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【理系大学院生海外へ行く】④大学4年

東北大工学部を最大限生かした!であろうとんぺー生 (東北大生)としての6年間を振り返るシリーズ第4回です。

こんにちは!工学部学生ナビゲーターとして活動している、田中です。これまでナビゲーター投稿にて東北大学での国際的活動や留学について紹介してきました。この数回は、なぜそのような選択をしてきたのかについて東北大学の各種プログラム等を紹介しながらお話しています。(カバー: デンマーク、コペンハーゲン)

高校生 - 大学1年夏
大学1年秋 - 大学2年
大学3年
④ 大学4年←今回
のころの行ったこと・考えたことについて、少しお話できればと思います。進路・キャリア選択や目標設定の参考になれば幸いです。

[春] コロナ禍と留学準備 - できることを全力でやる

国際戦略講座を通して"工学部の学生こそビジネスも学ぶべきだ"と感じ、その後参加したUCB研修では、工学部出身の学生たちがビジネスを作っていた、市場との距離が近かったことに衝撃を受けました (前回note参照)。研究者に対して技術デザインやビジネスを実践的に教えるような学科は身の回りで見つからなかったため、このテーマで留学しようと決めました。それまでは漠然と留学したいなあと留学することが目的だったのに対し、学部3年間での経験から、留学することを手段として捉えることができるようになりました。そして4年生で研究室配属されるときには、「修士で絶対に留学をする」と宣言して留学準備を始めました。私は研究室配属された段階から留学希望であることを明言していたため、研究や就活と両立した留学準備・留学ができたと思います。
私が大学4年生だったのは2020年、まさに新型コロナウイルスの流行が始まりすべての活動が停止された時でした。ステイホーム期間を利用して、学科の卒業研修準備、学会へ向けた研究への勉強、院試勉強、留学志望校リサーチを並行してどんどん進めました。与えられた環境でできることを尽くすのは本当に大切です!

理系院生で留学に行ために一番大事な要素の一つが「留学を応援してくれる研究室を選ぶこと」です。私は学科のすべての研究室に行って「留学に行くことは可能か」「どのくらいの期間行くことが可能か」「留学内容への縛りはあるか」「直近で留学に行った先輩はいるか」を聞きました。
留学に行けるかどうかはその研究室次第、さらに年度の体制次第です。この調査は入念におこないましょう!また学部生の段階で留学する場合も同様に、教務課に単位互換など詳しく聞く必要があります。学科により留学できるセメスターが変わってきますので注意です。つまり、さらに逆算すると、学部○年生のうちに○○留学がしたい!と決まっている場合は、入学する (=受験する) 学科を決める際にカリキュラムについてもよく調べておく必要がありますね。

第1回Be a Global Leader!

[夏] 学内初のオンラインオープンキャンパスを企画 - あらゆる人脈を生かす

2020年から新たに始めた活動の一つに、TGLCA (東北大学グローバルリーダー育成プログラムコミュニティアンバサダー) があります。大学3年時にグローバルリーダー認定を受けた際、懇親会で「グローバルリーダー認定を受けた後の活動が欲しいよね」と話したことが一つのきっかけで立ち上がりました。コロナ禍で本アンバサダーの立ち上げに携わらせていただいたことも、オンライン業務や、コミュニティ内外の人を大きく巻き込んでイベントを企画することの良い経験となりました。
例えば、コロナ禍で大学のオープンキャンパスが中止されたため、各学部に先立ってオンラインオープンキャンパスとしてTGLプログラムの説明会を企画・実行しました。それまでの人脈を最大限生かして実現した説明会は、およそ200名がライブ参加する大規模なイベントとなりました。3年前のものですが、今でもメッセージは変わらないので、ぜひ今の高校生にも視聴してもらえればうれしいです。当時の振り返りはこちら。次年度もぜひということでアップデート版を開催しています。(本年度はついに対面開催するそうです)
この経験を通し、イベント対象の高校生だけでなく、登壇してくださった皆さん、そして自分自身にたいしてコロナ禍・コロナ後の新たな国際交流の可能性を示しました。場所を選ばず気軽に参加できるというオンラインの長所が生かされ、幅広い方々に参加していただけました。そして企画を通して「海外に行けないからグローバル化は止まってしまう」のではなく、「海外に行けない今だからこそできる国際交流をしよう」という発想の転換を、学内外へ発信することが出来ました。またオンラインベースの今だからこそ、これまで築いた人との繋がりはより大きな力を発揮すると学んだのです。多くの方々の協力があり、(実は大学院入試1週間前だったのですが)企画を成功させることが出来ました。こうした新たな試みを企画し実行する行動力と責任感、また人脈を築く力は留学先でも様々な場面で生かすことができると自信がつきました。

第2回Be a Global Leader! 今年ついに対面開催されるそうです。

[秋] 学内選考、協定校への出願 - 動機は突き詰める

交換留学の出願は渡航の1年前です。私は当初2021年秋からの留学を予定していたので、2020年秋に出願しました。コロナ禍で完全に先が見えない状況でしたが、まず出さないことには始まらないので、出願してみることにしました。出願先は、グローバルラーニングセンターや工学部インターナショナルオフィスのメンタリング、GCSのメンタリング、実際に留学に行った先輩方のお話、提携校のカリキュラム吟味、により総合的に決めました。これだけのサポート体制があるのはすごいです。

トビタテ2次選考より

私は、
①学びたいこと (=技術×デザイン) を専門として学べる修士クラスがある
②英語で大学生活および日常生活ができる
を重視して、デンマーク工科大学 を第一志望としました。
留学は全学(大学同士)での協定校と部局間(学部同士)協定校があるのですが、デンマークは部局、つまり工学部のみが枠を持っている提携校でした。工学部の部局間協定留学は
・協定校が多いので選択肢が広くなること
・出願数が全学に比べて少ないので倍率が低く、かつメンタリングが潤沢であること
がメリットです。(もっとも、私が出願した2020年は出願数が全学でもほとんどいませんでしたが。)

まずは学内選考があります。志望書類や英語点数、インタビューがあります。それを通ると、出願校への申請です。出願校によりますが、私は志望書類や成績一式、推薦書などを提出しました。倍率にもよりますが、なぜ留学したいのか、どんな授業を取りたいのか、また英語要件を満たしていれば問題なく通ると思います。英語要件は早めに満たしておくこと、志望動機はじっくり突き詰めておくことが大事だと思います。

要素の掛け合わせでつくる希少性 (トビタテ一次出願書類より)

[冬] トビタテ!留学JAPAN出願 - 点を繋ぐ

出願先も無事に合格し、トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムという奨学金プログラムへ出願することにしました。本プログラムは当初私が留学する2021年には終了している予定でしたが、コロナ禍で2020年の派遣が中止されたこともあり、たまたま募集がかかりました。トビタテの特徴は、ただの交換留学などではなく自分で実践活動も含めた留学計画を提出し、その計画に対して奨学金が支給されるということです。トビタテは日本の様々なプログラムの中でも特に個の尖りが強く、矢印が外に向いた人たちの集まりです。トビタテの情報はたくさん出ていますし、説明会も日本中で開催されています。

トビタテのプレゼンより抜粋

留学計画を立てるにあたり、その時その時の目の前の興味を持ったことに取り組んできた中で、そこから得た学びや内面の変化を振り返っていくと、自然と点が繋がりました。それらをうまく構造化して、今わたしが現地に行く意義と絡めて計画を立てます。私は1週間くらいかけてじっくり書きました。普段文章などを作るときは1日足らずで書くことが多かったので、これほど何度も内容を咀嚼して、文書を推敲したものは少なかったです。提出前には、トビタテの先輩やGLCの先生、友人など様々な人に読んでいただいて、内容が伝わるかどうか添削してもらいました。留学計画が気になった方、東北大はもちろん様々なトビタテ生の留学計画や留学の様子が、留学大図鑑として掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください(私はこれ)。

並行してUCBのオンラインプログラムなども受けていました。

長くなりましたが、大学4年時に行ったことを留学準備に焦点を当ててお話ししました。その時その時にできることを全力でやることが大切だと思います。2020年は対面活動はほとんどすべて制限されましたが、大学内でも様々なオンライン学習の機会はありましたし、自分で作ることも歓迎される環境でした。
ここまで留学準備に関してはコロナ禍の影響をそれほど受けなかったのですが、次年度以降大きく振り回されることとなります。続きはいずれまた!

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