無駄遣いのススメ。子どもたちへ。
お小遣いは無駄遣いするためにあるんだよ。
そんな名言を教えてくれた中学生がいました。
「なるほど!」と、手を叩いて深く納得した時のことをよく思い出します。
母として、お小遣いを使う子どもたちに今私が言いたいことがあるとすれば、
「大いに無駄遣いせえよー。人生楽しんだらええんだ。」
につきます。笑。
無駄遣いのススメ。
それに生み出したエピソードを。
お金の使い方を教える!?
ムスコが小学校に上がるころ、私はそのつもりでいたんですね。
でもそんな時にムスコがカメラが欲しいと言ったんですね。私が持ってるのと同じ、防塵、防水の27000円もしたやつを。。
「えーっと、10000円以下で探そうか∑(゚Д゚)。。。。」
そういう私の横で旦那さんが、
「じゃあ、今までもらったお年玉やらを全部返してあげるよ。」
そう言いましてね ∑(゚Д゚)∑(゚Д゚)、、、、( ゚д゚)。。
「え、そんな大金を!?お金の使い方をまずは教えて行かなくちゃあ。。。」
と、私がモゴモゴいいますと、
「自分で使っていくうちにわかるっしょー。計算は得意だからそれなりに勘定もできるしいいじゃん。」
ですと。。
うちの旦那さん、発想が面白いんですけど、全体的に結構いい経験を子どもたちにプレゼントしてくれてるので、それを採用してみることにしたんです。
子ども観に関してはよく話し合ってるので彼の考えは信頼してるし、自分の考えが正しいわけでもないし、じゃあそれ、試してみようか。。と。
ムスコのはじめてのお小遣い
我が家はお小遣いを渡していないので、これが彼のはじめての「自分のお金」になりました。
初めてのお小遣いにして大金を手にしたムスコ。
ムスコ、まずは嬉しそうに27000円のカメラを買いました。このカメラはその後6年経った今でも現役で、彼の相棒になってるのでいい買い物をしたと思っております☺️
それから、彼はもらったお金を何に使ったかと言いますと。。
ハッピーマネー
お料理が好きなんです。作りたいものを見つけては、自分のお金から大切に出して、2つになった妹と手を繋いでバスに乗ってよく買い物に行きました。一人で行くのは寂しいから、と、笑。
いつも帰ってくると妹の手にはおやつが握られていて、「ムスコがかってくれたの。」と嬉しそうに笑っています。
食材はいつも家族4人分。それを自分のお小遣いで大丈夫だからと買ってきては作ってくれました。
そして家族のお誕生日になると、何が食べたい?と言っては家族の好きなものを買ってくれるんです。それもまた、家族分。
あとは、お出かけした時のおやつ。これも自分で買っていました。買ったものは必ず、家族や友達に分けていました。
いつもありがとうね、というと、だってみんなで食べたほうが楽しいから♪と決まっていうムスコ。
彼のお金の使い方はほとんどが「ハッピーマネー」でした。
そんな彼がゲーセンやガチャガチャにお金をかけて時期もありました。100均につぎ込んだことも。。
いまだに彼がいう「最も勿体無かったお金の使い方」は、ラジコンが欲しくてやったユーフォキャッチャーだそうです。取れそうだって思ってつぎ込んだ分で、おもちゃ屋さんで変えたじゃあないか、と呟きながら数日泣きました。
いいと思ったものを買ってすぐに壊れたり、なくしたり、思ったものと違っていてがっかりしたり、自分でいろんなことを味わっていました。
私が決めていること。
彼がこんな風にお金を使い始めた頃、私はつい言ってしまっていたこと。
「えー、それ買うのもったいないじゃん。うちに似たようなのあるよー。」
「お茶なんて買わなくてもいいじゃん、うちでのめば。」
もったいない、もったいないってうるさい母ちゃんでした、笑。
それに対して旦那さん。
「いいんじゃない?今欲しんだよね。自分のお金だもん、買ったらいいんだよ。」
といつもこの態度。帰りの車の中で私はいつも諭されておりました。
「自分で買ってみて気持ちを味わって、お金との付き合い方を知っていくから何も言わなくてもいいとおもうよー。」
それを積み重ねるに連れて私は「ああ、そうかもしれない。だってそもそもこれはもうムスコのお金になってる訳で私のものじゃないよね。なのになんでコントロールしようとしてるんだろうね、私ってば??
私だって自分の持ってるものを人にとやかく言われたくないよね。」
と自問する時間がふえて行きました。
偶然か必然か、そんな中での中学生からのメッセージが舞い込んだそんなある日。
「お小遣いなんて無駄遣いするためにあるんだよー。(^-^)」
その瞬間、私に取り付いてた全てが削ぎ落とされました。
「そうか!!そうなんだ!!
私は自分の考えでお金を使ってこなかったからこそ、大人になって使い方にも悩んだし、なくなっていくことが不安で仕方がなかったじゃん。
子どもの頃から、お金を自分の意思で使う練習をしていれば、こんな風に使った時は自分が嬉しくなれて、こんな風に使ったら残念に思う感覚がわかるよね。
それにお金がなくなっていく不安も、不安として抱え込むのか、自分の人生を潤わせることに使ったんだからいいじゃない、またお金を稼ぐぞ、って楽しく前を向いていくか、も身につけていけるじゃないか。」
ってドドーっと見えてきたものがありました。
それ以来私は子どもたちにそれ、もったいないじゃんって言わなくなりました。
うちに帰れば麦茶なんてすぐ作れる。
だけど、いま、このペットボトルの麦茶を飲みたいなら、それを飲めた幸せを味わう方が大事じゃあないか、って、彼らの気持ちに寄り添えるようになったんですね。
「彼らの手元に渡った以上、私のものではない。だから私が口をだすのは余計なことだ。彼らが味わう時間を大切にしよう。」って考えています。
旦那さんのやり方って面白いなーってこうして思います。
私が決めていることは、私は余計な口だしはしない。黙ってるくらいがちょうどイイ。ってこと。
お金の使い方を教えなくて良かった。
こんな私ですから、そもそもお金の使い方なんて教えられなかったじゃんねえ?って「今となっては」、自分ツッコミを入れています。
「このお金をどう使うのがムスコにとって幸せか。」
それは彼自身が自分の感覚で使ってみるしかなかったんですよね。
私がいう通りにしていたら、私にとっての幸せなお金の使い方にはなるけど、息子にとってはそうはならなかったから。
お金は幸せになるために使うもの。自分が幸せになってはじめて、他のの誰かも巻き込んで幸せにできるものなんでしょうね。
ムスコ、ごめんなさい。
旦那さんありがとう。
このお年玉は三年半ほどで、なくなっていきました。最後の一年弱、ムスコは少なくなったお金を前に使い方をいつも一生懸命考えていました。
そして今だに我が家は定期的お小遣いを渡していません。必要な時は相談してね、と伝えており、相談を受けてはお金を渡したり、それは家計からは出ないなーってなったり。
彼はばあちゃんから頂いた分、近所のおじいちゃんがたをてつだってはからずもいただいたお小遣い、毎年のお年玉をやりくりしつつ、楽しんでいます。
彼なりにお金の大切さ、お金がなくなることの不安さ、お金で生み出せる幸せってこういうことだなってことを感じてくれています。
今でも変わらずにムスコは、たいして自由に使えるお金もない中、おやつを買ってはみんなに分けてくれます。
うちを巣立つ時に渡してやれる通帳はないけれど。笑。
はい、そんなわけで、就職して家を出る時、このうちから巣立つ時に渡してやれるまとまったお金はありません、笑。
けれども、この数年で彼はお金のありがたさを自分の中に確かなものとして得たとおもうのです。
大きくなってからではなく、今からもうずーっと、お金との豊かなお付き合いをしていく力を得たことが何よりもの財産だよね、とよく話しています。
お金の使い方を教えてあげようと思っていたけれど、結局、教えてもらったのは私の方だったなあ。
私が教えられることなんてホント何もなかった、笑。
彼から学んだこと。
お金の大切さを知り、不安と向き合い、ありがたさを日々感じながら、私はどうお金とお付き合いしていきたいかということ。
私もようやっと無駄遣いをすることが減ってきました。買った本が面白くなかったとて、次に本を買う時はどんな風に選ぶかを決める経験を積めたということ。だからそれは決して無駄遣いではなく、自分に対する投資になるのだから後悔はいらない☺️
自分の人生の中での後悔は一つでも少ないほうがいい。その行動をしたことで得た学びがあったのだから。
彼のようにハッピーマネーの循環を生むようなお付き合いをしたいと今は感じています。
「お小遣いは無駄遣いするためにあるもの」
大人になっての無駄遣いに比べたらとてもとても小さなものだから、たくさん無駄遣いしたらいいさー!!
私は今だにお茶を買うことに抵抗があるけれど、笑。