成城さんぽ 猪股庭園〜とんかつ椿
成城5丁目「猪股庭園」は、既に紹介した「旧山田家住宅」から徒歩5分の距離にあります。小田急線成城学園駅からも徒歩5分ぐらいです。
無料で、文化的価値の高い邸宅と美しい日本庭園を楽しむことができます。私は苔むす庭が大好きです。
猪股庭園の主屋は、建築家・吉田五十八氏の設計によるもので、武家屋敷風の趣がある数寄屋造りの建物です。昭和42年(1967年)、(財)労務行政研究所の理事長を務めた、故・猪股猛氏ご夫妻の邸宅として建てられました。
その後、猛氏の長男・靖氏が「貴重な文化財として、末永く残したい」との意向があり、旧猪股邸を平成10年(1998年)に世田谷区に寄贈。「一般財団法人 世田谷トラストまちづくり」が管理・保全公開業務を行なっています。
(参考:一般財団法人 世田谷トラストまちづくりHP)
建築家の吉田五十八氏は、東京美術学校(現東京藝術大)図案科を卒業後、欧米でモダニズム建築を学び、帰国後、独自の建築を模索し、伝統的な数寄屋造りに着目。そこに機能性を加えて独自に近代化させた「近代数寄屋造り」を確立させた方です。
成田山新勝寺大本堂、五島美術館、日本芸術院会館、吉田茂邸(大磯)など多くの作品が残っています。猪股邸は吉田氏が晩年に設計した、集大成ともいえる作品とのこと。
猪股庭園は家屋に加えて、美しい庭園も魅力です。庭園には、アカマツやウメ、モミジをはじめとする多くの樹木や、庭に面した一帯にスギゴケを植えられており、一部に水路を配し、その廻りに園路を巡らせた回遊式の日本庭園となっています。
猪股庭園は、京都・銀閣寺などでも出入り庭師を務めていた庭師の田中泰阿弥(たなかたいあみ)氏による作庭です。新潟県出身で、地元県内を中心に多くの庭園で整備・作庭を行っていました。
1月と8月は庭園保護のため、庭園路の散策はお休みとなり、建物内の見学のみとなります。が、建物の大きな開口部から庭を見られるため、室内から景色を楽しめるはずです。
猪股庭園、旧山田家住宅や世田谷ベースなど成城を散策してお腹が空いたら、「とんかつ椿」のランチが最高です。世田谷ベース散策時にはお休みだったので、満を持して今回、お邪魔しました。
赤だしのみそ汁がつき、独自のソースまたは岩塩でカツをいただきます。
私はヒレカツ定食を選びました。座敷のテーブルに一人の贅沢。
ロースもマルカツも食べてみたい。今後も続く、成城さんぽ。
美味しかった!ご馳走様でした。