まとめ記事④ 先生は普通?
これまでFACEBOOKやnoteで色々書き溜めてきましたが 10回ほどでまとめてみようと思いました。 たくさん書いたもののまとめ記事と思って読んでいただけると幸いです。先日の投稿③
年収は?
いきなり 直球で質問します「先生の考える普通の年収は?」
こういった題名で書いているので皆さん 少し考えられたと思いますが 皆さんが 医師の仲良しの医師の先生方と話をする際どうでしょうか? 先生たちの考える普通は普通ではないと思います。
1000万円を超える方は日本人の給与所得者の5%
2500万円を超える方は日本人0.3%
とのことです
実質の年収2500万円を超える開業医の方は多くはないとおもいますが、それでも周りに聞かないことはないと思います。 そういった話をきいても 珍しい!とは思わないはずです そういった基準の普通でないという自覚はもっておかれたほうが良いと思います。
これはクリニック院長先生の目を引くためにあえてそのような文章で書き始めました。皆さんは 開業医の先生同士で2000万円の年収があったとしても「まだまだですよ、XX先生やYY先生には叶いませんよー」と謙遜されるとおもいます。 そして先生の中では真剣に謙遜されていると思います。 実際に上には上がいることを知っているので。
専門性は?
これと同じことが先生の専門性についてもいえます。 専門分野のトレーニングを受けていてその分野の患者さんを日常診療していても、いざプロジェクトで「先生の専門性を教えて下さいと」か「先生はXXが専門ですよね?」とお聞きしたときに「自分なんか全然専門家ではないです」と自分を謙遜して なかなか専門性を自分では登録してくれなかったことが多かったです。上には上のレベルの専門性をもった先生の存在を知っているため。
しかし上をみても仕方ないですし、下を見ても仕方ないのです。
例えば車も馬力や性能やデザインの良いものだけが売れますか? 農地でランドクルーザーは売れませんが軽トラが売れます。逆に砂漠では軽トラは売れませんがでランドクルーザーは売れます。
適材適所なのです。
砂漠や農地がどちらが価値があるというものではないのです。
そもそもベクトルが違うのです。
専門性が高ければ高いほどよいということではないのです。一般的な専門性と高度に尖った専門では対象とすべき地域や患者さん層が異なるのです。
それがあるからこそ医療機関の棲み分けが提唱されていて 紹介・逆紹介や紹介状なし受診の自己負担などが行われているのです。
高機能病院は全国から患者さんを集めてくるナショナルビジネスです。時間とコストをかけて遠方の専門医にかかることはよっぽどの重症か希少疾患、セカンドオピニオンを求めるなどの特殊な状況でなければ行くことはないと思います。
クリニック院長先生がご自身を謙遜して「この専門性については上には上がいる」と思っていても 通常の診察レベルにおいてはその大病院は競合にはならないのです。患者さんもそれは無意識のうちのフィルタリングをされています。 農地と砂漠の違いは認識されています。 それはどちらに価値があるとかではないのです APPLE TO ORANGEで比較はできないのです。そのようなNATIONAL-WIDEの先生の弱いところを 自分の強みにするんです。
・混んでいない
・患者さんと医住近接
・通常の専門性のレベル
・近い
「どーだ スーパードクター!! 患者さんのこんな側面知っていますか? 近所で挨拶する関係ですか? 他のことで ご家族も受診に来られますか? 落ち着いた状態でも サヨナラせずに経過観察できないでしょう?」 ちょっとひねくれた先生に聞こえますが(笑)
など これまで弱みと思っていたことが強みなんです。 だからといって そのレベル向上を諦めたり中断すべきではないのは明らかですし そのスーパードクターから教えを請う事をやめてはなりません。
しかし、患者さんと地元で近くて長いお付き合いが出来るレベルの専門性を持っている 素晴らしいじゃないですか?
先生X「いやいや でも教えを請うている時点で患者さんには迷惑では?」
井手「X先生, ご自身が医療機関にかかるときに アレルギー性結膜炎のときに大学病院にかかりたいですか?アレルギーサイトカインの大家の教授に診てもらいたいですか?」
先生X「いや 時間もかかるし 診察と投薬ですし 地元で良いと思います]
井手「そうでしょ? 患者さんだって クリニックに対して一般的な専門レベルがあれば まずは地元にかかるもんです 先生だってそうなわけでしょ?」
先生X「確かに」
井手「先生の専門はXXということですよね」
先生X「スーパードクターではないですが、そうですXXを専門にしています!」
と (妄想の中の)先生Xもご自身の専門性を表明する気になってくれたようです(笑)
謙遜してしまうという課題
医師の先生方は賢い方が多いので、自分のポジションがある程度分かってしまうのと 文化的に謙遜文化が広まっているので、スーパードクタ-や神の手DRしか専門性を持っていると表明してはならぬと思っている先生も多く、そのために患者さんや他の医師も普通の専門レベルを持っている先生の情報を探せないために苦労しているのです。
これも連載のなかで毎回のように出てくるかもしれませんが、厚労省も専門性については以下のような定義を提唱しています
○専門医を
「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて
十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準
的な医療を提供できる医師」と定義。
(「神の手を持つ医師」や「スーパードクター」を意味するもの
ではない。)
そういった 地域の専門のGATEWAYとしての機能をぜひ 謙遜せずに客観視して 自分は他の近隣の同じ診療科の先生から紹介されるサブスペシャリティはないですか? それが専門です。
しかし、それでも自分の専門性を表明されない先生が多いため、 自分が困った時にどんな先生を信頼して紹介しておられるかの登録をお願いするという建付けにしました。少しでもご興味出てきた先生 お願いしますNYAUW
NYAUWという活動を始めたきっかけ
【1院・1人ではどうしようもないというため息】です。学会・医局・研究会・医師会などがあるじゃないか?という声が聞こえてきます。もちろん 医師にとっては非常に役に立つ組織ではあります。しかし、患者さんはそのようなセグメントの切り方で医療を見ておりません。 たとえば、「杉並区医師会の眼科の先生の中で対応してほしい」ではなく 「自分の疾患をできるだけ最小のコストで、より良く対応してほしい」が患者さんの要望です。時間・お金・精神的負担が最終的に少なくなるなら 先生の診療圏外の専門家にでもかかるのです。そういった際には 自分のいつもの専門内・近隣の紹介先だけでは対応できない場合もあります。「みなさんがいつもの紹介先情報をシェアしていれば患者さんの受診体験向上になるのでは?」と仮説を立て【信頼する紹介先のクリニック登録の数珠つなぎ】プロジェクトを立ち上げました。なるほどな!と思われたクリニック院長先生ログイン・登録してください!