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実家の部屋

仕事を辞めてからちょくちょく地元に帰っていて
実家の自分の部屋の片付けをしている。
今日もこれから実家に向かっている。
電車の中で書いている。


粗大ゴミ


実家の部屋は私が19の時に出て以来戻っておらず、私の子供時代、中学時代、高校時代、大学時代の荷物、そのうえに一時期姉が物置のように使っていた姉の荷物、私が都内で引越しするときに多すぎる荷物を実家に送ったものがそのまま置いてあったりして奥に進めば進むほど時が遡るように物が山積みになっている。
さらにコロナ禍で2年弱人が立ち入っていなかったので、埃っぽいとも湿気の匂いともわからない廃墟のような空気が流れていて、最初はとてもどこから手をつけていいのかわからなかった。
この前とりあえず大きな家具を捨てることにして、机、椅子、ベッドを粗大ゴミに出した。処理代は2000円だった。とても安い。

片付けるにもスペースは必要で、ベッド分の空いたスペースでとにかく前にあるものから荷物の仕分け(ほとんどが燃えるゴミが燃えないゴミになる)をし、つい2年前くらいの自分が送った荷物を片付けて姉の荷物を処分してやっと過去の自分の荷物が出てきたところだった。

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無名の人



実家の自分の部屋にいると、まるで昔のままでここ最近5年くらいの記憶が幻のように思える。
23歳くらいのままの趣味で新しいものはなにもない部屋。
1番好きだった時のでんぱ組のCDや、高校生の時好きだった松本大洋や、中学の教科書、小学生の時好きだった種村有菜、幼稚園の登園バッグまである。
大学時代の作品がどうすることも出来ず山になっていて、学生時代の恋人の作品までどっちゃり積んであった。上手な油絵。これはこのまま私が持っていて良いのか?連絡を取る手段がないけど。

捨てることなんてずっと出来そうにない無名の若い人の上手な油絵と無名の若い自分の勢いだけの版画、自分のことはあまり客観的には見れないけれど
若い頃の恋人の絵を見て、
あのころはみんなが何者かになりたがってなにかになるために闇雲に必死になにかを毎日作っていた。
何者かになるということが「有名になる」という他人からの評価を得ることとは本当はほとんど関係がないことを今は知っているけど、
それを知らなかったころの絵画にしか無い美しさがあるような気がしてしまうな。

昔作品を展示したとき、知り合いの奥さんが酔っ払って1万円くれたことがあって、根っから乞食体質なのでありがたく頂いたのだけど、その1万円もきっと若さに払われたのではないだろうか?
なにもわかってないけど勢いだけで人前に出てくることについて応援してくれたのかもしれない。
実際彼女がなにに1万円払ってくれたのかはわからない。
私は本当に嬉しくて、貧乏だからすぐ使ったけど気持ちの中ではお守りのようにずっとその1万円を持っている。

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ルワンダに行った



すごく唐突なんだけど、23歳のときアフリカのルワンダに行ったことがある。
実際に唐突に訪れたので部屋の中でもルワンダ土産は浮いている。
今住んでる家にはルワンダで買ったものはひとつも無いのでルワンダに行ったこともほとんど思い出さないし無かったことのようになっているのに、実家の部屋にいるとつい2年前くらいにルワンダ行ったみたいな気分になるよ。

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実家の部屋って怖いな。

世間で断捨離が流行ってから、単純に貧しい人が少しでも快適に暮らすためにミニマリストっていうのがぴったりくるという理解の元、私も意識的にものを捨てるようにしてる。
今はカチューシャとかを作る材料とか撮影に使えそうなものとかが捨てられなくてものが多くなってはいるけど、これなんだっけ?みたいなものはほとんど持ってない。
使わないものはなるべく捨てるようにしてる。
普通に暮らしやすい。
本だけは基本捨てずに置いてある。情報量に対して面積が小さいからコスパがいい気がする。

対して実家の部屋は、際限なく物があって全てに記憶が染み付いていて実家にいるだけで人格が変わってしまいそうだよね。

ルワンダに行った時、そんな特別な気持ちで行ったわけじゃなかったけど、振り返ると特殊な時間だったんだろう。そんなに思い出さないけど忘れることはないので、行ってよかったと思う。 
母が航空券を買ってくれたから行けたので、今日お母さんに改めてお礼する(T_T)

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旅行が好き



コロナが終わったら遠くに旅行に行きたいなあ。

コロナは終わることがないのかもだし 
もしかしたら海外旅行ってオワコン?

高校生の時、『世界一周しちゃえば?』という帯の本がブームになってて、世界一周=自分探しの旅みたいな価値観があった。
大学生になったらバッグパッカーする人とかインド行く人とかいて、Facebookでなんか書いたりしてた。
私もその影響を受けて海外にすごく憧れがあって、世界一周したい!みたいな感じだったんだけど、なんとなく均されていったというか...。
その後にSNSがめちゃくちゃ普及して、アバターやキャラクターを演じる価値観が普通になって(それ以前は自分を統一しないと裏表があるとかぶりっ子とかの評価だったような)「たったひとつの自分」探しがオワコン化してから、なんとなく世界一周への憧れも無くなっていった。
でも旅行は好き!

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WORLD JOURNEY

みみみ



まだ電車に乗ってる。遠い。

実家の部屋を片付ける前にたくさん写真撮ろうかな。カメラ持ってくればよかったなぁ。ぐちゃぐちゃの部屋って好きなんだよね。
『tokyostyle』という写真集と『堕落部屋』という写真集が実家の部屋に置いてある。
どっちも好きな本。

TOKYO STYLE (ちくま文庫)



note投げ銭してくださいにしちゃお。ルワンダの写真と自分の写真少し載せるね。
実家に帰るのに1500円くらい交通費かかるから頼む!


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