AI時代のデザイナー:消える者、生き残る者
こんにちは。
グラフィックデザイナーのヒロです。
最近、MidjourneyやStable DefusionのようなAIを活用した画像生成やデザインサービスが急激に普及しております。
また、CanvaにもAIデザイン機能が導入され、話題になっていますね。
こうしたAIが出てきた当初は、
「AIはデザイナーの仕事を奪うのか?」
「デザイナーは不要になるのか?」
という疑問を抱いていましたが、自分なりにツールを使ってみて、 今はこちらの結論に至っています。
デザイナーが不要になることはない。
しかし、デザイナーによっては消える未来が来る。
今回の記事では、私がこう考えた理由について書きます。
あくまでグラフィックデザイナー目線で書きますが、他の分野でのデザインでもある程度当てはまるかと思います。
自己紹介
私は大学卒業後、工業・プロダクトデザイン系の会社で4年、そこから異業種に飛んで、グラフィックデザインの会社で4年働き、今は独立しています。
お客様とともに作る売れるデザインをモットーに活動しています。
デザイナーが必要とされ続ける理由
私がAIツールを使ってみて、デザイナーがAIにとって代われることはないと考える理由は次の2点です。
デザイナーなし、AIだけでは課題解決が難しい
プロンプトの記述が難しい
1. デザイナーなし、AIだけでの課題解決は難しい
私自身はデザイナーですが、自分の中では「デザインを使って、お客様の課題を解決するためのナビゲーター」だと考えています。
ただ単にカッコいいものを作るのではなく、お客様がきちんとゴールにたどり着けるデザインを提案して、作り上げるイメージです。
しかし、実際に仕事をすると、クライアント側で解決したい課題に対して、必要なクリエイティブを把握できていないケースが往々にしてあります。
極端な例ですが、30代の主婦層をターゲットにキッチン用品の広告を作りたいのに、シュワルツネッガーがプロテインをがぶ飲みしている写真を起用しようとする、なんてこともあり得るわけです。
もちろん、クライアントはデザイナーではないので仕方ありません。(いや、そうか?)
この状態からクライアントを正しく導いて、課題解決につなげるのがデザイナーの役割です。
しかし、自分のニーズを把握できていない状態のクライアントが、デザイナーなし&AIだけで、課題解決できるものを作れるでしょうか?
「AI君、お願いです。シュワルツネッガーを使って、主婦に向けたキッチン用品の広告を作ってください」
なんていうことをAIに言ってしまうかもしれないのです(やばい)
担当者がめちゃくちゃ優秀だったら、もしかしたら、AIだけでできるかもしれませんが、なかなか難しいでしょう。良いデザイナーが入ったほうが楽で確実です。
2. そもそも、そのプロンプト書けますか?
もちろん、クライアントの中には、自分の課題解決のために必要なクリエイティブがかなり明確に見えており、自分でもデザインソフトを使ってそれなりに作れる方がいらっしゃいます。
しかし、AIに指示するために、適切なプロンプトを書けるでしょうか?
例えば、こちらは、私が実際に制作したチラシの原稿と完成品です。
(お客様からは掲載許可をいただいています)
いかがですか?メールの原稿から、これをAIで生成するための指示(プロンプト)を1から書けますか?
さらに、これだけの出力を何度も行うだけのトークンありますか?
プロンプト考えるの普通に超面倒くさそうじゃないですか?
上記の例は1枚の裏表チラシですが、6~8桁の予算が動くようなデザイン案件は、条件が複雑でかつ、大容量です。
仮に100ページのカタログデザインがあったとしましょう。
100ページ分、AIが同じ世界感をキープしたまま作れますか?そのためのプロンプト書けますか?
まあ、難しいと思います。
以上、デザイナーなしでの課題解決は難しい、プロンプトの記述が難しい、という2点から、今後もデザイナーの仕事はなくならないと考えています。
AI時代でも生き残るデザイナーとは?
これまで、クライアントの求めるものを作り続けてこられた方については、「まあ、大丈夫なんじゃない?」と思います(投げやり)
やっぱり、AIが作るものって、感覚的に「なんか違う!」ということが多いのですが、
そこで、「あなたの欲しいのこんなのでしょ?」とクライアントの望むものを人間ならではの感覚で察してドンっ!と具現化し、課題解決できるデザイナーは今後も需要が途切れることはないと思います。
なんなら、こういう方こそ、積極的にAIを活用して、さらに上を目指してもらいたいですね。
AIで消えるデザイナーとは?
続いて、AIによって消えるデザイナーとはどんな人でしょうか?
ここまでの流れから、なんとなく想像つきます。
なんとなくそれっぽいデザインなら何でもいい、そこまでこだわりはない。というクライアントがメインのデザイナー
情報量や条件が少なく、比較的単純なデザインしか作れないデザイナー
このあたりのデザイナーは今はまだ大丈夫かもしれませんが、いずれAIに置き替えられます。
だってAIでもできそうだから。
というか、AIがなくともこれはデザイナーとして結構マズイですけどね。
サッカーで例えるなら、1-0の負けてる状態で後半38分くらいのイメージでしょうか?
「やべっ!これ俺のことじゃないか!」
と思った方は今日から頑張りましょう。まだ間に合います(多分)
まとめ
まとめると、
デザイナーは不要にならない
デザイナーなし&AIだけでは全ての課題を解決できない
プロンプト書くのも難しい
こだわりの薄いクライアントのデザインや、シンプルで簡単なデザインしかできないと、AIに負ける
という感じでした。
当noteでは、デザインに関する経験談、デザインTips、テンプレートの配布等もやっておりますので、是非フォローをお願いいたします。
それではまた!
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