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【イベントレポート】EDUCATION×CAREER TALK Youは何しにオランダへ?〜旅行会社から転職した元小学校教員×学生キャリアトークセッション

イベントについて

 12月4日に「Youは何しにオランダへ?〜旅行会社から転職した元小学校教員×学生キャリアトークセッション」というイベントを実施しました。イベントレポートを書かせていただく成城大学の阿部大河と立命館アジア太平洋大学の雨宮航平と文教大学の武子恵です。今回は、コロナの影響もありオンラインでの実施となりましたが、全国各地から30名以上の学生の方に参加いただきました。
 今回このイベントを開こうと思ったのは、私たちが持っていた「大学生の中で教職を取ってるけど教師にならない選択してる学生って多いのはなぜだろう」という疑問からでした。教育の要素として教師はとても重要です。そこで、教師の見方アップデートし、どうしたら教師という選択肢を多くの学生が持てるのか考えたい、という思いからこのイベントを企画しました。


当日の様子

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 今回のイベントは、旅行会社から教師に転職され、その後オランダへ渡るというキャリアをもつ金澤さんをゲストスピーカーとしてお招きしました。金澤さんにご自身キャリアについて簡単に紹介していただいた後、私たちキャンパスアンバサダーからの質問に答えていただく、セッション形式でイベントを実施しました。転職する時やオランダへ渡る時に葛藤はなかったのか?また、その決め手は?そして、様々な職を経験したからこそ分かる教員の魅力とは?など学生目線の素朴な疑問を答えていただきました。以下に一部抜粋してお届けします!!


キャンパスアンバサダーとの対談セッション

CA(阿部):
旅行会社を辞めて教員になる時やオランダに移住しようと思った時に、迷いや葛藤をどのように乗り越えましたか?

金澤さん:
迷いや葛藤はあまり感じませんでしたね。
日本イエナプラン協会理事の方とオランダの教育について話しているときに、やはり現地を見ないと分からないと感じたため、行こうと決めました。一番に考えたことは、今の状況で自分がビザを取得できるのかということでした。行くにあたってお金のことはあまり考えておらず、行ってからどうにかしようと考えましたね。


CA(阿部)
色々と計画してから行くというよりは、まず行動してからその後のことは考えようってことだったんですか?


金澤さん
そうですね。
ビザが取得できるのか、自分が現地に住めるのかどうかの調査はしましたが、他のことは自分次第だと感じたため、「行って何とかしよう」という考えでしたね。


CA(雨宮)
オランダに行くにあたって周囲からの反対はありませんでしたか?
キャリアを変えるというのは大きな決断だと思うのですが。


金澤さん
ほとんどありませんでしたね。
両親は自分のやりたいことをいつも応援してくれたため、自分が教育現場で感じた課題やそれを解決するためにオランダに行く必要性を伝えると、応援するよと送り出してくれました。
当時勤めていた小学校の同僚の先生には「本当か? 隣町に行くような感覚で言ってない?」と疑れましたけどね(笑)。


CA(雨宮)
なぜオランダで教育を学ぼうと思ったのでしょうか?わざわざ現地で学ぼうと思った理由は何ですか?


金澤さん
なぜオランダなのかと言う点でいうと、教師時代に実践していたイエナプランなどのコンセプトが、自分の求める教育に合っていたからです。
またイエナ教育のhowの部分は確かに日本でもある程度習得できますが、自分はなぜ教師をしているのか、どんなことがしたいのか、というwhyの部分は、自分がオランダで教師をしてみないと深められないと思ったので、現地に行きました。

CA(阿部)
現地に行ってみて感じたオランダと教育と日本の教育の1番の違いは何ですか?

金澤さん
教師という観点から見ると、教育の設計に大きな違いがあると感じました。オランダの場合は学習者を基点に設計されているという点です。先生もコーチング的に生徒と関わり、時間も空間も余裕があります。

CA(阿部)
日本の教師の働き方はブラックだとよく言われますが実際に民間企業と比較してどうでしたか?

金澤さん
正直旅行会社もかなり忙しかったです笑
しかし日本の教師がブラックなのは間違いありません。実際に私のいた学校でも半分近くの先生は過労死ラインの仕事をしていたと思います。

CA(阿部)
それでは日本の教師の働き方が変わるにはどうしたらいいと金澤さんはお考えですか?

金澤さん
まず日本は国や民間が教育現場に多くのことを求めすぎていると思います。ICT化の促進や英語、道徳教育の導入など、これらの施策は全て教師が必要だという意識で導入されたのではなく、「上からの押しつけ」になっています。そのため必然的に仕事量が多くなり、やりたいことができなくなっています。
そこで学校にいろいろな人材を投入するのは一つの改善策だと思います。教育現場にはさまざまな仕事があるので、外部から人を呼び込むのは一つの手だと思います。


CA(阿部)
最後に金澤さんのこれからの人生設計を教えてください。

金澤さん
オランダへ行き、教育を見た際に教師自身が変わる必要があると感じたと同時にシステムの作り方が上手いと感じました。そこで、教師自身の入口と出口を多様化し、様々な人が学校に入ることが当たり前になる世界を作っていきたいと考えています。2025年くらいまではTeach for Japanの職員として日本の教育システムに1つ違う風を吹かせたいです。その一方で、道半ばであるオランダで教師になるために、日々勉強しています。


イベント参加者の感想

 参加者の方々からは以下のような感想をいただきました!!

 2時間が本当にあっという間でした。素晴らしい講演をありがとうございました。私自身、大学で学ぶ中で、教育学部→教員という一本道を進んでいくのか悩み、そしてそれで良いのかという疑問を感じていました。しかし今回の講演を通して、子どもに夢を与える教員であるべきならば、そもそも夢を与えられる教員になれるよう、教師が変わらなくてはいけないのではないか、金澤さんのお話、そして皆さんのお話を聞いて、そう強く思う事ができました。将来は日本で教員になることを目指していますが、今は「良質な寄り道」をして、自分自身と向き合っていきたいです。

 本日今日このようなイベントに参加して、これほど若い者達が教育について考え、どうしたらもっとステップアップした教育になっていくのかを真剣に考えてる事実があるということを知り、このような思いや考えがストレートに表すことができない日本の学校教育形態に疑問をさらに感じました。

 1人で教育について考える時間ももちろん大切ですが、誰かと意見を交換したり、時にはぶつけ合うことがこんなにも素晴らしいことなのかと気づくことが出来ました。新しい発見や、それに至る考え方に触れるだけでも価値のあることだと思います。ぜひ次回も参加したく思いました。

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イベント主催者 編集後記

阿部
 今回のイベントの企画では登壇者との対談という形で進行を進めたり、キャンパスアンバサダーのtwitterを開設するなど、新しいことにたくさんチャレンジすることができました。
また金澤さんのお話を聞いて、キャリアを考える上で大事なのは、信念を持って行動するということだと思いました。金澤さんは民間企業から教師、そしてオランダ移住を経てNPOの勤務など、一見バラバラに見えるキャリアですが、金澤さんの中では常に「こうしたい」という信念があるので、それらは一つにつながっているということでした。あくまでもキャリアはそれを達成するための手段に過ぎないということを学びました。私自身も目の前のことに一つずつ取り組みながら、信念を持って自分の将来を切り開いていきたいです。

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雨宮
 今回のイベントを通して教師とキャリアの関係というテーマについて金澤さんをはじめとする熱い思いを持った多くの方と様々な意見を共有できたことが自分の中でとても貴重なものでした。私は教育課程を取っていませんが、現在教員を目指している方々から直接様々な意見を聞き、教師の現状について知ることができたと同時に、ますます教育に可能性を感じました!
これから自分のキャリアの中でどんな形で教育と関わっていくのかについて考える良い機会でした。
2時間はあっという間でしたが、内容の濃く非常に有意義な時間でした。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!!


武子
 今回イベントを通して、「なぜ」の部分を追求していくことが大切であると感じました。イベントの企画部分でも「なぜ」そのような問いを設定するのか等を考えていました。また、イベントの中での金澤さんのお話からもどんな事であっても、目的を持ち行動していくことの大切さを学ぶことができました。教育に対して、様々な想いを持つ方と考えを共有できとても有意義な時間となりました。参加してくださった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!


 Teach For Japanでは他にも様々なイベントをしています。HPやFacebookなどでも随時イベント情報を発信していますので、そちらもぜひチェックしてみて下さい。

 また様々な地域からTFJを介して集結したCAたちが開催する『EDUCATION×CAREER TALK』をテーマとしたイベントは今後も開催予定です!

皆さんのご参加を心よりお待ちしております!

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