【前編】大阪文化服装学院卒展レポート 香りを着るオリジナルショップ 馨 (kaguwa) 〜服飾学生の新たな挑戦〜
今回は、2月11日(土)に行われた大阪文化服装学院卒業作品発表会にお邪魔し、ファッションショーの様子及び学生が運営するオリジナルショップの取材をさせていただきました。
関西の個性をぎゅっと濃縮したような大阪文化服装学院の取材はとても刺激的で、ファッションの魅力に改めて気づかされました。前編では、ファッション・ビジネス学科のオリジナルショップ 馨 (kaguwa) の店長であるフウさんのインタビューを紹介します。
香りを着る〜服飾学生が考えるストレス社会との向き合い方〜
イベントでは、学生が企画、仕入れ、運営全てを行うオリジナルショップが複数出店しており、会場内は終始大賑わいでした。
今回は、数あるショップの中でも「最高売上ショップ賞」に輝いた、香り×ファッションがコンセプトのオリジナルショップ、「馨 (kaguwa) 」の店長フウさんにインタビューをさせていただきました!
なぜ今、香り×ファッション?
<S>まず、香りをコンセプトにした理由をお聞かせください。
<フウ>はい。一応僕が主体で企画は進めたのですが、メンバーの1人が若者へ向けた香水やお香といったフレグランス系の需要が増加しているという案を出してくれて、、、調べるうちに、若者の不眠症の割合が8割を超えていることも知り、アロマオイルやお香等によって睡眠促進ができればと思い、香りをセレクトさせていただきました。
<S>そうなんですね。香りとファッションという組み合わせは斬新で面白いですね。香りとファッションの今後の可能性についてはどのようにお考えですか?
<フウ>そうですね、例えばファッションにも流行りがあるように、香りにもトレンドがあって、その流行り同士に通ずるものがあるんじゃないかなと思っています。今はファッションより香水の方がブランドとかは知られていて、、ちょっとずつ服と香りの境目がなくなって、服を買うという行為と香りを買うという行為が平等になっていくのかなと思います。
現在の香りのトレンドとは
<S>では、今の香りのトレンドはどうなっているんですか?
<フウ>そうですね、僕達がセレクトしながら勉強した限りでは、ウッド系をベースに柑橘系の香りを乗せてる商品が多いですね。店頭に立っていても、やはり柑橘系の受けはいいですね。あとムスクも結構受けがいいですね。
<S>耳馴染みの良いものに手を伸ばしやすいっていうのもあるかもしれないですね。
細部に宿るショップ経営のこだわり
<S>ショップ内では、香りだけでなくて衣服の販売も行っているんですね。香りづけとかされているんですか?
<フウ>いえ、逆に、服には香りをつけていません。匂いを前面に押し出すために、服はデザイナー系の無機質なものを敢えて揃えて、そのアパレルに僕らがセレクトした匂いをのせるというイメージで企画を進めました。
<S>なるほど。匂いを際立たせるために様々な工夫が凝らされているんですね。貴重なお話をありがとうございました。
学生ならではの視点で現代社会と対峙すること
フウさんからお話を伺い、ファッションの新たな可能性に気づくことができました。衣服を身に着けること、香りを身に纏うこと、この両者は一見無関係に見えるけれど、個人の内面と対話し、外部に向けて自己を表現するという点で、実は根っこの部分で繋がっているのかもしれません。服を着るように、好きな香りを身に纏う、そんな新たなスタイルを楽しんでみるのも素敵だなと思いました。
関連記事