ALUMNI STORY 合同会社パプカイヤ 増渕 大輔(情報科学研究科卒)さん
自己紹介:フリーのITコンサルタントとして、各種業界の革新的なサービス開発を支援
※こちらの収録は2023年5月に行われたものです
よろしくお願いします。増渕と申します。この中では一番年上ということで、1993年に東北大学に入学して、1999年に大学院を卒業してます。 今は、個人でITのコンサルティングをしています。スタートアップや、中小企業のお付き合いが多いです。事業を立ち上げる際に、VCありきではなく、融資や補助金も検討します。過去は、ものづくり補助金などをよく活用していました。また、デジタルだけでなく、アナログのヒューマンリソースも大事だと思っていまして、介護、医療、看護系など、人のケアが重要な領域で仕事をする機会は多いです。
個人の趣味では、料理、歴史、神社仏閣、ダイビング、などが好きです。
大学入学後:西関隆夫先生のもとで、システム情報科学を専攻する
東北大学での話です。当時、東北大学の名誉教授でもある西関隆夫先生がご健在だった頃に、グラフ理論とアルゴリズムの研究をしていました。理論系で、最短路問題や暗号などに取り組んでいました。
就職活動時:学生時代に地元仙台で人材系Webビジネスを開発運営→IBMへ
1999年から、日本IBMにWebエンジニアとして従事しました。その後2009年から日本マイクロソフトに合流して、13年ぐらいマイクロソフトにいました。スライドに書いてあるようなロゴの企業とお仕事をさせてもらいました。
キャリアを振り返ると、学生時代は研究室でWindows,Mac,BSD,SPARC/Solarisなどが混在した環境で過ごしました。アルバイトでは仙台の 「探職フォーラム」というサイトの開発運営をさせていただきました。その後、IBMに就職し、チケットぴあ様のオンラインチケット予約システムの構築でいろいろ勉強させていただき、Microsoftでは、オンラインゲーム案件や、スタートアップ支援を担当しました。
現在の仕事内容:IBMとMicrosoft にて従事後、フリーのITコンサルタントに
実は東京行ってから気付いたのですが、東北大はインターネットで日本の最先端だったなということを知りました。窓の杜の前身の「Akiuサーバー」があったり、インターネットの技術に関しては東北大が日本の中でもかなり進んでいて、学内サーバーとかをいじくっていたのはまあいい環境だったなと、東京に行ってからわかりました。
2000年前後、docomoやiモードなどがガンガン出てきた時代でした。色々なことが手探りで、お客さんと一緒に、ISPやDC事業者とサーバーホスティングの仕組みを作ったり、クアルコムチップで動く、BREWや、i-mode FeliCa サービスで公演会場のチケット認証をしたり、インターネット黎明期を体験させていただきました。
グラフのとおり、トラフィックも倍倍で成長していったことを覚えています。
当時あまりウェブサーバーやロードバランサーなど大したものがなかったので、チケットぴあをインターネット化する時に、手組みでロードバランサーみたいなものを作っていたりしました。
クラウドが世の中に浸透してきたときは、AWSとかセールスフォースの、後追いでマイクロソフトがWindows Azure (現Microsoft Azure )というものを始めるというので、そこに乗っからせていただき、Microsoft Azure の日本でのセールス組織のスターティングメンバーに参画させていただきました。
それまではチケットぴあでBtoCをやっていたので、エンタープライズのビジネスが文化的に馴染まなくて、1年経たないぐらいで、自分の領域をオンラインゲーム業界とスタートアップ業界に絞ることにしました。スタートアップのエバンジェリストをさせていただいたり、ゲーム業界に入らせていただいたきっかけは、IBM時代で、チケットぴあ様を経験させていただいたからだなと思ってます。
スタートアップに対してマイクロソフトの技術を広める仕事をしていたのですが、スタートアップは、GoogleやAWSが強い領域なので、なるべく自社のコミュニティではなく、社外のオープンなコミュニティに行くようにしました。ハッカソンを手伝ったり、それこそ、平日の夜や土日のイベントにもなるべく顔を出しました。
初めはどこにいっていいかわからなかったので、技術系コミュニティ、ビジネス系コミュニティ、スタートアップっぽいコミュニティとかっていうのは全部参加します。僕がやっていたエバンジェリストというのは、セールス活動に行く前の前の前の段階の、マイクロソフトに気づいていないような人たちに、マイクロソフトも選択肢になるんだなという気づきを与えるところから、ファンを作るところまでで、売り上げは関係ないところを担当していました。
スタートアップシーンはAWSとかグーグルがものすごく強くて、マイクロソフトは昔のイメージで言うと、IBMとかオラクル側なので、いらないんじゃないかというような扱いを受けていたんです。逆にチャレンジが多く、ノビシロしかない仕事でしたので、社内で働くときは色々自由が効きました。
振り返って思うのですが、大企業での売れ筋商品(Microsoftの中では、AzureやOffice 365)を担当するよりも、ニッチ商品(Microsoftの中では、スタートアップやXbox)は、予算が少ないというデメリットはあるものの、小規模チームで自由度があります。
僕は、マイクロソフトの中でもずっとニッチな分野ばかり担当していたのですが、小さなチームで色々なことをインキュベーションとして行うのは楽しかったですね。米国本社からみても、目立ちますし、声も通ります。社内の政治からも解放されて、会社の外のお客さんやパートナーにしっかり時間を費やすことができてとても面白かったです。 大企業のサラリーマンをしながら、スタートアップ的な経験ができるのはお得だなって思ってました。退社した今でも、やっぱり個人でもつながりを継続してほしいというような、ありがたいお声がけをいただいたりもして、そういう機会があって、いろいろできたと思っています。
色々とやっていたという意味で、象徴的なものをご紹介すると、エンジニア・起業家養成スクール「G’s ACADEMY」は、10年ぐらいプログラミングスクールのメンターをやっているのですが、これがすごく良くて、スタートアップっぽい人が学びに来るプログラミングスクールなので、卒業生が20人か30人に1人、起業をしてサバイブするので、そうなると、卒業して2,3年ぐらい経つと「増渕さん、なにか一緒にやりましょう」と言ってくれることがあって、僕の中ではほぼボランティアでメンターをやっているのですが、良いつながりができるということで、結構重宝しています。
プロボノでいうと、昨年まで、「ノビシロハウス亀井野」という、アパート(住居)+コミュニティスペース+地域医療の拠点が一つになったユニークなごちゃまぜアパートで、1階には高齢者、2階には若者が住んで、若者は高齢者の見守りを条件に家賃が半額になるというものも手伝っていました。
そこにCTOでIoT担当として入っていました。「ノビシロハウス亀井野」は、テレビとかに色々取り上げていただいたり、今後期待できるサービスです。
今後貢献していきたいこと:自分で仕事を選択して、スペシャリスト領域を増やしていきたい
僕はスタートアップを意識してやっているよりかは、結構パラレルでやっていて、なんとなく意識しているのは、スタートアップであってもそうじゃなくても、サラリーマンをやりながら社畜の道ではなくて、割と自分で仕事を選択したり、副業をしたり、そういうことをやっていって、スペシャリスト領域を増やしていこうと思っています。スタートアップのど真ん中という意識は全然ないのです。今はたまたま独立してますが、サラリーマンか経営か、あまりこだわりなく楽しくお仕事していこうと思ってます。
僕のお話は、以上になります。 ありがとうございました。
[東北大学スタートアップアルムナイ-コミュニティについて]
「東北大学スタートアップアルムナイ」コミュニティは、ハッカズーク社提供の「https://official-alumni.com/」を活用し、有志が運営しております。
現在本コミュニティへの登録は、招待/承認制とさせていただいております。東北大OBOG(および関係者)であったかなどの在籍確認や、本コミュニティへの貢献意思、スタートアップ業界でのご活躍状況などを登録の際に確認させて頂いております。その為、ご登録までにお時間がかかる場合がございますので、その旨あらかじめご了承ください。
https://app.official-alumni.com/register/tohoku-u
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