アイマスエキスポで感じたキャラクターが生きたライブの必要性
アイドルマスターという作品が20周年を迎えます。
それに際して、2024/12/14、12/15の両日に幕張メッセにてアイマスエキスポという博覧会が開催されました。
アイドルマスターという作品はその名を冠したシリーズ作品が多く存在し、今回はそのシリーズ合同のアイドルマスターだけのイベントです。今後いつ開催されるのかもわからないので、僕はこのイベントに足を運ぶことに決めました。
色々なアイドルマスター以外のオタクコンテンツに触れてきましたが、思い返せば10数年ブレずにこの作品だけが心底好きで様々な作品が出るたびにしっかりと触れ、発表される音楽も聴いてきました。
まずは20年もこのアイドルマスターというコンテンツが続いていることに感謝しかありません。そして江原には謝罪しかありません(江原との縁は未だに続いています。これもアイドルマスターのおかげです)。
先述の通りにはなるのですが、一つの作品を一番好きだと感じながら愛せるのは本当に素晴らしいことだと思います。それはアイドルマスターに限った話では勿論ありません。僕にとってはそれが偶々この作品だっただけで、もし皆さんの中にもそのようなものがあるのであれば大変誇るべきものです。
言葉選びが非常に悪いですが、エンタメって不必要なものであって、ただそれに触れることで生活に少し彩りを加えてくれるものがエンタメで、それがエンタメが持つパワーやエネルギーと価値だと思っています。ありふれているエンタメの中で一つに没頭できることの尊さのようなものを今回のイベントで再確認させられる、するきっかけになった良い機会となりました。
10数年この作品全体を溺れるように愛し続ける、並大抵ではありません。気付けば年上キャラだった三浦あずさの年齢を余裕で超え、おそらく母の手料理よりアイドルマスターを摂取した回数と時間の方が多いといっても過言じゃない。僕の体はアイドルマスターとタンパク質と水分でここまで大きくなりました(βカロテンは体内でビタミンAとアイドルマスターに変換されます)。
それくらい没頭したものの一大イベントなんて行かないわけがありません。ただ僕は著しくインターネットを見ないのでイベントの開催を知ったのも開催日から数週間前にTwitter(現:X)のアイドルマスター公式アカウントのツイート(現:ポスト)を見かけたときでした。規模の大きさにまず震えました。こんな規模で開催するのかと
広すぎる。物販や企業エリアはもちろん、アイドルマスターはアイドル育成シミュレーションゲームなので、アイドルという特性上ライブイベントが沢山行われています。なので今回もライブのメインステージがあり、エキスポステージでは様々な催しがあり、そして同人誌即売会のサークルエリアもあります。凄すぎる。こんな広さで作品のイベントをやるなんて穏やかではない。
そして日程を見て震えました。僕の仕事は、内容は伏せますが完全に予約したお客様に対して接客、サービスを提供する仕事です。開催されるとはまったく知らずの状態だったので、初日の12/14は完全に昼から忙しい状況。
そんな状況でこのイベントが回れるはずありません。ライブも楽しめるわけがありません。だから何か一つだけを楽しむしか初日は選択肢がありませんでした。
そして僕は選びました。
天海春香のソロライブだけ見ようと。
僕はすぐに春香のライブチケットを購入できるタイミングでしっかりと購入しました。このイベントはチケットがとても細分化されていて、エキスポエリアというところに入れるチケット、ライブステージだけが見れるチケット(そのライブもいくつかあり、ライブごとにチケットが用意されています)、あとはエキスポエリアもライブも全通できるチケットや宿泊ホテル付のチケットなどがありました。
せっかくなら勿論エキスポエリアも回りたいですが、仕事がケツにあるならその欲求は捨てるしかありません。僕は血涙を流しながら春香のライブだけに行くことを決心しました。
ここで今回の本題です。アイマスエキスポについての全体の感想はもっと丁寧に書いてくださってる方がいると思うので、そちらを閲覧してください。何より僕は今回のアイマスエキスポでエキスポエリアは仕事の都合とチケットが取れなかった都合で回れず、結果を先に伝えますが天海春香と秋月律子のライブ以外は参加することができなかったので一生屋外の空気を味わってました。
僕が今回書きたかったことは、アイマスエキスポ最高というのは大前提ですが、アイマスエキスポで感じたキャラクターが生きたライブの必要性です。
アイドルのライブに行きたいのであって、声優のライブが見たいわけではなかった
まず、その文化を否定するつもりは一切ありません。ただ僕が好まないよというだけの話で一石を投じる気はさらさらありません。僕はアイドルマスターのことを溺愛していますがライブイベントに行った回数は10回にも満たないです。
どうしても見たい、感じたいのは心を動かしてくれたアイドルキャラクターがライブしてるところであって、声優さんではないからです。声優さんはキャラクターを呼吸させてくれているわけなので度外視はできません。ただ、どうしても見たいのはアイドルキャラクターがライブしているところなんです。
ダンスを劇中のように踊り、髪型やメイクなどをキャラクターのイメージに近づけてステージに立つ。非常に素晴らしいことだと思います。声や歌声はもちろん演じているキャラクターなわけですから、そうすることで実像がとても近づきます。
でもどうしても見てるものが声優であることに変わりはなくて、MCなどで「〇〇役の〇〇でしたー!」と言われると、やっぱり違かったかー!騙されたー!となります。強い言葉選びをすると冷めてしまうんです。やっぱりキャラクターのライブは見れてないんだよなと逆に強く感じさせられてしまってとても冷めてしまうんです。それでも足を運び参加したライブはどれも良いものでした。ライブの体制に非なんてありません。分け隔てて考えることができない僕にのみ責任があります。
例としてアナと雪の女王というディズニー作品を挙げますが、ディズニーのパレードでアナとエルサがキャラクターそのものではないのに出てきてもアナとエルサだと思えるくせに、劇団四季の舞台でアナとエルサがキャラクターそのものではないのに出てきても同じようにそう思えるくせに、どうもライブに関してはその考えができません。それってきっと、パレードと舞台のアナとエルサはこういうものだって置換が脳みそで出来てるんです。キャラクターそのものじゃなくて問題がないし、なんだったらキャラクターそのものであることを求めていません。あくまでパレード版、舞台版と隔てて受容してます。
究極なことを断言するときっと、キャラクターのことをそこまで愛してないからそう考えられるのかもしれません。
アイドルマスターにはどうしてもキャラクターへの愛が強く乗っかってきてしまいます。あくまでも見たいのは僕がプロデュースして共に歩んできたアイドルが大きいステージで歌い、踊り、話してるところです。どうしても声優さんという存在が僕にとっては心底満足する結果にはならなくなってしまうので、近頃はライブには滅法足を運ばなくなりました。
ただ今回は天海春香という存在が、ライブに行く決心をさせてくれました。あのアイドルマスターの看板であり続けてる春香のソロライブなら行くしかないと。どれだけそれが中村繪里子さんでも行こうと。僕が初めて好きになったきっかけであるアイドルマスターの原点にして、ずっと看板として存在してくれているアイドルのソロライブなら見たいと。
愚か者な僕は、当日まで天海春香自身が3Dキャラクターとしてライブをすることを知りませんでした。日時と会場しか情報を把握してなかったのでいつも通りの声優さんのライブだと勘違いしてました。
なので天海春香役の中村繪里子さんがライブをされるんだと勝手に思い込んでいて、年齢的に大丈夫なんだろうか?しんどくないか?といらぬ心配を抱えた当日。
長蛇の列ととても長く感じる待機時間を超え、アナウンスの後にてってってーのリミックス(バチクソ良い)が流されながらモニターに天海春香ソロライブと映し出され、徐々に明転した先に彼女がいました。
天海春香だ……。
膝から崩れ落ちそうになりました。3Dのライブだとか全く思っていないので、突然始まった〇〇役の〇〇のライブではなく、ずっと待望していた天海春香そのものがライブのスタートを代表的楽曲であるSTART!!のイントロを背に宣言して、始まった。
求めていたキャラクターの存在するライブを初めて目にした瞬間でした。天海春香がその場に出てくるまで高揚感を持ちつつも冷静だったはずなのに、大声が無意識に飛び出してました。僕がライブの情報をこれまで仕入れていなかっただけで、今回のみならず3Dでのキャラクターとしてのライブは何度もあったのかもしれません。もしそうだったとしても僕は、この瞬間までそれを体験したことがありませんでした。キャラクターがライブをしてくれる光景を初めて目にしました。
当たり前に感動します。これまで参加した過去のライブで心を動かされつつも不完全燃焼で終えていた側面が強かったライブイベントだったのに、個人的な最適解の中で行われたライブに大声を挙げながら感激しました。
セットリストはこれです。今までアイドルマスターを765から追ってきた者を○すようなセットリスト。それを今まで待ち望んでいたキャラクターとしてライブを行なってくれました。死ぬにはいい日でした。
これほどアイドルマスターのライブで胸を打たれたことはありません。誇張を抜きで泣きました。今まで欲しがっていたオーダーを、我儘を提供してくれた瞬間であるのだから泣かないわけがありません。
「私はアイドルです。皆さんがいる限り、アイドルです!」それを天海春香自身が放ってくれたことに感涙しました。
僕がずっと探していたユートピアが幕張メッセにはあったんです、これが見たかった。アイドルマスターに唯一求めていて、追い続けていた僕の中で欠けていた景色がそこにはあったのです。感謝しかありません。令和にして技術の発展はもちろんあるでしょう。でも今までやってきたことなのだから声優さんのライブでも良かったんです。中村さんが頑張って立つ姿なら僕は真摯に応援していたことでしょう。
でも、今回のアイマスエキスポは僕が沸々としていたことを一気に高火力で沸騰させてくれました。
本当にありがとう。生で天海春香を見せてくれたことに感動しかありません。
僕はノリが悪い斜に構えたアイドルマスターのオタク(本当は恥ずかしいだけだし急ぎで来たからサイリウムは持参していないしもコールも覚えてない)なので、一体となって盛り上げることはできませんでした。ただ見てることしかできなかった身ですが、ずっとそこに天海春香がいてくれてる実在性の事実に終始感動しました。
俺ってこれからもアイドルマスターを応援してて良いんだ、アイドルマスターを追いかけていていいんだ、アイドルマスターのために存在してて良いんだ、アイドルマスターを支える一人の人間でいいんだと思わされました。
12/15の秋月律子のライブもそう思わされるものでした。
このセットリスト。これはさすがにりっちゃんライブではやらないか……?と勝手に決めつけていた曲を二曲も披露され、いっぱいいっぱいのイントロの時点で既に秋月律子がそこにいることに感動していたのに更に泣きました。
僕にとって、愛していたアイドルマスターのキャラクターが目の前で実際にライブをしてくれるという体験は、キャラクターがキャラクターをもってしてライブをして実在性を保ってくれることは衝撃的な経験で、涙なしでは見れなかったのです。
これまでのライブを蔑ろにするつもりなんて毛頭ございませんが、真心から待ち望んでいた本当の意味でのアイドルマスターのライブがアイマスエキスポでは存在していました。
生憎アイマスエキスポ全体を楽しむことはできませんでしたが、エキスポという催事に立ち会えたこと。それに加えてアイドル自身のライブという夢を叶えてくれた今回のイベントには一人のプロデューサーそして一人のファンとして、感謝することしかできませんでした。
20周年と書けば容易いですが20年という長い月日まで、このコンテンツが腐ることなく生き続けていることには多大なる感謝しかございません。
本当にこの機会に立ち会えたことに喜びがあります。今後も今回のような催しがあるのであれば必ず参加させていただきます。
ありがとうアイドルマスター。ごめん江原。
12/29川口駅。これがアイドルマスターを繋げてくれた江原と僕とのエキスポです。
アイドルマスターにも江原にも愛しかありません。
もしかして、スローガンのアイが集まるってこういうこと?
天海春香と秋月律子のライブは下記から冒頭数曲だけ視聴できます。また、他のアイドルたちのライブもチケットを購入する必要がありますがアーカイブ視聴ができるので、興味があれば是非見てください。ライブだけがアイドルマスターではありませんが、エキスポという記念すべき場で行うライブである意味が、どのライブにも今回含んでありました。