星々ワークショップ 第4回合評会
星々ワークショップの合評会に参加した。課題にそった短編を書いて、参加者どうしで評価。作家のほしおさなえ先生と、編集の森潤也先生による評価、その後は雑談というイベント。午後いっぱい使う。
書いたもの
今回は (1) 理系お仕事にしない、(2) 自分の属性とかけ離れた主人公を設定する、と決めて、書いた。
前回のワークショップで、ほしお先生に「合作してみたら?」と助言された。でもワークショップでは匿名で提出・評価するので、参加者どうしで合作しにくい。SFのひとたちは忙しそうだし。
そこて他の人だったらどんな人物設定にするかなーと考えてみた。may さんやナヲコさんに人物設定してもらったらどうなるだろうと勝手に妄想して、おばあさんにした。
同じころ、知り合いの26歳の、ふつうにモテそうな感じの女性から「マッチングアプリで彼氏ができたんだけど、前回も今回もなんかだめんずでして」みたいな話を聞いたのを参考にした。
ミスリードは、既存のミステリーから拝借。
結果
賞はもらえず。でも、前回よりは評価されたような気がする。森先生からも、面白いと言われた。
設定というか、人物の行動原理と履歴に甘いところがあって、ほしおせんせいに指摘された。はい、そこは甘かったです。あと、ネタバラシっぽいシチュエーションで、もうちょい分かりやすくしてみては、とも。そのあたりは今後の課題。
ミスリードはとても狙ったところだったので、面白いと言われて、とても嬉しかった。
合評で言及しきれなかったこと
作品が公開されてないので、アレなんですが、言及できなかったことをば。批評とかできないので、あてにされると困るんですが、書きます。失礼があったらすんません。
ちる「アリスモドキの悪夢の国 」 - 妄想する人物と、それを助ける人物、という主題は、面白いと感じた。主人公が困難を克服するのもいい。いい表現がある。
ゴメズ「ある人魚の死」- いい表現がある。語り部による世界設定の説明がやや過ぎるかも。
イケウチ「かげろうの向こう」 - 時間をいったりきたりしても、情報の開示が順序だってていい。何が起こっているか分かりやすい。孤独な男性のよろどころという発想もいい。
ちょっぴぃ「そろばん侍」 - そろばんを弾く侍、という設定の意外性でもっていく。
横井けい「ピルグリム」 - 幻想的な世界設定が、ていねいに描写できている。自己発見のロードストーリー。
may「再開日和」- 同級生、生徒、母親がからまる発想。同窓会の挿入で、物語の進行経路が厚くなる。
ナヲコ「出会ってないだけ」- 出会ってるけど出会ってない、という設定がよいし活きてる。話の流れも、情報を出す量・順番も絶妙。
岡本「真昼の夜空」- キャリアウーマンである客の夫、と不倫、という意外性。情報の出し方もいい。役割語がちょっときになる。
大場さやか「天国か地獄」 - 時系列で定点観測するからこその、緩やかな変化が分かりやすい。人物の呼び方がシンプルで、でも区別つきやすい。
キイチ「廃校にて」 - いろいろなことが起こる。写真部の先輩たち、ちょっと必然性が弱いかも。
星蔦「白い涙が零れる前に」- 不思議な世界設定が、だんだん明らかになる情報を出す構成はいい。視点人物の切り替えが、ちょっとついて行きにくいかも。
海山みどり「僕のまだ書いていない〜」 - 発想の意外性と主題の妥当性がいい。説明が冗長にすぎるところがあったかも。
まとめ
主人公の属性を、自分以外にしたのは、難しくて失敗した部分もあるけれど、うまくいったと思う。ミスリード系は、最後まで読んでもらわないと、面白くないという問題がある。だから、最初にひきつけられるようにしないと。