バルシューレとコーディネーショントレーニング

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バルシューレの学習領域には戦術、コーディネーション、技術という3つの領域があります。今回はその中のコーディネーションについて説明したいと思います。 この領域では一般的運動能力の向上を目的としていて、バルシューレ独自のコーディネーショントレーニングというものが存在するわけではありません。ただしバルシューレではボールスポーツの万能プレーヤーを育成することを目標としていますので、ボールを使ったエクササイズがメインになっています。

バルシューレにおけるコーディネーション能力向上の目的は、ボールゲームの中で求められる技術的課題をプレッシャーを与えることで、どんな状況でも同じようにボール操作ができるようになることです。プレッシャーには下記の通り6つのプレッシャーの要素があります。

1.時間のプレッシャー    最小限の時間、最大限のスピードで運動を実行する

2.正確性のプレッシャー       できる限り正確に運動を実行する

3.連続性のプレッシャー       次々と切り替わる運動を連続的に実行する

4.同時性のプレッシャー       多くの運動を同時に実行する

5.可変性のプレッシャー       変化する環境や状況の条件の中で運動を実行する

6.負荷のプレッシャー          身体的、体力的な負荷条件下で運動を実行する

このプレッシャーの意味を理解することで、エクササイズのアイデアは多数生まれてくるでしょう。ただし、プレッシャーには優先される順番があります。運動の初期段階においては、時間と正確性のプレッシャーが優先されます。そして子どもの技術レベルが高度になるにしたがって、+連続性、+同時性、+可変性というように課題が段階的に増えていきます。簡単なことから少しづつ課題レベルを上げていくのがバルシューレの基本原則なので、こだわり過ぎて複雑なエクササイズを行うより、シンプルで簡単なエクササイズから実施していくことがポイントとなります。

昨今、注目を集めているコーディネーショントレーニングですが、正しい知識を身につけるために、ドイツ運動学や一般トレーニング学を含め、深く学べる場をバルシューレ・アカデミーでは設けたいと思っています。ありがとうございました。


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