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ALUMNI STORY Retty株式会社 奥田 健太 (工学部卒) さん

東北大学の出身者や関係者でスタートアップ界隈で活躍されている方、そして官公庁や大手企業などにいるこれから東北大発のスタートアップに関わっていきたいと思われているOBOGの方々をご紹介する「東北大学スタートアップアルムナイ100人カイギ」このイベントで収録された東北大学OBOGの講演内容を「ALUMNI STORY」として記事化してお送り致します。
※東北大学スタートアップアルムナイの詳細ついてはコチラをご覧下さい。


大学入学前:サッカーに熱中していた

※こちらの収録は2022年6月に行われたものです
ご紹介に預かりました奥田と言います。2008年に東北大学の工学部を卒業しております。今ちょっと思い出しましたが、たしか40人くらいの学科だったんですけど、原子力工学科だったんです。あの当時40人中、学卒で就職したのがたった2人しかいなくて、後はほぼ全員院進学という時代でした。担当教授に三菱商事と伝えても、どこそれみたいな感じで(笑)、懐かしいお話なんですが、そういった感じで工学部を卒業しています。

大学入学前のところから、話をさかのぼると、私は地元が仙台で、生まれてから小学校、中学校と過ごし途中から、親の仕事の都合でドイツに行きました。
 その時、フォルトゥナ・デュッセルドルフってサッカーチームがあって、昔Jリーガーの宇佐美貴史とか、今は田中碧が所属しているチームなんですが、当時ブンデスリーガ一部のプロチームで、ドイツって結構育成年代のサッカーも非常に強いんですけど、たまたま受けに行ったら、セレクションに、なぜか受かってしまったんです。そこでやれる!ということになって、頑張っていたんですけど、この話にはオチがあって、1年でクビになったんですよ(笑)

ドイツの強豪サッカーチーム「フォルトゥナ・デュッセルドルフ」

このエピソードは以前東洋経済で、ウォンテッドリー創業者仲さんとの対談記事にしてもらったことがあったんですけど、セレクション受けて入ったんですが、1年経った13歳の時、来シーズンはもう来週から来なくていいからっていうふうに言われてしまいました。同じ年代が15人ぐらいいるんですけど、そのうちの出てない3,4人の人はクビになるんですよね。日本でももちろんそのユースとかジュニアユースになったりするんですけど、3年間の中学の単位とか、高校の単位で次に上がれないっていうことはあるんですが。かなり厳しかったんです。この時の大きな挫折は、人生の中で一番大きかったなというふうに思ってます。

その後は日本に戻ってきて、皆さんはご存知だと思いますがベガルタ仙台っていうチームに入れてもらい、中学校3年生から高校3年生まではここでプレーしていました。その時ちょうどワールドカップが日本であったので、覚えている方いらっしゃるかもしれないんですけど、仙台はあのイタリア代表のキャンプ地になっていたんです。イタリア代表の今でも有名なデルピエロとか、有名な選手がいっぱい来ていました。
その練習相手をベガルタ仙台のセカンドチームがやらせてもらえるみたいなことになって、当時ユースから何名かあげてもらえたんですが、私も出ることができて、今の仙台の泉中央にあるベガルタのスタジアムで2万人くらいいる観客の前で試合に出れたのが、今までの僕の人生の中の一番のハイライトというか、まあだいぶ早熟ですけど、そこが一番の極みだったなぁっていうふうに思っていたりします(笑)

ベガルタ仙台の本拠地「ユアテックスタジアム仙台」

大学入学前はほとんどもうサッカーが全てみたいな感じでした。サッカーのプロになれなかったら人生終わるなと思って、本当に何か他のことは一切やってなくて、一応勉強はしなきゃいけないっていうところである程度はしていたんですが、結局プロにはなれずにそのまま進学することになり、東北大学に入ることになりました。

大学入学後:パイロットの道も考えていた

大学生時代は、原子力系の学部に入ったんです。言いにくいことですが、たまたま在籍しただけというか(笑)、航空とかも面白そうだし、かっこいいし面白そうだみたいに思っていて、その航空関係の研究をやってる研究室が原子力のところにあったので、そこに入りたくて行くことにしたんですよね。実は来週もOBとしてその研究室のゼミでお話させていただくことになってるんです。自分が在籍した当時は「三菱商事何それ?」「文系就職する何それ?」みたいな感じで周りに言われてたんですけど、最近は工学部の学生でもいろんなことに興味を持っている人が多いらしく、研究室のゼミの先生から「ビジネスの話聞かせてくれ」みたいなことも聞かれるようになったので最近は時代が変わったなと思います。
 
そして、実は大学生の途中で航空大学校っていうところに「浮気」したことがあったんです。さきほど言ったとおり航空かっこいいな、パイロットになりたいなと。私めちゃくちゃミーハーなんで、なりたいと思ったら受けてみようみたいな感じでした。航空大学校って大学に2年間行くと、入学の資格が貰えるんですよね。エアラインのパイロットを養成する国立の大学校なんですが、そこに受かって18人いた同期とも仲良くなってもう行く気満々だったんですよ。

パイロットの専門養成機関「航空大学校」への入学も考えていた

そんな時期だったのに、ちょうど3年の就活の時期ともかぶってて、せっかくだから就活もしてみようって感じで就活してみたらや結構ビジネスとかもわりと面白いなっていうことにも気づいてしまったんです。皆さん、今までの話を聞いてお気づきのように、圧倒的にミーハーで圧倒的に飽き性なんですよね(笑)これ確実にパイロットとかになって同じ仕事を40年間し続けるのはどう考えても適性がないなという判断を就職活動をしてすることになり、ビジネスの道に進んだというような感じで、三菱商事という会社に入りました。

就職活動時:三菱商事からスタートアップの道を選んだ

一般的に商社に入ると「あの担当この商材」みたいなことを入社したら思ったりするんですが、僕はちょっとファイナンスがやりたくて、志望してファイナンスをしばらくやっていたんです。

三菱商事には5年間在籍

その後スタートアップに転じることになったんですが、私がスタートアップに興味を持ったきっかけは、これも他人の影響かみたいな話で恐縮なんですが(笑)、周りの友人にMIXIとか今は無くなってしまった会社でオリガミ(決済のスタートアップ)にいた人とすごい仲が良かったんです。友達がオリガミ立ち上げたり、わりと仲良かった友人が当時のMIXIの社長の朝倉さんだったりするわけなんで、そういうところに影響を受けてスタートアップは面白そうだなと素直に思ったんです。そこで仲さんが作っていたウォンテッドリーっていうサービスをまず見てみて、転職をするどうこうではなく、スタートアップが面白そうだけど、何も知らないからどっか話聞きに行きたいな、思って眺めていたら一番最初に出てきた会社で名前の知っている会社に「Retty」があったんです。本当に軽い気持ちで。代表の武田とランチに行ったというのが最初の接点でした。

2013年新富町にあったRetty社のオフィス

これが当時の東京の新富町にあったRettyのオフィスなんですけど、これはオフィスといっていいのか?っていう状況ではあったのですが(笑)、6人目の社員として、年収も半分ぐらいにしたりとか、一般的にはリスクをとったという形で、商社を辞めてRettyに入社したんです。そういえば今月末でこの会社で働いて丸10年になるんですよね。 自分でもちょっと信じられなくて、もう10年経ったのかっていう気がしています。前職の三菱商事が5年だったので、そこから6人目の社員として入って、10年経ったのは感慨深いですよね。

現在の仕事内容:上場そしてコロナを通じて経験できたこと

現時点のことですが、会社の業績がコロナの影響で少し悪くて、株主の皆様にご迷惑をおかけしていて(収録2020年6月当時)、お恥ずかしい限りではあるんですが、従業員も200名ぐらいの会社になりましたし、2020年には上場することもできました。  思えば昔からなんでも屋みたいな仕事をしていたんですが、今もかなり何でも屋みたい仕事をしてます(笑)全社の戦略策定とか、新規事業とか、あとはIR/PRなどを責任者として管掌しています。

Retty社の社員の皆さんと

この2年ぐらいかなりコロナで、飲食業界全体が傷んでいますし、弊社の事業自体も傷むことになったのですが、スタートアップの中でもこうすごく勢いがよくて、どんどん伸びている時の、成長局面だけじゃなくて、ある種のターンアラウンドに近いことも、まさに今しているので、そういったところを両方を経験できたっていうところは良かったと感じています。
負け知らずに成長するスタートアップでは味わえなかったところかと思いますし、私はあまり個人的に苦しいとか、辛いとかいう感情が欠落しているタイプの人間なので、こういうコロナ禍においても非常にまあ楽しくと言うと語弊がありますけど、充実感持ちながら仕事ができているなと感じています。 

今後貢献していきたいこと:東北大の後輩たちへ

ここまでが私が大学に入る前から大学、前職を経て、今どうなっているかっていうお話でした。母校の後輩たちに商社に入ったあとにスタートアップを選ぶ道があることを伝えておきたいなと思います。そして最近は東北のスタートアップにも貢献したいと思っていて、大したお金があるわけではないんですが、エンジェル投資もさせて頂いています。タミルさんという東北大発の「輝翠TECH」というアグリテックのスタートアップで、ロボティクスAIの会社があるんです。非常に面白そうと思って出資させて頂きました。

私は、新しいこともどんどんやって行きたいなと思っていますし、Rettyはフレキシブルな人事制度を採用しているので、カバン持ちしたいとか、こういうことをしたいっていう思う東北大の現役生の方がいらっしゃったらぜひご連絡頂きたいですね。いつでもお待ちしています。

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「東北大学スタートアップアルムナイ」コミュニティは、ハッカズーク社提供の「https://official-alumni.com/」を活用し、有志が運営しております。

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