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【理系大学院生海外へ行く③】大学3年

東北大工学部を最大限生かした!であろうとんぺー生 (東北大生)としての6年間を振り返るシリーズ第3回です。

こんにちは!工学部学生ナビゲーターとして活動している、田中律羽です。これまでナビゲーター投稿にて東北大学での国際的活動や留学について紹介してきました。この数回は、なぜそのような選択をしてきたのかについて東北大学の各種プログラム等を紹介しながらお話しています。
(カバー: カリフォルニア大学バークレー校)

時系列に沿って
高校生 - 大学1年夏
大学1年秋 - 大学2年
③ 大学3年 ←今回
④ 大学4年 ~
のころの行ったこと・考えたことについて、少しお話できればと思います。最初にざっくりと、概要を載せておきます。

留学志望時に応募書類の一つとして作成したものから引用。

[大学3年] 進路の方向性や自分が取り組みたい課題に気づき始める

大学3年生は間違いなく今の進路選択に至る大きな分岐点でした。

国際戦略講座へ再挑戦 - 興味と強みの重なる点を発見

大学3年生になりました。3年生になると、就職活動のプレイベントとして、夏頃に企業へのインターンシップに行くのが一般的です。私も、興味をもって合同説明会にいって企業の方とお話をしたり、先輩にメンター的に相談に乗ってもらったりしていました。化学・バイオ工学科だったのでまずは化学メーカーや食品メーカーの研究職、総合職、そしてコンサルや総合商社などをなんとなく見てみました。が、知識も特になければ自分のことも社会のこともよくわかっていなかったので特にピンとくるものはなく、さあ今年は何をしようかと思ったとき、国際戦略講座に再挑戦することにしました。その年のテーマは
"企業の世界戦略を考える!「ソフトバンクがアマゾンを事業規模で追い越すための提案をしてください」"
面白そうだということで、あの難しい講座を今度は”先輩"として受講することにしたわけですが、ここで問題が。

後輩がとんでもなく優秀だった - からこそ本気になれた?!

財務諸表(企業の財務状態を示す書類)のことも、社会のことも自分と比べ物にならないくらいわかっているし、プレゼンもうまいし、英語もうまい、これは負けたと思いました (勝負があるわけではないのですが)。
この講座の良いところは同じレベル感で学年・学科が違う学生と縦割りでチームを組めることです。学年関係なく彼らと本気で議論できたこと、財務諸表や新規事業の立て方のプレームを再度学びなおし、それぞれの知識と得意を掛け合わせることはとても楽しかったです。12月の最終発表前の1か月ほどは、24時の閉館時間を過ぎるまでみんなで図書館にこもってビジネスアイデアを練ったり、アルバイト後に (当時は24時間開いていた) 某ハンバーガーチェーンと、ファミレスのドリンクバーとカラオケ屋をはしごしながら徹夜で議論をして、そのまま某チェーン店でカツどんを食べながら学科の実験レポートを書いて登校したりする生活でした(笑)  おそらくもっとも学生らしくひたすら学び、議論した時間でした。今の高校生や大学生はオンラインなのでしょうか。あまりに楽しかったので、同テーマを翌年も受講して同じチームメイトとさらに突き詰めました(笑)

思い出のスライド。実はここで提案した内容が、発表の数日後本当に企業から発表されたのです。

本気で学び議論することは楽しい!

この講座も、ただ受動的に受講しているだけ、参加しているだけではここまでの楽しさを知ることはなかったと思います。講義や課題の内容の2歩3歩踏み込んだところ、自分たちで疑問に思い開拓していったところに面白さがあります。これは本講座に限ったことではなく、研究でも同様でしたし、学生生活すべてを通して感じています。

ちなみに、当時のチームメイトや同期・後輩たちは今でもよく連絡を取ります。今年はみなヨーロッパ各地に留学中でしたので、集まって国際戦略講座欧州支部を勝手に開いていましたよ (笑)

憧れの、カリフォルニア大学バークレー校へ - 技術×デザインの必要性を知る

UCBのシンボルともいえる図書館と時計台

国際戦略講座の合宿中、先生に「バークレーに行きたい」と雑談交じりに話したことがありました。 (それも会食中に。先生方との距離がとても近かったことは、東北大に入ってよかったことNO.1かもしれません。)  そしてそれはその数か月後になんと実現してしまいました。3年生のおわりの春休みには、カリフォルニア大学バークレー校およびシリコンバレー研修に参加させていただきました。

そもそも、カリフォルニア大学バークレー校 (UCB) とは ? 

アメリカのカリフォルニア州バークレー市 (サンフランシスコの隣) にある世界屈指の名門大学です。近くにはシリコンバレーやスタンフォード大学もあります。詳細は調べてみてくださいね。とにかく、コネクションがあるだけでもすごい!大学なのです。本研修ではUCBの中のビジネススクールに行きました。

研修参加のきっかけ

本研修の流れや詳細については動画を作成したのでぜひご覧ください。
国際戦略講座の中でUCBから教授が来日されてデザインシンキングのワークショップを開いてくださいました。そして午後と翌日のアイディアソン・ピッチで優秀者にはUCBでの研修に参加する権利があるというのです!
以前からUCBに興味があった私は、絶好の機会だと思い参加しました。

デザインとエンジニアリングの関係性を知る

UCB研修では、事前学習と合わせてザインシンキングという手法 (ぜひ調べてみてください) を2日間で学び、そして実践まで取り組むワークショップへ参加しました。さらに現地学生の通常講義を聴講したり、キャンパスツアーに参加したりしました。国際戦略講座では "工学部の学生こそビジネスを学ぶべきだ” といわれ数年間新規事業立案に取り組んできました。しかしUCB研修で訪れた世界では、理工系学部出身の学生たちが"本当に"ビジネスを作っていました。それぞれが学部や修士での専攻である化学や建築や情報などの分野を用いて、研究開発とビジネス双方から課題解決に取り組んでいました。特に、学生と市場との距離が近かったことに衝撃を受けました。顧客の本当の課題や求めている物を見つけるために、何度も何度も街へ出てインタビューをしながら試行錯誤していくアプローチは、日本では経験したことがありませんでした。

キャンパス中を走っていたフードデリバリーロボット。今でこそフードデリバリ―そのものは一般的になりましたが、当時はコロナ前。たいそう珍しい(そして可愛い) ロボットだなあと思いました。

日本は技術大国と呼ばれてきましたが、この30年を振り返ってみるとその技術開発は線形でしかなく、いわゆるイノベーション(特に「破壊的イノベーション」といわれる、全く新しい革新)といわれるようなものは起こりませんでした。技術者・研究者がもっと顧客視点を取り入れたり、他分野のことも知ったりしたうえで研究できれば日本の強みをより生かせるのではないかと強く思うきっかけになった研修でした。

顧客視点と技術開発を両輪で回していくことの重要性

これが、国際戦略講座やUCB研修を通して様々な方面から理解したことの一つでした。そしてせっかく自分はどちらもかじる機会が与えられていたので、どちらも磨き、つなげられる人になりたいと思ったのです。
このころ、新型コロナウイルスという単語が中国・日本から聞こえてきました。大学4年生以降については、また次回以降執筆させていただきます。

現地の教授からいただいた修了証と共に

④以降へつづく

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