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愛され or DEAD

愛されなければ生き残れない

昨日、ラバブルマーケティンググループさんに取材させてもらいました。以前から取材させていただいていましたが、今年1月に社名を「LMG」から変更したそうです。「LMG」は元々、「ラバブルマーケティンググループ」の略称であり、より自分たちのやっている事業を分かりやすく表現するために、社名を変更したそうです。

改めて名刺交換させてもらい、「ん、そういえば”ラバブル”ってどういう意味でしたっけ」と質問しました。「ラバブル」は「LOVE+ABLE=LOVABLE」であり、直訳すると「愛すべき」という意味。ラバブルマーケティングは例えばブランドがユーザーに”愛される”ためのマーケティングとなります。

ラバブルマーケティンググループは、SNS支援やマーケティングオートメーションを提供しているグループ会社ですが、企業がユーザーとコミュニケーションを深めることで、愛されるためのマーケティング活動を支援しているとのことです。

お話を聞いていて最近、この「愛され」をキーワードにしたセミナーが増えているなと思いました。アプリ構築支援のヤプリが4月12日に開催するイベント「MMU」では、「ファンマーケティング」をテーマにした講演がズラリと並んでいます。「ファン=愛してくれる存在」ですから、これも「愛され」ですよね。このSNS時代において企業は「愛され」ないと生き残れないのかもしれません。

必要なのは”無償の愛”?

ドナルド・トランプ氏が選出された大統領選挙では、アメリカ社会の分断が話題になりました。ある記事でその”分断”には、SNSの普及が大きく影響しているという話が出ていました。SNSでは自分の知り合いや気に入った人しかフォローしないため、自分にとって耳障りの良い話しか聞こえてこなくなる。さらには自分と異なる意見を聞く機会が減り、相手への理解が持ちずらくなる。こうしたSNSの影響が”分断”を深めたというのです。分断の話は裏を返せば、一度愛してもらえれば、長く愛してもらえる可能性があると言えます。

昨年、韓国で開催されたアジア通販サミットに取材で参加した際に、韓国で愛されている企業の取り組みを聞くことができました。フードデリバリーサービス「配達の民族」を提供する Woowa Brothersのマーケティング手法です。

Woowa Brothersはユーザーのプロポーズを支援し、その動画を配信するというマーケティングを実施しました。その動画はクオリティーが高く、見ているだけで感動してしまう心温まるものでした。動画では「配達の民族」がプロポーズをバックアップしていることは伝えていますが、直接的にフードデリバリーサービスの利用を促す要素はありません。費用対効果は考えず、幸せな時間を届ける会社であるというイメージを訴求しています。

さらにWoowa Brothersの企業に対するファンクラブを作っており、ファン向けのミートアップを開催したり、ファンが会社に遊びに来ることもあると言っていました。企業のキャラクターを踏まえ、目先の費用対効果を追うのではなく、自分たちが楽しく、周りの人も楽しくなるようなことを一生懸命行うことで、「愛される」に近づくことができるのかもしれません。

必要なのは”無償の愛”なのでしょうか?企業も人も愛されることは簡単ではないということは間違いないようです。

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手塚 康輔/Eコマース記者
EC業界向け専門紙「日本ネット経済新聞」で記者してます。EC、通販、モノづくり、流通、マーケティングなど取材していく中で紙面には書かない自分の考えや疑問について書いていきたいと思います