はじめてのGTD:第4章
第2部
ストレスフリー環境で高い生産性を発揮しよう
さあ、始めよう
時間と場所、ツールの準備
導入編・徹底的にやるか、気楽にやるか
――”小ワザ”から入るもよし
ガチガチにやらなくても、先に説明した「2分以内に済ませられるタスクなら今やる」といったような小ワザだけでも恩恵はある。
小ワザというのは本当に小さいことでいい。
例えば日々の運動が面倒だという場合は「まず着替えだけする」。
運動着になれば運動するほかなくなってくるし、逆に普段着だと運動したくなってこない。これも立派な小ワザだ。
「絶対に忘れ物をしないよう靴の上に置いておく」といった小ワザは、案外理にかなっている。
GTDも同様に、「頭が自動的に反応する仕組み」を作っていくのが大事になってくる。
例えば、カレンダーに予定を入れていると「そういえばこれもあったな」と連鎖的に思い出す。
3分間紙とペンを持って今抱えているプロジェクトと向き合えば、何らか1つくらいは「そういえばこれもあったな」が出てくる。
適切なツールを適切な場所に置き、適切なタイミングで使いやすいようにすることがGTDの達人になる秘訣だ。
まとまった時間を確保する
GTDを始めるには、まとまった時間と作業ができる場所、そしてツールが必要になってくる。
場所はできるだけ快適な場所がいい。
時間は丸2日くらい確保したいが、先延ばしにするくらいなら小分けにしてでもやった方がいい。
でも完全に「把握する」には6時間くらいかかるかもしれないし、最初にやるときは一気にやった方がいい。週末とか連休を使った方がいい。
場所を確保する
拠点となる場所に、以下を広げられるだけの物理的なスペースを確保する。
・何かものを書く場所
・書類受けを置く場所
・PC等のデジタルツールを置く場所
自宅にも拠点が必要
職場だけでなく自宅にも同様の空間が必要だ。
移動時の作業空間
多くの人はいわゆる「スキマ時間」を無駄にしている。
環境を整備すればこういった時間にもGTDは実行できる。
空間の共有は避けよう
誰かと共有せず、個人のスペースを持つ。
共用机で「この机ではどこに付箋をしまっていたっけ?」なんてやっていたら集中できるはずがない。
ツールをそろえる
GTDの基本ツール
3段以上の書類受け
入ってくる書類、出ていく書類、目を通す書類に分ける。
引き出しではなく直接取り出せるものがオススメ。
A4用紙
「把握する」プロセスではとにかく紙が必要になる。
1つの紙にリストを作るのではなく、1つのタスクにつき1枚の紙を用意する方が後々便利。
付箋・クリップ・ホチキスなど
要するに紙をまとめて保管するための道具。
ファイルは別の方法で使うっぽい。
ラベルライター
要するにテプラ。
ファイルとかバインダーとか、貼れると楽だぞ。
ファイル・バインダー
色分けは煩雑になるから非推奨らしい。
そこでテプラってわけか。
カレンダー
特定の日に行う必要があるタスクは必ず出てくる。
あるいはカレンダーを中心に情報を整理してもいいかもしれない。
ゴミ箱・リサイクルボックス
GTDを始めると大量にゴミが出るらしい。
まぁこんだけ紙を推奨してりゃ出るわな。
システム手帳・デジタルの管理ツール
今までに紹介したアナログツールは「把握する」「見極める」「整理する」ステップで重要になってくるが、そのうちこうして得られたタスクの管理が必要になってくる。
「どのツールでGTDを実行するか?」という質問への回答は「新しい習慣を身に付けられればなんでもいい」らしい。
デジタル環境に慣れている人であればデジタルに寄せたほうがいいだろう。
ただ、GTDを実行するのはあくまで自分自身であり、優れたツールがGTDをやってくれるわけではないことに注意が必要。
それと、リスト管理が目的であることを留意すること。
ファイリングシステムの条件
ファイリングシステムが仕事の流れを妨げるパターンは多い。
ここをうまく機能させないわけにはいかない。
ファイリングで重要になるのは、同じ分野のまとまった資料ではなく、細々としたいわゆる「その他の資料(本文中では”一般資料”)」の扱い。
何も紙だけが資料ではなく、メモだとか鍵だとか会員証だとか、果てにはデータの入ったUSBメモリだとか、そういったものも含まれる。
こういったものがあるから、物理的なファイリングが必要になってくる。
デジタルの場合でも、例えばメールであればいちいち受信ボックスから探し出すのではなく、きちんとフォルダ分けをするべきだ。
ファイリングのポイント
デジタルとアナログの両方で環境を整備するのがオススメ。
たとえデジタルとアナログの比率がどちらかに偏っていても。
一般資料のファイルは手の届く範囲に
ファイリングのために席を立つような状態ではいけない。
椅子を回せば手に取れるくらいの身近な場所で管理するべきだ。
整理システムは一つにしぼる
めちゃくちゃ細かくファイリングするのもいいが、細かすぎるとどこに何をやったかわからなくなりがち。
大事なのは「保存スペースが十分か」と「素早く情報を取り出せるか」。
フォルダを「トピック」「プロジェクト」「人物」「会社」等に大分すれば、それだけ保管場所が減る。そこから更にサブカテゴリを作ればいい。
デジタルなら更に簡単で、タグ付け等も考えられるが、やりすぎるとやっぱり情報過多で何がなんだかわからなくなる。
自分が取り出しやすい、理論的な保管方法が大事。
余談だが、デジタル派は保存して満足しがち。ちゃんと使ってこその情報。
あと、「検索すれば出るんだから整理しなくていいよね」ではない。
必要なときに新しいフォルダを作れるようにしておく
空のフォルダをいっぱい買っておきましょうね。
デジタルだと特に困らない話。
中身が詰まりすぎないようにする
引き出しは3/4が目安。これ以上は危険信号。
保管場所を拡張しようとする人もいるが、それは違う。
情報は使いたいときに使えるから価値があるのであって、それができないなら置いておく必要はない。
アクセス頻度の低い試料は別のところに保管するのも手。
ラベルライターでファイルに名前を付ける
どんなに資料が少なくても、きちんとラベリングした方がいい。
視認性は大事だし、整頓されていると嬉しくなってくる。
年に1回はファイルの大掃除をしよう
不要なものは定期的に捨てる。
「ゴミ出しの日」を具体的に定めるのもいい。
最後に必要なこと
GTDだけに集中できるような態勢を取ること。