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総理大臣杯に向けて 3年 草住晃之介

あなたは「14年ぶり」という言葉でどんなことを想像するだろうか。

14年とは実に長い時間である。14年前というと、私は小学校に入学したばかり。まだサッカーと出会ってもいない。学芸の蹴球部は、当時まだ関東1部に在籍していたが、その後1部と2部を行き来し、一昨年には東京都1部への降格も経験した。何も知らない人から見れば、たまたま出場できたと思うだろう。

この大学には、専用のグラウンドやトレーニングルームなど充実した設備はない。練習も限られた時間で行われる。一般入学の人も多く在籍し、高校時代に無名だった選手がほとんどだ。間違いなく単純な戦力の計算では他校に勝ることはできない。

では、なぜこのような大学が全国への切符を手にできたのだろうか。今年が強いだけ、運良く勝ち上がれた、など見方によって何とでも答えられる曖昧な問いである。

しかし、私はその問いに「部としての積み重ね」があるからだと自信を持って答えたい。


サッカーを通じて沢山の人に出会い支えられてきたことで今の私が作られてきた。同じように、この蹴球部も14年もの間、様々な人が在籍していく中で行動や思いが積み重ねられてきた。チームの戦力が強化されるという単純な成長ではない。直向きさや謙虚さ、誰かの為に必死になれる姿、より良いチームを作ろうとする姿、これらをこの大学に入ってから幾度も見てきた。先輩や同期に限らず、時に後輩からもだ。部員ならそんなシーンが数多く思い返されるだろう。これこそが私の考える「部としての積み重ね」であり、他の大学に勝ることのできた私たちの強みだと思っている。

真面目に取り組めばいいとか、これをしていればで勝てるとかではない。強豪の大学であれば、全国大会への切符を掴み取ることは簡単なのかもしれない。しかし、大学サッカーは単にサッカーをしていれば良いのではない。サッカーへの取り組みをベースとした上で、目の前の仕事や様々な活動に向かう姿勢は、組織としてのまとまりや人としての価値を生む。これこそが大学でサッカーをやる意味である。

この蹴球部の今まで全てが良い取り組みだなんてことはない。良いも悪いも少しずつ重ねて土台となり、今の段階へと進んできた。それが14年ぶりに全国大会という舞台へと導いてくれたのではないだろうか。


これから開幕する総理大臣杯。自分たちに出来るのはその積み重ねを自信を持ってピッチでも表現し、1歩1歩頂上を目指し進んでいくことだ。

#紫志尊々 #jufa  #大学サッカー #総理大臣杯

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