T1第6節 ポートFC対コンケーン・ユナイテッド観戦記【タイリーグ2023-2024】
まえがき
どうも、きーきあっです。
タイの1部リーグ(以下T1)も第5節を終えました。
我らがタールアことポートFCは、3勝1敗1分けで現在3位。
対戦相手を見ると昇格組が2チームあったり、いわゆるビッグクラブとまだ当たってないということを考えると、この成績はまあギリギリ合格点というところ。
前節アウェイでその昇格組だったトラートに1-2と敗れてしまったのですが、これはまあ仕方ないかと。
というのも、圧倒的に攻めるものの、相手GKが一生分のツキを使い果たしたのではないかというくらいのスーパーセーブ連発、更にバーやポストに嫌われまくり。そして相手の2ゴールはいずれもゴラッソ。
そして追い打ちをかけるかのように、終盤にタールアのGKがレッドカードで1発退場。既に交代枠を使い切ってしまったため、10人で守る上にFWのハミルトンがGKを務めるなんてハプニングも。
これだけ条件が重なったら、そりゃあ負けるよねって話で。
ひとくちに負け試合といっても色々ありますが、この試合に関してはもう仕方ないよねって笑ってしまいました。選手は頑張ってたし。
そんな試合の翌週に迎えた今節。
ホームでの試合ですし、前節のイヤな流れを断ち切る上でもしっかりと勝ってほしい。しかもスッキリと。
ということで今回は、
T1第6節 ポートFC対コンケーン・ユナイテッド
の観戦記です!
スタジアムへGO!
そんなわけでいつものようにPATスタジアムへ。
そしていつものようにスタジアムの前にはたくさんの屋台が並びます。
といっても、まだ時間が早かったので人がそれほど多くないですが、開門時間になる頃にはたくさんのサポーターで賑わいます。
いつもの観戦仲間と、そして顔見知りのサッカー好きの方とも久しぶりにお会いし、色々話をしていたらあっという間に開門時間が。
しかしサッカー好きの人と話すのは本当に楽しいし、刺激を受けます。
しかもかなりのマニアックというか、いい意味でサッカーバカな人の話は余計に面白い。
僕もそんな風にサッカーを楽しみたいなと改めて思いました。
いざ、観戦!
ということでいつものように、メインスタンドに陣取ります。
この時点ではまだ雨は降っていなかったのですが、キックオフ後から試合終了までずっと雨が降ってました。
そんな天候とは関係なく、目に付いたのがピッチコンディションの悪さ。
試合は2週間なかったはずですし、いったいどうやったらこんな状態になるの?ってくらい酷かったです。
まるでピッチに車とかバイクが入り込んで走り回ったかのような。
どういうこと?
ピッチの話はこれくらいにして、恒例のきーきあっ式タールアのスタメン紹介です。
まずはGK。前述のように前節でGKがレッドカードで1発退場になったこともあり、この日のスタメンは39番のスメティです。
全く聞き覚えのない名前ですので調べてみました。
身長185cmの24歳。昨シーズンはT2(タイの2部リーグ)のカスタムズ・ユナイテッドで37試合に出場と正GKを務め、今シーズンよりタールアに移籍。
またカスタムズの前にはバンコク・ユナイテッドなど数クラブを転々としているのだけど、驚くのはその前の経歴。
ドイツのデュッセルドルフのアンダーカテゴリーやセカンドチームにも所属しており、またドイツ国籍も取得。
なんか意外と期待できるのでは。
センターバックは8番のタナブーン。
センターバック、サイドバック、ボランチも務めるタイ代表。
と書くとすごく頼りになる選手のように思えますが、正直安定感に欠けるというか信頼しきれないというか。
実際この試合の1失点は彼のとんでもないミスが原因。
頼むよ、キャプテン。
センターバックのもう1人は13番チャルンサック。登録名はオーキー。
ポリス・テロから今シーズンより加入。昨年からタイ代表にも選ばれた期待の選手。
期待の若手!と思ったら29歳と、思ったよりそんな若くなかった。
右サイドバックは4番のスパナン。
スピードに乗ったドリブルとクロスが武器の攻撃的サイドバック。
昨シーズンは髪の毛をオレンジにしたりとヤンチャ感が溢れるも、代表の試合の時には髪の毛を黒くするなど、根はマジメなのかも。
ちなみに今は金髪。次の代表戦の時にどうするのかが楽しみ。
左サイドバックは23番ケヴィン。
右サイドのスパナン以上に攻撃的なサイドバック。
左サイドハーフのボーディンとのコンビで相手を切り崩すプレーはタールアの大きな武器。
昨シーズンまでは怪我が多く虚弱体質的なイメージがあったけど、今シーズンはここまで順調。
ボランチは5番プトロス。
現役イラク代表。ボランチの他センターバックもできる。
見た目や体格からしてガツガツ行くフィジカルタイプの選手かと思いきや、意外とテクニックに走ろうとする傾向がある。
その分球離れが遅く攻撃のリズムが悪くなることがあるのが難点。
個人的には彼はセンターバックの方がいいと思うし、やらかし癖がある8番タナブーンをボランチにする方がいいのにと開幕当初からずっと思ってる。
そしてもう1人のボランチ。
スタジアムに入りスタメン組の中でアップしている彼の姿を見て、めちゃくちゃテンションが上がった。
彼の名前は志村謄(しむらのぼる)、背番号33。
身長178cmで年齢は30歳。
ポジションはMFまたDFもこなせるとのこと。
過去にはモンテネグロやセルビアのリーグでプレーし、2019シーズンには町田ゼルビアに所属したことも。
そんな彼が今シーズンよりタールアに加入。
外国人枠の関係で、ここまでACLプレーオフでの1試合のみの出場となっていて、この日は待望のリーグ戦デビューをスタメンで飾ることに。
タールアで日本人選手がプレーするのは2016-2017シーズンの永里源気選手以来なので、本当に期待している。
頑張れ!
右サイドハーフは7番パコーン。
正確なクロスやゴール前のフリーキックが武器。
今シーズンは途中出場が多いが、その中でもしっかりといいプレーを見せてくれている。
この日は久しぶりのスタメンなので張り切ってほしい。
左サイドハーフは10番のボーディン。
毎回言いますが、ドリブル、パス、トラップ、シュートとどれも高いレベルを誇るタールアのエース。
最近はタイ代表でも絶対的なレギュラーになっているどころか、むしろクラブの時よりもいいプレーをしている気がしないでもないけど、クラブでもその調子でお願いします。
FWは25番のハミルトン。
191cmと体格にも恵まれるブラジル人。
昨シーズンは自分でゴールも決めつつも、どちらかというと周りを活かすプレーが多かった気が。
ただ今シーズンはここまで5試合で3ゴールとさすが元タイリーグ得点王という結果を残してくれていて、とても頼りになる。
前節ではGKまでこなしてくれたが、若かりし頃(子供の頃?)GKの経験があったそう。
そしてもう1人のFWは37番タルデリ。
今シーズンより加入した選手でハミルトンと同じくブラジル人。また、ノンブア・ピッチャヤFCからタールアに移籍という流れもハミルトンと同じ。
更にここまで3ゴールというのもハミルトンと同じ。
この調子で2人でゴールを量産してほしいけど、ここ2試合ほど若干プレーの質が下がっているのが気になる。
と、初スタメンが2人もいたりしたことでやたら長くなりましたが、以上、スタメン紹介でした。
さあ、両チームの選手が入場してきました。
こちらアウェイのコンケーン・ユナイテッドの選手。
ここまで1勝1敗3分けで7位。
前節は今シーズン初勝利を挙げ、その勢いに乗れるか?
一方ホームのタールアの選手。
3勝1敗1分けで3位。
ここもしっかりと勝っておきたいところ。いや絶対に勝たないと。
ゴール裏のタールアのサポーター。
この日の観客動員数は3,758人と5割程度の入り。もう少し入ってもいいのになあと思いながらも、相変わらずサポーターは熱いです。
試合前恒例の円陣。マダムペーンは見当たらないなと思ったのですが、ハイライトを見るとちゃんとスタジアムに来ていたようです。
さあ、キックオフです!
先制したのはホームのタールア。前半11分。右サイドの7番パコーンのクロスを25番ハミルトンが上手く合わせゴール!
その前に33番の志村選手が縦にうまく飛び出してゴールへの起点になったことも見逃せません。
幸先よく先制し、勢いに乗るかと思ったら、最終ラインの8番タナブーンがボールを持ってモタモタしているところを相手選手に奪われそのままゴール。
訳が分からない形で同点に追いつかれ、ちょっと嫌なムードになりますが、それを断ち切ったのがまたも25番ハミルトン。
33番志村選手からのグラウンダーをゴールへ流し込んで勝ち越し!
志村選手はリーグデビュー戦で初アシストとさっそく結果を出します。
更にペナルティエリアでのハンドのファウルからPKを37番タルデリが決め、3-1。これでようやく安心して試合が観られる展開に。
この日のタールアはひと味違いました。更にPKをゲットしまたも37番タルデリが決めこの日2ゴール目を挙げれば、終盤には10番ボーディンが技ありゴール。
とどめはロスタイムに途中出場の14番ティーラサックがヘディングシュートを決めます。
結果6-1でタールアが圧勝!
試合の感想なぞ・・・
久しぶりにスカッとする試合でした。タナブーンがヘマしたことで追いつかれ、ちょっと嫌な流れにはなりましたが、その後勝ち越しからダメ押しまで終始相手を圧倒し、素晴らしい結果となりました。
そのタナブーンのミスは考えられないし、最終ラインの選手があれをやっちゃダメだろって思うけど、ここまで6試合で8失点と暫定首位のチームとは思えない守備力を誇るタールアなので、無失点で終われないのは分かってます。ある意味失点は毎試合想定内と思う事にしてますし。
それよりも、この日は6点を奪ったように最後まで攻めてくれたことが非常に大きいし嬉しいです。
FWのハミルトンとタルデリがそれぞれ2ゴール、そしてエースのボーディンと途中出場の期待の若手ストライカー、ティーラサックがゴールを挙げたというのも素晴らしいです。
今シーズンのタールアは先制すると途端に守りに入るというか、1-0で勝とうとするというか、カテナチオ時代のイタリアに憧れてるのかって思うような試合運びをしちゃうんですよね。
そんなスタイルをするチームじゃないし、守備陣のメンツを見ればそもそもそんなサッカーができるわけないんです。
それよりも点を取られてもいいから、それ以上に点を取る。相手が戦意を喪失するまで殴り続けるという戦い方こそがタールアの芸風なんです。
1-0よりも5-2とか6-3みたいなスコアがタールアにはお似合いなんです。
この日はそんな戦いをしてくれたのが何より嬉しくて。
そうそう、こういうサッカーをするからタールアのサポーターになったんだよって。
嬉しいと言えばもう1つ。
この日リーグ戦デビューを果たした志村選手。
同じ日本人だからという贔屓目じゃなく、非常に良かったと思います。
勝ち越し点のアシストという目に見える結果を出したのももちろんですが、それ以外にも攻守に存在感を示してました。
攻撃時には前線へのパスだけでなく、相手陣内へ入っていくプレーも効果的でしたし、実際先制点はそのプレーから生まれていますし。
守備に関してもコンケーンの攻撃の軸になる選手、7番のカラブエをしっかりマークしてましたし、それ以外も中盤で相手の攻撃の芽を摘んでました。178cm以上に大きく見えるくらい、存在感があったのではないかと思います。
デビュー戦としては十分くらいアピールが出来ましたし、これから周囲との連携が更に良くなっていけば、更に良いプレーが出来るのではないかと。
そうなると問題は外国人枠になるのですが、こればかりはどうにも。
しかもFWのブラジル人コンビ、ハミルトンとタルデリが5ゴールずつを挙げてますし、今回ベンチ外になった77番ネゲバもテクニックでいえばチーム1ですから、なんだかんだで欠かせない選手だったり。
そうなるとイラク人のプトロスとの争いになるのかなと思いますが、彼も昨シーズンからタールアでプレーしており、ある程度実績もありますしね。
ということで上に挙げた選手と併用していくのか、これから始まるカップ戦を中心に出場していき実績を重ねていくのか分かりませんが、間違いなく言えるのはタイリーグで活躍できるポテンシャルがあるということ。
というわけで、僕もこれから志村選手を推していきます。応援していきます。
こういった外国人枠も含めて、今のタールアは選手層が本当に厚くなりました。昨シーズンとはえらい違いです。
しかもティーラサックをはじめ、途中交代で入ってきた選手もしっかりと結果を出すので、スタメン組もうかうかしていられずにいい刺激になっています。
まだ6試合でこんな事を言うのは早いのですが、この日の勝利でタールアが暫定ながら首位(金曜に行われたバンコク・ユナイテッドとブリーラム・ユナイテッドの1位2位対決が雨で試合延期になったため)になったので言わせてください。
今年のタールア、いけます!
これがフラグにならないことを願いつつ、今シーズンは期待しちゃいます。
以上、きーきあっがお伝えしました。
それではまたまた!