ワーホリ・ジョブハンティング⑦ ついに仕事始めます。
彼が経営している携帯電話ショップは、リゾート街にあります。そのエリアにももちろん履歴書は配っていましたが、たまたま通らなかったアベニューにあったので気付きませんでした。 テニスの翌日にお店を見に来るように言われたので、緊張しながらも訪れました。
携帯電話、主にスマートフォンの販売・買い取り・修理を営んでいるこのお店では、彼以外に韓国人とチリ人のスタッフが働いていました。とても優しく迎えてくれて、いかにも仕事が出来そうな印象を受けました。そして、何より「英語が上手い!」と感じました。 お店は忙しそうで、いつもはフレンドリーで陽気な社長が、キビキビ働いていました。 何もかもが英語でお店を飛び交います。
「うわー、俺無理かも。。」
自分の英語の「瞬発力」では、この職場についていける自信がありませんでした。 チリ人と韓国人の彼らも英語でバリバリ接客し、電話し、互いにコミュニケーションを取って仕事をしています。情けないのですが、その時は食器屋で頑張って週3日英語環境で働くのが、自分に合ってるのではないか思ってしまいました。
待遇はというと、時給10$、当時は900円くらいですかね。オーストラリアではあり得ない位の薄給です。しかし、自分のスキルアップと成長次第で給料は上げていくと言われました。勤務体系は、フルタイムで月曜から金曜まで、朝9時から17時まで働いて良いそうです。
彼はとても積極的に僕を誘ってくれていました。正直どうしてここまで熱心に口説いてくれていたのかは今でも分かりません。奥さんが日本人なので、少なくとも日本人への印象は良いのかもしれません。
ちなみに彼は、すぐ日本人の女性を見つけると変な日本語で話しかけます。簡単に言うと、とても積極的でチャラい人です。いきなり日本語で話しかけてくる外国人は危ない、というのが海外渡航では常識ですが、まさにこれに当てはまる人ですね。まぁ、この時僕が見えていたのは、彼のほんの一部分でしたが。。。
ボスからは、ここで働けとしつこく詰められました。「なぜここで働かないのか?」「理由はなんだ?」「ここで働いた方がよい」
とにかく考えさせてほしいと告げて、僕はお店を出ました。
食器屋は時給15$なので、どこか他のバイトと掛け持ちをすればそれなりにお金は稼げそうだな。。。
携帯屋はお金は厳しいけど、圧倒的に英語を鍛えられる環境がありそうだし。。。
こんな具合に僕は迷っているフリをしていましたが、心の奥底では既に答えは出ていました。
僕は「英語を話せるようになるために」オーストラリアにやってきました。この目標に向けて、事前に猛勉強し、しょうもない日本人との交流は避け、約1か月履歴書を配り歩いてきました。
お金なんて節約すればいい! 勇気を出して、「目標」に向けて飛び込もう!
携帯電話ショップでの勤務を決意しました。
そして同時に、約1か月に渡る仕事探しがここで終わりを迎えました。