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ALUMNI STORY 株式会社キャスター 渡 雄太 (経済学部卒) さん

東北大学の出身者や関係者でスタートアップ界隈で活躍されている方、そして官公庁や大手企業などにいるこれから東北大発のスタートアップに関わっていきたいと思われているOBOGの方々をご紹介する「東北大学スタートアップアルムナイ100人カイギ」このイベントで収録された東北大学OBOGの講演内容を「ALUMNI STORY」として記事化してお送り致します。
※東北大学スタートアップアルムナイの詳細についてはコチラをご覧下さい。


自己紹介:国内最大のリモートワーク事業を運営するスタートアップにて従事

※こちらの収録は2022年6月に行われたものです
今の仕事について、サクッと紹介すると、株式会社キャスターというところで、執行役員をやっています。リモートアシスタントをはじめとした人材事業「CASTER BIZ」というのが1番の主力の事業なんですけれども、全部で十何個かの様々な領域の事業、主に人材領域で展開している会社です。特徴として、1400人の従業員全員がフルリモートで、全国47都道府県、海外22カ国に社員がいるという、ちょっと変わった会社になります。
僕自身は今、埼玉に住んでいて、本社は宮崎県の西都市というとこにあり、キャスターに入社してから2年間になるのですが、先月4月末に初めて一回だけ出社したんですけれども、基本はずっと家でやっています。
社長も横浜に住んでいて、宮崎の西都の本社には、役員1人と従業員10人ぐらいのみで、会社が運営されているところになっています。

全社員がリモートワークという次世代的な働き方を実践する株式会社キャスター

大学入学前:超手堅い家庭から、超手堅い国立大学である「東北大学」へ

自分の経歴のダイジェストをまとめました。1987年生まれの、今年35歳の年になります。国家公務員の父と銀行員の母という、絶対にスタートアップに行かなさそうな両親のもとに産み落とされました(笑)。父親が京都大学出身だったこともあり、国立大学にいけ、と東北大学に来て、絶対にスタートアップに行かないようなキャリアを歩んできたのですが、徐々に徐々に、気づけばこんなところに来てしまったっていうような感じになります。

超手堅い家庭から、超手堅い国立大学へ

大学入学後:勉学はあまり頑張らなかった大学時代

大学時代は、他の皆さんのプレゼンが凄すぎて、研究や活動等を色々頑張られていたのが、本当に凄いなと思ったのですが、僕は勉学はあまり頑張らずに、留年しない程度に学業と交遊に勤しみました。経済学部の友達と、フォークソング研究会という軽音サークルで、バンド活動をして、あとは学友会の吹奏楽部で指揮とか編曲とかをやっていました。高校から吹奏楽部だったので、大学でも吹奏楽で音楽の活動をしていました。冬は、シーズン券を買って毎日スノボに行っていました。

あとは、仙台市民交響楽団という、社会人のオーケストラでも大学3年、4年と楽器をずっと弾いていて、その仙台市民交響楽団で出会った、東北福祉大学の同い年の人とそのまま結婚しました。そのため、単位は本当にギリギリで、全然学校を頑張らずに卒業してしまったので、関係者の方がいたら恐縮ですが、勉強は生まれ変わったら頑張ります(笑)

交遊をメインに、充実していた学生時代

就職活動時:就活中にリーマンショックが発生

2010年入社で、今と就活のタイムラインがおそらく違うのかなと思うのですが、当時2008年に就活をして、2009年に内定が出て、2010年に入社だったので、就活中の2008年にリーマンショックが起こった年になりました。
新卒で入った双日株式会社という会社も、僕の1個上の代までや、今もおそらく120、130人ぐらい毎年採用しているので、当時の僕の時は40人という歴代最も少ない人数の採用の世代になっていました。
ちなみに、今回同じく登壇されている奥田さんには、2008年の就活の時にOB訪問をさせてもらって・・。丸の内で焼肉を奢ってもらったことを今でも覚えています。ちなみにこの後にも、人生の節目には、だいたい奥田さんに会いに行っていま
す(笑)

僕は幼少期である小中学生の時に、インドネシアのジャカルタに住んでいたこともあって、東南アジアでビジネスをやりたいと商社に入ったのですが、リーマンショック直後は、営業部がどこも成績が悪いので、新卒を取りたがらないこともあり、ほぼ全員バックオフィスに配属されました。僕は、海外でビジネスがやりたいのに、海外にも行けないしビジネスもできない。広報部のCSR課、今でいうSDGs等を推進するような部署に配属されました。

現在の仕事内容:商社で経験した東日本大震災、海外事業。その後スタートアップの世界へ

広報部のCSR課に入って、会社としては大事な部署なのですが、新卒でビジネスをやりたいと行って入ってきたのに、どうすればいいんだろうと思うことが多く、新卒1年目は結構腐っていました。
その時、1年目の終わりに、東日本大震災が起こって、これが自分がこの会社で働く意味みたいなものを考える1つのきっかけになりました。当時、現地のボランティア団体等に車両寄贈をしたり、会社でボランティアプログラムを作って、従業員を1年間で100人ぐらい送り込む 泥かきのボランティアをしたり、「渡は東北大だから、思い入れがあるんだったら頑張ってみれば」と上司に言われたので、自分で全部企画をして作ったことが、双日に行って、自分の1つの転機になりました。

とはいえ、ビジネスがやりたかったので、2年目に、商社にはどこもあるのですが、フリーエージェントのような制度、手を挙げて部署と握れば、どれだけ上司が引き留めても勝手に異動できる制度があって、やっぱり海外でビジネスがやりたかったので、レアメタルのトレーディングや投資をやる部隊に2年目で異動して、写真にあるような南アフリカに投資している加工工場のようなものを管理したり、日本の鉄鋼メーカー向けに売り込んだりのようなことを、5年目で辞める時までずっとこの仕事をしていました。

双日では、広報部からレアメタルのトレーディング、投資先管理に従事

双日という会社自体はいい会社で、自分もいいところに配属されて、希望のところに異動できたので、楽しくやっていたのですが、丁度奥さんが1人目の子供をみごもったということがわかった時に、ふと、このままでいいのかなという危機感に晒されました。総合商社は、基本的にお給料が高くて、エスカレーターでどんどん上がっていく仕組みになるので、このまま家計のバーンレートもどんどん上がっていって、自分の年収も上がっていっちゃって、30歳とか40歳とかになった時に。 なんかこれでいいのかなと迷わないかな、という不安感に駆られました。

その時に、奥田さんがちょうどRettyに転職したという投稿をFacebookで見て「奥田さん、三菱商事やめたんですか!?ちょっとお話聞かせてくださいよ」と、当時のRettyが広尾にオフィスがあったので、近くのお寿司を奢ってもらいました(笑)話を聞くと、どうやらスタートアップは成長産業で面白いらしい、ただ年収がめちゃくちゃ下がるらしいということだけは分かって、2013年当時できたてほやほやのWantedlyを使って、様々なスタートアップ15社ぐらいに会いに行きました。そこでたまたま自分が出会ったのが「ユニラボ」というスタートアップになります。

ユニラボは、何でも相見積もりが取れる「アイミツ」という事業をやっている会社になるのですが、ここの社長が三菱商事で石炭をやっていて、その後DeNAで最年少執行役員をやっていて、独立したキャリアの人だったので、自分のバックグラウンドとも結構近くて、見積もりの領域も商社マン的にも馴染みがあったので、よくわからないけど、とりあえず行くかということで、奥さんと生まれたばかりの子供をなんとか説得して、双日を辞める直前に、双日の与信で住宅ローンを組んでマンションを買って辞めて、年収を半分に下げて、ユニラボというベンチャーに飛び込みました。

当時のオフィスはアパートになるのですが、目黒に大戸屋があって、権之助坂の途中にある大戸屋目黒店が入っている、めちゃくちゃボロいアパートの一室でずっとやっていました。ありがたい事に、事業もどんどん伸びていて、今入っているオフィスは東五反田で、これも縁あってRettyの元オフィスになるのですが、当時僕と社長とCTOとインターンで細々やってきたところから、いま従業員が200人ぐらいになって、いまのオフィスは複数フロア借りて、最近また増床するという話も出ているらしいのですが、僕はこのオフィスに行く直前ぐらいのタイミングで辞めちゃっているのですが、スタートアップがめちゃくちゃ伸びるところで、中心として一緒に事業作り、組織作りを経験させてもらいました。

アイミツを1年半で単月黒字化、取締役に就任後、独立して個人会社を起業

こんな感じで楽しくやっていたのですが、今のユニラボはすごく良い会社になっていますが、当時は今と違って待遇も悪いし、労働環境も悪いし、僕がいた創業期はブラックだったので、会社に布団を敷いて、毎日寝泊まりするような働き方をずっとしていました。
それが祟って、2017年に1回メンタルを壊して、軽度ではあったのですが、適応障害とうつ状態と診断されてしまって、このままスタートアップの第一線でバリバリ働くことは、多分自分には無理だわと思うようになりました。
その時に、リハビリを兼ねてTwitterを始めて、自分が好きなスタートアップの図解を出したら、やたらバズるということが起こって、田端砲とかにも乗って、死ぬほど伸びるということがありました。死ぬほどと言っても、数千人のアカウントになるのですが、その時に、会社の1つの箱の中にとどまらないで、自分で何かができるか考えてもいいかもなと思い、次にやることも何も考えずに、2018年にユニラボの取締役を辞めて、会社も辞めました。

その後、辞めてしばらくフラフラしていたのですが、家族もいるし、その時2人目の子供も産まれていたので、お金を稼ぐかーとなりました。このタイミングにも奥田さんとRettyの近くで、蕎麦を食べた記憶も記憶があります(笑)
奥田さんからRettyの仕事はなかったのですが、周りの経営者の友人とかから「渡、ユニラボを辞めて暇だったら手伝ってよ」という形で、ちょっとずつ受託の仕事を個人で受けるようになって、それを受け始めたら、意外と自分がやってきたことって、ちゃんと価値があるぞとか、あるいは再現性を作って自分じゃない人でもできるぞ、という事に気づきはじめて、これは個人事業主じゃなくて、法人化して人を入れて仕組化していこうと決めて、自宅の一室で2018年にひっそりと起業しました。

起業してからは、何億何十億みたいなビジネスにまで、成長させるつもりはなくて、なんとなく再現性を持たせて、どこまでやれるかなというチャレンジのつもりでやったのですが、従業員が6、7人まで増えてきたタイミング、今の所属先であるキャスターからM&Aのオファーがかかりました。キャスターはもともと自分のクライアントで、キャスターの取締役の石倉さんというテレビとかにも出ている、ちょっと有名なおじさんがいるのですが、石倉さんから「渡さん、暇だったらキャスターの仕事手伝ってよ」と言われて、キャスターの新規事業立ち上げ、全社のマーケティング、事業開発みたいなことを、外部のアドバイザーみたいな感じで、手伝っていました。

その時に「渡さん、もはや会社ごと合流しないか」と相談をもらって、元々スタートアップ的な働き方が無理かもなあと思って辞めたものの、当時と今とで、労働環境、待遇面含めて状況が変わってきているし、あとは個人の手金で事業を立ち上げてやっていくことにも限界を感じていたので、「何があるかわからないから、とりあえずキャスターに合流します」と、約2年前に、会社の従業員とクライアントごと、まるっとキャスターに引っ越しました。

株式会社キャスターに事業譲渡し、執行役員に就任

今やっているのは、「bizhike(ビズハイク)」というキャスターの事業を1番メインで管掌しているのですが、これは元々僕が個人会社としてやっていたことを、そのままキャスターのいちサービスとしてリブランディングして提供しているものに
なります。

「bizhike(ビズハイク)」とは、営業マンと会う前の情報提供はとても大事だよね、昔は営業マンが頑張って説明していたけれど、今の時代は手段も多岐に渡っているし、情報を渡していくことも大事だよね、それを全部作るよ、ということをやっています。所謂ホワイトペーパー、オンラインセミナー、ウェビナー、事例、コンテ所謂のようなことを、上流の設計から、実際に広告を当ててマーケティングするところまで、まるっと担当者をアサインしてやりますよ、のようなことをサービスとして提供しています。

今後貢献していきたいこと:これまでの経験を東北大に提供できれば面白い。

今は、自分が売った事業以外にも、複数のキャスターの事業に管掌しています。今後、キャスターで僕が直接管掌している「CASTER BIZ」が半額以下で使える廉価版の「My Assistant」というサービスがあるのですが、マニュアルを作って内製化するところまで一緒に伴走するというものを、リパッケージして、大学アカデミア支援パッケージとして、東北大に提供できると面白いかもしれないですね(笑)。

「ワタリユウタ」で検索してください

家族は、娘と犬が加わって、今5人と1匹で暮らしています。他にも色々やっているのですが、自分の自己紹介のコンテンツをnotionのドキュメントにまとめていて、カタカナで調べてもらうと出てくるので、個人でポッドキャスト配信をしたりとか、サービス作りも自分でやったりしているので、面白い人だなと思ってもらえたら、ちらっと見てもらえると、すごく嬉しいです。ありがとうございました。

事務局より:渡さんは連続起業家として複数の事業立ち上げを行いながら2023年4月から東北大学版EIR(客員起業家)としてもご活躍中です。現在の渡さんの活動はぜひX(Twitter)やpodcast / notionをチェックしてください。

渡さんのX(Twitter)のリンクはコチラ

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