リーダーシップ進化論とNYAUW④
【リーダーシップ進化論―人類誕生以前からAI時代まで について】
小さなクリニック院長視点として気になった部分を少しずつNYAUW的視点で書かせていただきます(あくまで個人の感想ですので お許し下さい)
P42 【みんなの意見は案外正しいは群知能があればリーダーなどいなくてもそれほど悪くない結果になることを示していた しかし恐ろしいのはこういった群知能によって私たちは自然に戦争に向かうこともできてしまう事だそれを案外正しいなどと言ってはいられない 人間もまた真面目に生きているだけでいつのまにか最前線で武器を手に戦っていることがあるのだ】
P43 【群知能だけでは自己組織化により破綻に向かってしまうことがあるだからこそ人間は自然に任せておいたら破綻してしまう状況をリーダーシップによって開始しようとしていたしかしその結果は決してリーダーシップの成功の歴史ではないむしろ失敗の歴史である】
P44 【群知能に依存する生物にとって恐ろしいのは仲間はずれである 特に意思決定のための知識と経験に不足する子供の場合仲間はずれは本能的に死を意味する ここで仲間外れをあまり恐れないのは自分一人で意思決定ができる個体すなわちリーダーになれば仲間外れにされたとしても必要なら自分で新たな群れを率いることができるからだ】
P45 【群知能の限界とリーダーシップ自己組織化に意思決定を任せていると誰かが握手をしないと誰も拍手をしないということも起こる。災害時に組織全体が逃げ遅れるといった悲劇が発生します背景にも群れの規則が存在している。】
P46 【組織のまとまりを優先させるあまり異論を唱えることを辞めた経験は誰にでもあるだろう。それが組織の未来に悪い影響をもたらすことがあるのは容易に想像できる。群知能に依存する組織は個人で行動する人間より悪い判断することはよくある話として記憶しておくべきである・また群れであることがそれぞれの個体の当事者役意識を下げパフォーマンスを低下させることがあるこれはリンゲルマン効果として知られている 集団のサイズが大きくなるにつれ集団の構成員一人当たりの能力発揮は劇的に低下する。これは群れになると自分以外の誰かがやってくれるだろうと言った傍観者心理が働いてしまうからと考えられている同様にみんなでアイデア出しうあブレインストーミングはアイデア抽出の効率が悪いことは経営学の世界では常識である】
P42ーP46 で抽出した部分から 感じたこと
「長いものには巻かれろ」 という言葉に代表される、群知能と自己組織化と忖度に至りやすい日本では あえてトップがリーダーシップを発揮しなければ(トップとリーダーは同義ではないので)組織が ゆでガエルになってしまう可能性があるのかな?と。 そういった意味で 新しい研修医制度におけるマッチング制度というのは 人事権を医局から(一部)剥いだという意味で大きな前進かと思います。 どうしても医学部の場合 クラブも医学部内のクラブ、 医局も卒業大学となると群知能と自己組織化がすごく進んだ状態が常態化していたのです。それが新研修医制度によって 大学ごとの群知能がクロスする状況、つまり自分の育ってきた環境の暗黙知が当たり前でないと気づく環境が出来たという意味で素晴らしいです。しかし、まだまだ 医師という部分についての群知能は共通ですので そういった意味で まだまだ没個性化の状態にあると思います。
そういった意味で アメリカのシステムが良いかは別にして 医学部が大学院扱いでUNDERGRADUATE(学部)を卒業してから医学部に入学して 卒後もマッチング制度もあるので、RESIDENT時代から すでに学校や医学以外の専門性のクロスが進んでいるということです。 NYAUWもその驚きから始まったものです