日本三禅宗(臨在宗、曹洞宗、黄檗宗)の1つである黄檗宗の大本山でした。
この隠元禅師は、私の大好きなインゲン豆を日本にもたらした方。お寺の
ウェブサイトによると、インゲン豆だけでなく、西瓜・蓮根・孟宗竹・木魚なども禅師の請来によるものだそうです。歴代住持も第16代までは中国僧で、建築も中国の明朝様式を取り入れた伽藍配置。創建当初そのままの姿を保っているといわれています。
そして、16~17世紀の日タイ交流が盛んになったころ、タイからチーク材が寄進されたということで、それが萬福寺開創のため、一部に使われたそうで、そのご縁があり、今回タイから来た仏像たちとともに「日タイ修好130周年記念特別展」の場で、ともに展示されたというのです。
タイと日本、いろいろなところにご縁があります。
総門、山門をくぐりぬけて
お寺の総門です。
総門を入り三門をぬけると、布袋尊が祀られている天王殿があります。
三門とは寺院の山号にとならって山門とも書きますが、禅宗寺院の仏殿の
前にある門のことで、ここが寺の玄関として設けれらていて、中国では一般的な建て方だそうです。
萬福寺でいただいたパンフレットの中に、菊舎尼という方の句が
載っているのですが、それには
「山門を 出れば日本ぞ 茶摘み唄」とあります。
この門の横には三門とあります。
三門とは、空・無相・無願の三解脱門を象徴しているといわれます。
布袋尊のお堂へ
直進して、布袋尊のお堂へと向かいます。
天王殿というお堂です。
天王殿に祀られている布袋尊とは実在した禅僧で、福福しい面相に巨腹に
特徴があります。布の袋を背負って旅をする修行僧として知られ、袋には
財貨が入っていて布袋尊の行くところ幸福がもたらされるという信仰が生まれたといいます。確かに見ているだけで、心が豊かになります。
布袋尊は徳の高さから、いつしか“ 弥勒菩薩の化身 ”と言われるようになり、中国の寺院では入口にその像が安置されているといいます。
私が毎週の様に手を合わせに行くバンコクのお寺には、布袋尊によく似た
インド出身の釈迦の十大弟子の一人であるkasennen(迦旃延 かせんねん)が祀れているのですが、福々しいおなかを見るたびに私は、ずっと布袋様だと思っていました。
天王殿から大雄宝殿へ
天王殿をぬけると正面に大雄宝殿。このお寺の本堂です。
中に安置されているご本尊は、釈迦牟尼仏。
十八羅漢像と写真撮影ができないのが残念です。
このお堂へと続く、敷き詰めれたひし形の石、木の緑も美しいです。
天王殿を背にして、右手側には伽藍堂があります。
その中は色彩からして中国の雰囲気です。
敷地は広く、お堂がたくさんあります。
そして方丈は東と西にあり、この写真は西側の方丈です。
また、天王殿から鐘楼の方に向うと、石碑亭などお庭がきれいなところが
あります。
参拝した日は大雨!
でも運よく車を降りると雨が少しずつやんで、足元に気をつけながら、
お寺にはいると、お天気のせいか、人がほとんどいなくてひっそりした
感じでした。
ちなみにお寺に行くとき、大雨が降ると、足元は良くないし、写真は
撮りにくいものの、私を浄化させるための雨の日の参拝をいただいた
と思うことにしています。
帰り際にもう一度、天王殿の方を振り返ると。。。
雨が上がって空気が澄んで、はっきりお堂が見えました。
正式名称 黄檗山萬福寺
所在地 京都府宇治市五ケ庄三番割34 〒611-0011
Tel 0774-32-3900
Website http://www.obakusan.or.jp/
アクセス JR奈良線・京阪宇治線 黄檗駅から徒歩5分
今回の記事は、下記の文献やサイトを参考にして書きました。
『百寺巡礼 第九巻 京都Ⅱ』講談社文庫
『岩波 仏教辞典 第二版』岩波書店
萬福寺ウェブサイト
お読みいただきありがとうございました。
@yayoi
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?