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AFF三菱電機カップ2024 決勝戦2ndレグ タイ対ベトナム観戦記


まえがき


どうも、きーきあっです。

この記事が2025年最初の観戦記なのですが、それがいきなりのビッグマッチになりました。

昨年12月に開幕した、東南アジア最強を決めるAFF三菱電機カップ。

始まる前はどの国もベストメンバーではなかったりして、今までよりも盛り上がり的にどうなのよって心配もしていましたが、いざ始まってみるとやっぱり盛り上がりますし面白い!

今大会はフィリピンの頑張りが一番目立ちましたが、それでも決勝に残ったのはタイとベトナムという、東南アジアをリードする両国というのも更に盛り上がる原因になっていたり。

さて、そんな決勝戦の1stレグはというと、ホームのベトナムが2-1と先勝し、優勝へリーチをかけてます。

タイ側の立場からすると、2点目を取られた時にはヤバいぞと思ったのですが、何とか1点を返したことでまだ希望が持てました。

そしてタイで行われる2ndレグ。
この試合のチケットは1時間もしないうちに完売と、準決勝まではそこまで熱くなっていなかったタイのサポーターもようやく目が覚めたようで。

もちろん僕もそのチケット争奪戦に参加し、何とかゲットしました。
という訳で今回は、

AFF三菱電機カップ2024 決勝戦2ndレグ タイ対ベトナム

の観戦記をお届けします。

1stレグで先勝したベトナムがそのまま逃げ切るのか。それともホームに戻ってきたタイが逆転優勝で前人未到の大会3連覇を果たすのか。

年末年始の台湾旅行から帰ってきてばかりで、まだ疲れの残る老体に鞭打って、スタジアムへと向かうのでした。

スタジアムへGO!

前日の夜に台湾旅行から帰ってきたばかりで、正直まだ疲れが残っている状態でしたが、選手の方が100倍疲れているはず。
そんな思いでラジャマンガラスタジアムへと向かいました。

チケットが完売だっただけに大勢の人がスタジアムに来ることは分かっていましたが、それにしても凄い人でした。

今大会3試合目の観戦だったのですが、それまでの試合とは段違いの人の多さ。
バイクを停める場所がなかなか見つからず、スタジアムから少し離れたところに停める羽目に。
まあ、盛り上がるのはいいことですからね。

こちらがスタジアム前の様子。

タイのサポーターだけではなく、ベトナムサポーターも大挙やってきていました。

いざ、観戦!

さっそくスタジアムの中へと入ります。
今回はメインスタンド側のチケットが取れず、バックスタンド側からの観戦となりました。

しかも開門時間から1時間も経っていないのに、バックスタンド上部の席しか空いていないという盛況ぶり。
息を切らせながら階段を上り、ようやく席に着きました。
そんな席からの眺めです。

スタメン紹介が始まり、まずはベトナム代表の紹介から。
その中で大ブーイングを浴びたのが12番のFWラファエルソン。

それもそのはず、今大会はここまで7ゴールでダントツの得点王。
決勝戦1stレグでも2ゴールを挙げ、ベトナムの勝利の立役者です。

ラファエルソンはブラジル人で昨年ベトナム国籍を取得したばかり。
名前はグエン・スアン・ソンです。
ちなみに以前ベガルタ仙台に少しだけ在籍したこともありました。

さて、ここからはきーきあっ式タイ代表のスタメン紹介です。

まずはGK。1番パティワット。30歳。バンコク・ユナイテッド所属

所属クラブでのプレーは鉄壁という印象なんですが、代表だとそうでもないかなあ。
でもこれは彼だけの責任ではなく、むしろセンターバックが不甲斐ないからという噂も。

センターバックは3番パンサー。34歳。ブリーラム・ユナイテッド所属

191cmの長身を活かし、セットプレーからのヘディングシュートも得意。
ただ攻撃よりも、もう少し守備をしっかりしてほしいかなあ。
彼もブリーラムでは堅実な守備を見せているんですが、代表だと・・・。

もう1人のセンターバックは4番のジョナサン・ケムディ。22歳。ラーチャブリー所属
写真が上手く撮れず、数字だけになってしまいました。

190cmと体格にも恵まれ、将来のタイ代表の守備の要と期待される選手。
今大会はコンディションがあまり良くないため、試合に出たり出なかったりですが、決勝戦はスタメンで出場しました。

センターバックの人材不足が半端な炒め、彼がしっかりと成長してくれないと、タイ代表の未来は暗いです。

右サイドバックは21番スパナン。31歳。ポートFC所属

今大会のタイ代表で3本の指に入る活躍ぶりだと個人的には思います。
攻守にしっかりと貢献してますし、何しろタフ。

クラブの時より代表でプレーしている時の方が輝いて見えるのは何でだろう?
タールアでもその調子でプレーしてね。

左サイドバックは6番ティタトーン。27歳。ウタイターニーFC所属

現在のタイ代表で最も不安なポジションがこの左サイドバック。
レギュラー候補筆頭だった24番アピシットが、試合に出る度に酷い出来で、大事な決勝戦2ndレグはティタトーンにチャンスが回ってきました。

しかし彼もネット上ではタイ人サポーターから今大会のプレーに対しての不満や不安なコメントが溢れていました。

何とかサポーターを見返すプレーを見せてほしいものです。

ボランチは18番ウィーラテップ。28歳。バンコク・ユナイテッド所属

今大会なぜか石井監督は1ボランチシステムを好んで使っているのですが、その件については後でまたゆっくり触れるとして、そのポジションに彼を起用しているのには正直驚きです。

ボールを奪うことよりも中盤での組み立てが得意な選手なので、果たして1ボランチで彼を使うのはどうなんだろう・・・。

右サイドハーフは10番スパナット。22歳。ブリーラム・ユナイテッド所属

チームのエースですが、今大会は体調がイマイチ。
先日の準決勝2ndレグでは38度の熱がありながらも延長戦で決勝ゴールを挙げる大活躍。

この試合はスタメンでの出場ですが、果たして。

左サイドハーフは7番スパチョーク。26歳。北海道コンサドーレ札幌所属

どうした?もっと出来るはずだろ?
大会中に彼のプレーを観ていてずっとそう思っていました。

コンサドーレであまり出番が多くないからなのかなあ。
やっぱりJリーグでプレーしているだけあって次元が違うなあ。
そんな言葉を発したかったのに、残念ながらそう思えるプレーはここまでほとんど見られませんでした。

この試合ではスパチョークらしいプレーが観たい!

インサイドハーフは8番ピーラドン。32歳。ポートFC所属

彼がこのチームのキャプテンを務めると知った時には、正直大丈夫かなあと思いました。
というかスタメンで使うのかよとも思いました。

でもここまで献身的なプレーでキャプテンとしての務めは立派に果たしていると思います。

決勝戦でも活躍して、優勝カップを掲げてほしいです。

もう1人のインサイドハーフは13番のベン・デービス。24歳。ウタイターニーFC所属

今大会最大の驚きは間違いなく彼。

実は以前タールアに所属していた時があるのですが、その時は期待されながら輝くことができずにチョンブリーFCへ移籍。更にウタイターニーFCへと移籍したのですが、今シーズンにブレイクしタイ代表へ選出されました。

更にこの大会でも素晴らしいプレーを見せてくれています。
いつでもタールアに戻ってきてくれていいんだからね。

1トップは9番グスタフソン。23歳。BGパトゥム・ユナイテッド所属

FW陣が怪我人や体調不良者が出る中、ここまで4ゴールと1トップとして奮闘しています。

タイ人らしからぬフィジカルの強さが武器。彼がしっかりと1トップに収まってくれるといいんだけどなあ。

以上、きーきあっ式タイ代表のスタメン紹介でした。

さあ、両チームの選手が入場してきました。

まずはベトナム国歌が流れます。

このようにアウェイ席はベトナムサポーターでぎっしり。
何でも600人のサポーターがチャーター機でバンコクまでやってきたらしいです。

続いてタイ国歌が流れます。
それに合わせて両ゴール裏とバックスタンドから巨大なタイ国旗が出現します。

更に選手の似顔絵が描かれたゲーフラや、「King of Asean」というビッグフラッグも登場。
大会2連覇中という、東南アジア王者らしいビッグフラッグでした。

さあ、キックオフです。

1stレグで1-2と敗れているタイとしては、何としても先制点が欲しかったのですが、反対に先制点を奪われてしまいました。

ゴール前のロングボールにDF陣がバウンドを合わせられず、そこをベトナムの10番に押し込まれてしまいます。

しかし、タイ代表もすかさず同点に追いつきます。
今度はベトナムのゴール前でボールを奪い、13番ベン・デービスが見事なシュート!

この美しいゴールシーンにタイサポーターは大興奮!

この勢いに乗ってもう1点と行きたいところでしたが、結局1-1で前半終了。

しかし、前半のうちに追いついたことと、ベトナムの絶対的エース12番グエン・スアン・ソンが負傷退場したこともあり、これはいけるだろという雰囲気でハーフタイムを迎えました。

さあ、後半キックオフです!

前半に続いて後半も攻めまくるタイですが、ようやく逆転ゴールが生まれます。
ただ、このゴールに関してはベトナムの選手、サポーターから不満が噴出。

というのも、ベトナムのGKが味方選手が負傷したためボールを外に出したのですが、そのボールをベトナム側に返さずにタイがパスを繋ぎスパチョークがシュートを放ちます。

そのシュートが見事にベトナムのゴールに突き刺さったのです。

タイ代表を応援している僕も、これはさすがにダメじゃないかって思いましたよ。
当然猛抗議をするベトナムの選手たち。

しかし、これは反則ではないため、ゴールが認められました。
これで2戦トータルで2-2。ついにタイがトータルのスコアでも追いつきました。

これでタイが勢いづくかと思った矢先にとんでもない事態が起こります。

既に前半にイエローカードを貰っていた18番ウィーラテップが、ラフプレーで2枚目のイエローカードを出され退場となってしまいました。

これにはベトナムサポーターは大喜び。反対にタイサポーターは呆然。

この日の入場者数は46,982名。いやー、よく入りました。

5万人近いサポーターが埋まったスタジアムで大会3連覇を果たしたいタイでしたが、先ほどの退場で完全に流れはベトナムへ。

すると、ベトナムに同点ゴールが生まれてしまいました。
左サイドを崩され打たれたシュートが3番パンサーに当たりゴールへ吸い込まれます。

なんとオウンゴールで2-2の同点となってしまいました。
これでトータルは3-4。このままだとベトナムの優勝です。

最低でも1点取ってせめて延長戦に持ち込みたいタイでしたが、決定機を決められず。
反対に最後に得たコーナーキックにGKパティワットがゴール前まで上がってきますが、ボールを奪われると、無人のゴールにシュートを決められ万事休す。

結局この試合は2-3、トータルで3-5でタイがベトナムに敗れました。
タイは3連覇ならず。ベトナムは2018年以来3度めの優勝を果たしました。

試合の感想なぞ・・・

まずはベトナムの選手、サポーターの皆さん、優勝おめでとうございます!
いやー、強かったです。
パスもきれいに繋がりますし、献身的な守備も素晴らしかったですし、試合運びも見事でしたし、優勝にふさわしいチームでした。

なんか一部のサポーターから、この試合の判定に不満があるとか、ベトナムが韓国人監督なのに主審が韓国人なのはおかしいとか、色々な意見があるみたいだけど、単純にベトナムが良かったしタイが良くなかっただけだと思ってます。

大会得点王&MVPのFW12番グエン・スアン・ソンが骨折で長期離脱なのは残念ですが、3月から始まるアジアカップ予選を何としても突破し、アジアカップ本戦で彼のプレーを観てみたいです。

さて、タイ代表ですが、大会を通じて観ていた感想としては優勝チームにはふさわしくない内容と結果でした。
ですから、悔しいというよりも納得です。

なんといっても守備が脆かった。8試合で12失点という数字が全てを物語っています。

ちなみに優勝した2022年は8試合で5失点、同じく優勝した2020年は8試合で3失点です。
優勝を逃しベスト4だった2018年でも6試合で5失点とそこまで酷くはなかったですから、今大会のディフェンス陣がいかにダメダメかというのがよく分かります。

今大会は18番ウィーラテップの1ボランチというフォーメーションを多用していましたが、これはどうも理解できないなあと思っていました。

というのも、先ほど書いたようにウィーラテップはボランチではあるもののボールを奪うというタイプではなく、中盤でゲームを組み立てるタイプなんですよね。

そんな選手を1ボランチにおけば、中盤でボールを奪うのも難しいですし、相手に中盤で主導権を握られてしまいます。

東ティモールやカンボジア相手ならまだ分かりますが、ベトナム相手にそれはちょっと無理があったのでは。

失点が多かったのも、もちろんディフェンス陣のプレーが酷かったのもありますが、そんなディフェンス陣に更に負担を強いてしまったのも原因ではないかなあと思いました。

まあ今大会はベストメンバーではなかったからという言い訳もできなくはないですが、それでも一応期待されていた選手がことごとくその期待を裏切ったわけですから、頭が痛いです。

そのベストメンバーではないという話ですが、この件については個人的にはかなり不満です。

というのも、当初はリーグ戦を中断しこの大会に臨む話だったはずだったのですが、いつの間にか大会期間中に一部の試合が組み込まれていたんですよね。

でもまあ、天候による延期の試合があったりもしたので、それはそれでそこでやるのはいいとして、当然代表の試合が優先だと思っていました。

しかし、その試合があるからなのかは分かりませんが、大会期間中に試合があるクラブが選手を出し渋っていたんですよね。

それはちょっと違うんじゃないかと。選手を快く代表に送り出した上で試合をするならいいんですが、出さないっていうのはどういうことかと。

しかもですよ。タイ代表の試合がある日にわざわざ試合をやるんですよ。
もうね。アホかと。
タイ代表の試合が日曜日にあるなら、せめて土曜日にやれよと。

ちなみに大会期間中に4試合もやったクラブがあるんですけど、4試合とも勝ってましたよ。
対戦相手の殆どのクラブは主力選手を代表に送ってましたから、当然そうなりますよね。

これでガッチリ首位キープ出来てよかったですね、ブリーラムの皆さん。

まあ、そんな感じで一部のクラブはとても非協力的だったりしたりもしましたが、それでも負けは負け。
ただ、選手のコンディションもイマイチだった中で、準優勝ですから賞賛はできなくても、文句は言いません。

選手もスタッフも監督も本当にお疲れさまでした。

タイサッカー協会も同じような評価をしてほしいなと思います。
まさかこれで石井監督解任とかしませんよね、マダム・ペーン。

反対に東南アジア王者の座をベトナムに奪われたことで、2年後に行われる次回の三菱電機カップはベストメンバーで臨むよう、協会は各クラブに働きかけてほしいです。

と言いながらも、残念ながら協会からの評価は下がってしまったのも事実。
実際W杯予選も3次予選には進めませんでしたし、三菱電機カップの優勝も逃しているわけですから。

そんな石井監督には今年の3月から始まるアジアカップ予選の突破が至上命題になるはず。
これを逃してしまうなら、解任も仕方なしだと僕も思うので、何としても出場権を得てほしいです。

というわけで、3連覇を逃し悔しいスタートを切った2025年のタイ代表ですが、まだまだこれから。伸びしろはあります。
それに今週からリーグ戦も始まります。

選手はお疲れだとは思いますが、またリーグ戦での活躍を楽しみにしています。

以上、きーきあっがお伝えしました。
それではまたまた!


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