プラカノンのスクンビット71あたりを散策する
プラカノンの街を少し歩いた。スクンビット71という通りがあるが、この通りはペッブリーやラムカムヘンに抜ける道である。
このスクンビット71は、Pridi Banomyongというが、地元の人は「Pridi(プリディー)」と呼ぶらしい。タクシーに乗った時などは、プリディーのソイ何番だと言えばわかってくれる。
昔、このプラカノンのエリアに住んでいた。それもだいぶ前のことである。今回、プラカノンの街を歩くのは久しぶりだった。
昔ながらのプラカノン市場はまだ健在らしい。かつて香港にあったらしい九龍城砦だが、それを想像の中でチラッと彷彿させるような、いぶし銀の老朽化した建物がこのエリアには多く見られる。
この無数に張り巡らされた電線、無秩序に、行き当たりばったりに敷設された電線設備に東南アジアを感じる人は私だけではあるまいと思う。
こういう道沿いには、汗をダラダラと垂らしながら、商売に励む人々の姿や、昼日中から半裸でタバコをふかす中年男や、ギャーギャーと走り回る子供の姿などがあるものだ。
こういう場所に隠れながら暮らすのも悪く無いかもしれないなどと考えた。
プラカノンを歩いていて気になったのは大麻を売る店の多さである。他のエリアよりも明らかに多い気がした。
それにしても、かつて住んでいた頃とプラカノンの風景は変わってしまったところもあった。新しい店も出来た。
特に変わったと思えるのは、プラカノン駅前が垢抜けたことである。これはW DISTRICTという商業複合施設が出来たのが大きいだろう。一気にお洒落度がアップした。
屋台村もある。多国籍料理が食べられる屋台もある。そうやって、プラカノンが垢抜けていくのは基本的には良いことなんだろうけど、昔のマイナーなプラカノンを少しでも知っている自分にとっては、寂しい気分になるのも確かであった。
散策の最後に駅前にあったM-Cafeに行った。
M-Cafeは雰囲気の良い、落ち着くカフェである。Wi-fiがあれば申し分なかったが、残念ながら無いらしい。
アイスカフェラテを頼んだ。70バーツ(279円)であった。郊外のオシャレカフェの平均的な価格であろう。
こういうカフェの窓際に座りながら、外の景色をぼんやりと眺めるのが至福の時間である。この駅の反対側にもモールがある。バンコクはどんどん開発されていき、かつて私が好きであったバンコクはもうすでに残されていないなどと、ついついセンチメンタルな気分にもなってしまう。
とは言え、外国人の私はその発展の動きをただただ眺めているしかないのだろうとも思った。