見出し画像

Ban Saylomleng Residence 【ビエンチャンのホテルレビュー】

ここでは、私がビエンチャンで都合、7日間宿泊した『Ban Saylomleng Residence』のホテルレビューをする事にする。

ワットタイ国際空港からも徒歩で行けるぐらいの距離だ。


白い壁が爽やかで印象的であった。この宿は何と言っても、オーナーのベティさんがとても感じが良く、親切な人であった。

部屋の中は決して広くは無い。しかし、生活に必要な大抵のモノは揃っていて、この宿泊施設はホテルというよりはサービスアパートであった。

衣類の洗濯についても、1kg=8,000キープ(62円)という格安料金で、衣類の乾燥までやってくれた。

窓の外には牧場があって、牛が放牧されていた。窓外の風景というのがこういう風にひらけている宿が好きである。遠くにも背の高い建物は一切見えない。

この白い犬がとても愛想が良く、出会った最初から私のところに駆け寄ってきてくれた。残念ながら、黒い犬の方は警戒心が強く、最後まで打ち解けなかったが。

牛がいたり、犬がいたりで、とにかく平和な宿であったと思う。

問題があるとすればやはりそれはロケーションであり、この宿の周りには飲食店も雑貨屋も無い。徒歩で20分くらい歩かないと店が無いのである。

本格的にこの宿に長期滞在するにはバイクや自転車があったほうが良いだろう。また、この宿の周りにはレンタルバイク屋は無いので、ビエンチャンの中心街でバイクを借りてからチェックインするようにした方が良いかもしれない。

私がラオスにビザランで来た関係上、パスポートをバイク屋に預けることが出来ないという問題があって、ビエンチャンに滞在中、徒歩か、Locaという現地の配車アプリを利用してやり過ごした。

それから、周囲の道を歩くのは明るい時間ならおそらく問題無い。しかし、暗くなってからだと野犬が凶暴化して、襲ってくる可能性もあるので、夜間はできるだけバイクや車を使って移動した方がいいと思う。

総じて、良い宿だった。本来はもっと長く泊まる予定であったが、停電と断水に立て続けに遭遇してしまった。

特に断水には困り果てた。洗面所もトイレも、シャワーも一切の水が出なくなった。オーナーのベティさんに聞いたところ、水のポンプの部分を動かす電気が止められているらしく(計画停電だろうか)、それがいつ復旧するのかは分からないらしかった。

ベティさんは20リットルの水を持ってきてくれた。当座の断水を凌ぐための水である。うーむ、その水で何とかやり過ごせるだろうか。

だが、よくよく考えると断水になるとトイレもおぼつかないということだ。尾篭な話ではあるが、ちょうどお腹も痛くなり、大の方を済ませたのであるが、そのベディさんが持ってきてくれた水を使って、トイレの中に直接水を入れて汚物を流した。(ネットで調べると、断水時の水の流し方が見つかった。こういうときにネットは便利だといつも思う)

結局、ベティさんに事情を話して、この宿はチェックアウトさせてもらった。あと、二日分、前払いで払ってあったのだが、ベティさんは返金に応じてくれた。すごく誠実な対応であると思う。

あと、これは余談ではあるが、この宿はどうも西洋人、特にフランス人観光客がよく来る宿だったらしい。

宿の門のそばには宿泊者用の共有スペースがあり、そこには暇そうな宿泊者達が所在無げにたむろしていることがあった。

ある時、出かける用事があって、配車アプリ使ってバイタクを呼んだ後のことだった。共有スペースに行ってみると、そこには二人の西洋人がいて、一人の初老の男性がもう一人の若い男性に向かって、フランス語で何事かを喋っていた。

話し手になっている男性は、独り言を言っているのでは無いかとこちらが思うほど、聞き手の男性はうんともすんとも言わないので、どういう会話をしているのかと思った。

そんなところにベティさんがやってきて、男性にフランス語で話しかけていたから、ああなるほど、ベティさんもフランス出身なのかもしれないと思った。

私はと言えば、フランス語は大学のときに第二外国語で履修したぐらいの知識であって、からきし使い物になる代物ではなかった。大学のときのテキストに……、

C'est Une Révolte ? Non, Sire, C'est Une Révolution.
(それは反乱か?いいえ、陛下、それは革命です。)

こういう文章があって、それが妙に頭の隅にこびり付いて離れないでいる。だが、しっかりと覚えているのはこの文章くらいだ。

外国で暮らしていてごくたまに遭遇するが、こうやって自分の知らない外国語を話す人達に囲まれて、自分がほとんどその外国語について知らないと、ものすごく居た堪れない感じになる。

ただ、この居心地の悪さというものは別におかしい事でも何でもない。

若い頃の自分はこういう場に遭遇したときに、無理にでも英語か何かを使って、彼らに話しかけていったかもしれない。

だけれども、わざわざ自分から話しかける必要も無いというのが、色々と経験をしてきた上での結論である。

彼らが私と話したいと思えば、英語で話しかけて来るであろう。そこをこちらが相手に合わせてフランス語で話しかけることもあるまいという話だ。

この話については、例えるなら、日本人宿に西洋人が一人紛れ込んだような状況を想像してもらえるとわかりやすいかもしれない。日本語が全然、話せない西洋人だったとして、周りにいる日本人達は日本語ばかり喋り、また、外国語を話すことにも興味が無かったとしたら……。

おそらく、その西洋人は私と同じように居た堪れなく感じるであろう。

まあ、こういう考え方をしていると誰とも会話をしたくなくなるものではあるが。

そんなことを訥々と考えていた。そして、この宿は他人との接触を絶って、文字通り外こもりのような生活をするのに最適な宿であった。夜は虫やカエルの音しか聞こえて来ない。そうやって自室にこもり、漫画や本に読みふける。そういうバカンスの過ごし方に最適なのである。



いいなと思ったら応援しよう!