雨が降っても庇を貸さないローカル食堂

バンコクは珍しく今朝は大雨であった。雷も聞こえてきた。これを書いているときにはやっと雨足が収まった。最近はタイは乾季であるから、こういう大雨というのが珍しい。

ベトナムのホーチミンにいた頃も、昨年にちょうど雨季が終わりかけの時期に渡ったのであるが、タイの雨季、乾季と時期的に重なっているように見えて、少しばかりのズレがあったように思う。

ホーチミンで夕方に突然、土砂降りの雨が降ってきたことがあった。

私は勤めていた会社を出て、グラブタクシーを呼ぼうとしていた矢先のことではあった。すぐにでも、雨宿りをする場所が必要となり、目の前にあった地元の商店の軒先に駆け込んだ。

ふう、これで雨をしばらく凌げると思ったが、どういうわけか分からぬが、その商店の店主が、軒先に垂れ下がっていた折りたたみ式の屋根(ひさし)を、折りたたんでしまったのだ。

そのせいで、雨がモロに私にかかることになった。

銀行は雨が降ったときに傘を貸さないというが、その店はちょっとした食べ物を売る食堂のような店であった。

雨宿りをしている外国人がいるのにわざわざひさしを畳んでしまうとは、理解がし難い底意地の悪さである。

雨宿りをしていたのがベトナム人だったら、店主の対応も変わっていただろうか。

ひさしを貸す貸さないの問題が、愛国心や排外主義から来るものか、私には分からない。それにまた、その店主の真意も知らない。

小さなエピソードではあるけれども、そんなちっぽけな事が、その国であったり、その土地に対しての外国人の印象を良くも悪くも変えてしまうだろうから、せめて、自分は外国人に対して親切にありたいと思った。(異邦人でずっとい続ける限り、常に自分が外国人なので誰かからの親切を受けるばかりになってしまうのだが)




いいなと思ったら応援しよう!